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テレワークゆり物語 (63)テレワークとホウレンソウ物語

「いいこと思いついたんだ。聞いてくれる?」

2001年の春のこと。
夜中に思いついたアイデアにひとり興奮し、早い時間にオフィスに出社した私は、一番乗りの社員が出社するなり、話しはじめた。

それは「メールソフトを使って、チームで仕事をする方法」だった。

当時、チームでメールといえば「メーリングリスト」。1つのメールアドレスに送ると、登録されている全員のメールアドレスに届く。しかし、たくさんのメールが届き、自分宛のものがわからず、また話の流れもつかめず、そのうち「読まなくなる」というのが「あるある」だった。

たとえ社員やスタッフが離れた場所にいても、チームで仕事をしたい。
テレワークでも、業務のコミュニケーションである「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を可能にしたい。

私が「ホウレンソウ」にこだわるのは、理由がある。
1985年、新卒でシャープに就職したとき、最初の新人研修で習ったのだ。
会社での仕事は、報告・連絡・相談。つまり『ホウレンソウ』が重要だと。

1990年、配属された商品企画部で、ものづくりの魅力に出会い
仲間と協力しあってひとつの製品を作っていくことの素晴らしさを知った。

1992年、出産と夫の転勤のため、シャープを退職してからも、
同じ思いの仲間をネットで集め、チームで働くことにこだわった。

1998年、起業した会社で、
テレワークでも共に仕事をする「ネットオフィス」を目指した。

しかし、当時は、ホウレンソウどころか、Web会議ツールも、チャットツールも、影も形もない。

『無いならば 作るしかない ホウレンソウ』

かくして、私は、
テレワークでも、いかに業務の「ホウレンソウ」を可能にするか
寝ても覚めても、考えるようになった。

そして、冒頭の「いいこと思いついた」に至る。
その朝、話を聞いてくれた社員は、後に
「田澤さんの ”いいこと思いついた” は、大変な日々が起こる前触れ。」と語っている。笑

2003年「Pro.メール」というメールソフトの販売を開始。
離れていても、テレワークでも、効率よくチームでの仕事ができる、「ホウレンソウ」ツールだ。

特許マニアの私は、「Pro.メール」で、ちゃっかり特許も取得した。
特許 3363144号 通信システム及びコミュニケーション支援方法

とはいいえ、その時代に、テレワークのためのツールなんて、売れるものではない。そんな中、北見市がメールソフトとして、採用してくれた(数年間)。地元のベンチャー企業を応援してくれたことに、今でも感謝している。

以来、15年以上、弊社は「Pro.メール」が、業務のコミュニケーションの中心となった。2009年に立ち上げた(株)テレワークマネジメントにおいても、同様。

社員のほとんどがテレワークで仕事をしつつも、コミュニケーションをとり、チームでコンサルティングを実施することができたのは、「Pro.メール」のおかげである。

しかし、「Pro.メール」のベースは、ローカルで動作するメールソフト。
クラウド型のツールが増える中、引退時期を意識しはじめたのは、5年ぐらい前からだろうか。しかし、別のツールが見つからない。

Webメールも、Web会議ツールも、チャットツールも、「ホウレンソウ」ツール視点だと、帯に短し、タスキに長し。

かくして、現代版(?)「ホウレンソウ」ツールを求めて、田澤由利のこだわりの試行錯誤が始まった。

そして、2017年、ようやく見つけたツールとは・・・ (つづく)

※写真は、「Pro.メール2.0」(販売終了) のロゴと画面。


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