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テレワークゆり物語 (16)一生シャープで働きたい

1985年4月、シャープ株式会社に新卒で入社し、最初に配属されたのは『情報システム事業本部 コンピュータ事業部 第三技術部』。場所は、奈良県大和郡山市にある「奈良工場」。なんと実家から車で通えるという、絵に描いたようなUターン就職である。

念願のコンピュータの仕事ができる!しかもスペイン語学科出の私が『技術部』とは、さすが目の付け所がシャープである。

当時の奈良工場では約3000人が働いていたが、女性社員は1割いるかいないか。ほとんどが事務職採用で総合職の先輩は数名だった。にもかかわらず、第三技術部には、文系理系関わらず7名の女性新入社員が配属されていた。

これには理由があった。時は男女雇用均等法施工の前年。大企業が一歩早く『女性総合職』の新卒採用を開始したタイミングだったのだ。とはいえ、企業も女性の総合職をどのように採用し、どのように育てていくか、というのは未知数。そこで、事業部に配属された7人の女性社員を1部署に集め、新人教育を実施しつつ、適性や希望に応じて、本格的な配属を決めていく意図だったらしい。

自分のやりたい仕事を見つけ、実家のある奈良に戻り、地元の大企業で働く。配属先には、7人も仲間がいる。しかも、世の中は、女性の働く環境を応援している。何と幸せな社会人スタートだろう!

運命のコンビュータとの出会いから、1年半。私は本当にラッキーガールだ。

一生、シャープで働きたい!

心からそう思った。そして、そうなると思った。しかし、私の思いとは裏腹に、紆余曲折の末、たった6年半でシャープを退職することになる。

しかし、この6年半で得た、ものづくりの基本、コンビュータの知識、共に仕事をする仲間、そして何より「チームで、ひとつの製品を作り上げる」経験は、その後、私が推進する『テレワーク』の考え方に大きな影響を与えることになる。


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