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テレワークゆり物語 (78)テレワークでも雑談できる?

「テレワークだとオフィスにいる時のように雑談できない」

コロナ禍における、テレワーク相談「あるある」のひとつ。
オフィスに集まって仕事をしていたときには、気軽に同僚と雑談ができたのに、テレワークになると雑談の機会がなくなり、孤独を感じる。

さらに在宅勤務の期間が長引き、その孤独が増すことで、心を病んでしまった社員の話も耳にする。

テレワークで通勤しなくていいメリットは実感しているものの、孤独を感じてしまった社員は、「会社に出社したい」という思いが強くなっているのではないだろうか。

オフィスに出社していた頃は「あたり前」だった、同僚との「雑談」。会社も、働く人も、コロナ禍で無くなって初めて、その大切さに気づいた人が少なくない。

コロナ前に思いを馳せてみよう。みんな、オフィスに出社して、毎日8時間いたはず。でも、ずーっと、仕事をし続けていたわではないはず。

打合せで激論する時間もあれば、集中して資料を作る時間もある。電話対応していることもある。
一方で、お手洗いに行くことも、コーヒーを入れにいくことも、気分転換に体操することも、そして雑談をすることもある。

オフィスという物理的な場所の中で、社員ひとりひとりが自分の判断で、適度な強弱をつけつつ、仕事を進めていたのではないだろうか。

それが、テレワーク、特に在宅勤務だと、自宅で8時間、集中して仕事をし続けなくてはいけない・・・このあたりに「問題」があるのではないか。

この対策として、こんな相談があった。

「チャットに『雑談部屋』を用意したのですが、誰も利用しないんです。どうすればいいですか?」

そもそも、オフィスに『雑談部屋』ってあっただろうか。 しいて言えば、今は消えゆく「喫煙室」かもしれないが、そこには「喫煙」という、その場に行く理由が別にあったはずだ。

雑談に「目的」は無い。だから「雑談」を目的に、人が部屋には集まらないのはあたり前。では、どのような「場所」で、どんな状況なら、雑談しやすいのか。

  1. 気心の知れた仲間がいる「場所」

  2. その「場所」にいる全員が、会議中や電話中などではない

  3. 全員、話かけられてもOKな雰囲気である

雑談は、この3つの条件が揃う「話しかけやすい場所」で、誰ともなしに、自然に発生するのではないだろうか。

だったら、テレワークでも、同様の「場所」を用意すればいい。その場所は、社内SNSでも、Web会議でも、チャットツールでも、何でもいい。大切なことは、この3つの条件を満たすことである。

弊社の例をお話しよう。弊社は、バーチャルオフィス上に、「いつでも声掛け、雑談をしてもOK」の場所を用意している。社内会議やお客様との打ち合わせ、電話対応などをしていない社員が、普通にいつもの作業する部屋だ。

従来のオフィスでは、部や課の机が集まる「島」だったり、最近増えたフリーアドレスの部屋みたいなものだ。

普通に仕事をしている部屋を「雑談歓迎」に

この部屋に入り、マイクをONにして声で話しかけてもいいし、チャットでメッセージを送ってもいい。その場にいる全員に話かけてもいいし、特定の人にだけでもいい。
とにかくその部屋にいる人は全員「いつでも声掛けOK」なので、気兼ねなく、安心して話しかけることができる。

大切なことは、いつもの仕事場に、雑談しやすい「雰囲気」を作ること。

実現できれば、その「雑談しやすい場」は、仲間への相談や、業務の連絡もしやすい「場」にもなる。

雑談しやすいテレワークの実現は、「寂しい」対策だけではない。

テレワークも含め「デジタル化されたホウレンソウ」を活性化するベースにもなる。ひいては、テレワークによる生産性を向上させることになるだろう。


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