#105 アーユルヴェーダの「SEXに関するあれこれ」
おはようございます。インド嫁です。アーユルヴェーダを勉強したり、ブログを書いたり、イベントを運営したりしています。
あっという間に10月です。2020年もあと3か月です。あれだけジメっとしていたデリーも、青空が広がり風を冷たく感じる季節になりました。
本来ならお祭りシーズン、結婚式シーズンなのですが、今年は「準備の年」と決意して、いろいろな変化に対応していきたいと思います。
ちなみに、インドー日本の直行便は一般の便は休止のままで、臨時便が月2回飛んでいます。(現在新規のインド観光ビザは発行されていません)
さて、本日の質問です。
そして、同じ質問者の方?と思われる方から追加情報が、届きました。
本日のテーマは、アーユルヴェーダの「SEXに関するあれこれ」です。奥が深いテーマです。
こうしたご質問をいただくのは、アーユルヴェーダに興味を持って下さっている方がどんどん増えている証拠だと思います。
問題にストレートにお答えする事もできます。しかし、このネット上の世界は「切り取り」が激しく、全く意図しない解釈が拡散されます。
なので、解説は、いつもより前置きが長くなっていますが、その基本的知識があってこその理解をしてほしいと思います。
こうしたブログを書く事で、アーユルヴェーダにますます興味をもって、インド本場のアーユルヴェーダの常識が日本にも伝わる事を祈っています。
生殖器系はヴァータの機能
まず、質問者さんが「五元素」「ドーシャ」「体質」について、それぞれきちんとした理解でお願いします。
患者さん(ここでいうのは彼氏さん)の詳細がわかりませんため、推測の域をでませんのでご了承ください。より詳細を知りたい場合は、オンライン健康相談で食事や日常生活からのアドバイスができます。
アーユルヴェーダは歴史上、古代王族達のお抱えドクターとして、子孫繁栄、王家の健康管理を担っていた時代があります。
バジカルナチキッサというアーユルヴェーダの分野がありましたが、ここはいかに質のいい子孫を残せるか、男女の生殖器、泌尿器にあたる分野の研究機関でした。
また、生殖器の機能は受精だけではなく、人間の生命に大切な役割を担っているため、その関連性も研究されたと言われています。
皆さんが良くご存じの「ヴァータ、ピッタ、カファ」は肉体にも精神にも関係する私達の特徴を表すものですが、体の中から外に出る「動き」はヴァータ、しかもおへそから下に位置する「アパーナヴァータ」が生殖器官の機能に関係します。
いいかえると、ヴァータが異常になっている場合、生殖器官の何等かの異常があってもおかしくありません。異常の症状は体の一番弱い所に集まります。
第七番目に栄養が来る「シュクラ」
私達はアーユルヴェーダの説明をする場合、ドーシャをよく引き合いに出しますが、本来見るべき所は「ドーシャ・ダハトゥ・マラ」も3つを統合的に見ます。
ダハトゥとは体の構成要素で、吸収された栄養がどういう順に体にいきわたっていくか、を表したものです。
これによると、血しょう⇒血液⇒筋肉⇒脂肪⇒骨⇒骨髄⇒生殖器・精子卵子の順に栄養はいきわたります。
つまり、食べ物を栄養に変える力、栄養で体の組織を作る力、どちらもきちんと正常に働かないと、いい精子は生まれてこないということです。
あくまで、アーユルヴェーダの考え方ですので、泌尿器科や産婦人科の理屈では考えられない事でしょう。
しかし、インドでは今もこの考え方に基づいてアーユルヴェーダトリートメントや投薬で不妊治療を受ける人が少なくありません。
質のいい精子・卵子は消化器官から
前置きが長くなりましたが、本題です。
彼としては、どのくらいの頻度なら精子を出しても大丈夫なのか
という事を知りたいそうです。
質問者さんの質問はここですね。
追加情報を頂いてよかったです。というのも、気になった点が2つあります。
後に良い遺伝子をのこすために、子作り以外で精子をあまり出したくないそうで、自慰も殆どしません。
(途中省略)
過去に腸結核や黄疸を発症した事があり、ドクターからも自慰はあまりしないようにと言われているそうです。
彼氏さんは27歳という事もわかりました。これらの情報から推測します。
アーユルヴェーダでは、Dharniya Vega, Adharniya Vegaという抑えなくてはいけないもの、抑えてはいけないもの、が定義づけられています。
その中に抑えてはいけないものの一つに「射精」が入っています。
「子作り以外であまり精子をだしたくないそうで」は、一見正論に聞こえますが、その裏側に「我慢」や「過度な抑制」があるとしたら、気を付けてください。
体の器官は「使い過ぎ」「使わなさすぎ」「間違った使い方」の3つのうちどれかに偏るとドーシャのバランスは崩れます。
そしてもう一つ、「腸結核や黄疸を発症した事があり」との事ですが、これは子供時代の事ですか?
幼少期と青年期(20歳以降)は体のつくりも違います。もし大人でこの疾患があったなら、消化器官が少し弱いかもしれませんね。
原因はどちらも異なります。
普段からお腹を壊しやすい場合は、いい精子をつくるために、それを直さなくてはいけません。これらは他のブログ記事にもありますので、そちらも読んでみてください。
古代聖者文献のメッセージ
過去記事にもありますが、最もと古いと言われている文献の一つAshtangHrudayamの著者Vagbhataによると、「春(1-3月ごろ)には、性交は3日に1回、モンスーンと夏(6-9月ごろ)に、15日に1回」と指定があります。
あくまで、「目安」です。
又記載のない季節は春と同様と考えています。しかしあくまで自然体で決して理性でそれを抑制している場合、その限りではありません。
さらに性行為の「方法」「時間帯」「体の状態」も細かく指導されています。それによって作り出される「命の源」の質が変わってくるからです。
これは男性、女性どちらにも言える事です。量×回数×質 の掛け算なのです。
まとめますと
1. アーユルヴェーダでアドバイスする性行為のタイミングは「春(1-3月ごろ)には、性交は3日に1回、モンスーンと夏(6-9月ごろ)に、15日に1回」
2. 精子卵子の質を高めるなら、まずはドーシャの不具合、ダハトゥの不具合を改善する⇒日常生活、食事を変えてみる
3. 生殖は量×回数×質の掛け算
です。
最後に、アーユルヴェーダのバジカルナチキッサによる、キッチンレメディとハーブをご紹介します。
◆ギー、オリーブオイル、ココナツオイル、ココナッツジュース(自然のもの)、牛乳(こちらも成分無調整など)の精子や卵子の生成を促進する食品を取り入れます。
よくいうウナギや白子など精が付く食べ物は、彼氏さんは消化が弱いのでちゃんと栄養になりません。まず、胃腸を健康に戻すのが先決です。
◆シャタバリ牛乳:就寝時に温かい牛乳をカップ1、小さじ1杯のシャタバリを入れてかき混ぜます。このレシピは、ピッタの男性にとって一年中良いレシピです。シャタバリがない場合はアシュワガンダでもいいですよ。
彼氏さんが、健康で素敵な男性になれますように。
それでは、素敵な一日をお過ごしください。
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