【書評】「移民の子どもの隣に座る 大阪・ミナミの「教室」から」「男はなぜ孤独死するのか 男たちの成功の代償」
「カニジル」と「虹くじら」の入稿、新しい企画の準備などで追われ、暑さでへばっています。
コロナ後遺症については、とりだい病院の黒崎先生の勧めで服用をはじめた漢方が効いているのか、ここしばらくは寝込むほどの頭痛はなし。このまま行きたい。
最近読んだ本の一部。
「移民の子どもの隣に座る 大阪・ミナミの「教室」から」(玉置太郎 朝日新聞出版)の著者は朝日新聞の記者。
彼は「移民のルーツ」をもっている人間が多い、ミナミの「島之内」に家族と共に住み、「Minamiこども教室」でボランティアをしている。取材者として距離感の取り方、ボランティアとしてどんどん地域に関わっていく姿は、好感が持てる。こども教室の「しんどい子ほど手をかける」という発想にも共感した。
ぼくは人生のうち、延べ2年以上、国外で過ごしてきた。ポルトガル語やスペイン語は理解できるが、話に入るには集中しなければならない。フランス語はある程度読めるが、聞き取りは難しい。ぼくの場合、集中できるのは1時間程度。頭のスイッチが切れた後は、言葉は右から左に流れていく。母国語以外の中に身を置くと、脳が疲れる。移民をルーツとする子どもたちは、学業の前に、そこからはじめなければならない。
著者の玉置さんは移民の受け入れを学ぶために、ロンドンの大学院に進み、自らが「アウトサイダー」の立場に身を置き、教室のこどもたちの置かれた環境に改めて思いをはせる。
日本、特に都市圏では「移民をルーツ」とする人たちとの共生は日常になった。本当の成熟した社会になる必要になるには、彼ら、彼女たちの状況を理解せねばならない。
玉置さんがロンドンでサッカーをしてコミュニケーションを図ったというのは良く分かる。上手くなくてもいいのだ。スポーツは国境を越える。
「男はなぜ孤独死するのか 男たちの成功の代償」(トーマス・ジョイナー 宮家あゆみ・訳 晶文社)は、非常に興味深い本であるが、読み進めるのが辛かった。なぜ、中年男性は「孤独」になりやすいのか。友だちが減り、それを補充できない人は「孤独」になる、という。
その原因として「男」は「甘やかして」育てられ、道具に固執して、女性と違って、積極的に周囲とコミュニケーションをとらない。まさに自分である💦。
とはいえ、ぼくたち自営業は大企業の社員ほど「甘やかされて」いない。嫌々でもコミュニケーションをとらなければ、食べていけないからだ。大きな企業のサラリーマンが退職後、頑迷になり、孤独になっていくというのは当然なのだ。その解決策は、「会話」「自然」「睡眠」と著者は書く。
内容は面白いが、繰り返しが多く、エッセンスだけ抜き出したい本。読むのに一週間かかりました。
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