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美術館/博物館/文学館

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主に美術展や博物館などへの訪問記をまとめています。
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記事一覧

和田誠 映画の仕事/国立映画アーカイブ -2023.12.16-

日本を代表するグラフィックデザイナー、イラストレーターの和田誠さんの映画に関わるポスターや販促物、書籍など様々な作品がまとめられた展示会でした。 ご自身も映画監督としてご活躍されており、アメリカ映画フィルムのコレクターでもあった和田誠さん。映画への愛情が深いことがエッセイ「お楽しみはこれからだ」などでも伝わってきます。 何より映画への愛情が溢れていることがよく感じられる展示構成となっていました。ついうっかり「巴里のアメリカ人」をアマゾンプライムで観てしまいました。

百貨店展/日本橋高島屋 -2023.2.12-

高島屋日本橋店本館の4Fにある高島屋資料館TOKYOで開催されている「百貨店展」を観ました。今日が最終日だったようで、結構混んでいました。 小さい展示スペースでしたが、代表的な百貨店の建築と当時の世相をまとめた巨大な年表と、百貨店の模型などで構成されていました。年表を見ると百貨店という業態そのものの栄枯盛衰が理解できますし、ミニチュア模型には癒されます。屋上庭園のイメージとして、レゴで作られたものも楽しめました。 最近のショッピングセンターは使い勝手や実用としては申し分な

アーツ・アンド・クラフツとデザイン/府中市美術館 -2022.11.27-

府中市美術館で、ウィリアム・モリスに代表されるアーツ・アンド・クラフツ展を見て来ました。家具、テキスタイル、ガラス器、ジュエリーなどを中心にした展示でした。 テキスタイルが多数を占める展示物から何となく想像はつきましたが、来場者は8割が女性でした。ウィリアム・モリスデザインのインテリアへの趣味嗜好が見てとれます。 展示物や作品群には満足。本の装丁、ブックデザインなどあまり知られていない展示もあって良かったと思います。ただ個人的には社会主義運動などウィリアム・モリスの思想的

かこさとしの世界展/八王子夢美術館  -2021.12.04-

日本を代表する絵本作家のかこさとし氏の特別展が、八王子夢美術館で開催されましたので、訪れました。絵本の原画や下絵、スケッチなどさまざまなアイテムの展示を存分に楽しむことができました。 「だるまちゃん」シリーズ、「カラスのパンやさん」シリーズは代表作として特に有名だと思います。ただ絵本としての見た目の楽しさだけでなく、そのストーリーもきちんと背景にある科学や技術を基にしていて、大人が読んでも楽しめるものになっていることに驚かされます。 若い頃の絵画も新鮮でしたが、特に印象深

山水郷チャンネル #03#04 城谷耕生氏/YouTube/Zoom -2020.5.30&6.05-

「山水郷チャンネル」という日本各地で新しい生き方・新しいデザインの仕事の仕方をしている人たちを紹介するオンライントーク番組の第3回、第4回のアーカイブです。 長崎県雲仙市小浜に拠点を置くデザイナーでアートディレクターの城谷耕生さん。イタリアに渡ってデザインの仕事を手がけたのち、帰国。生まれ育った小浜に事務所を開設し、国内外で活動を続けておられます。なぜイタリアから雲仙市小浜なのか、ご本人による語りが印象的です。

山水郷チャンネル #01 坂本大祐氏/YouTube/Zoom -2020.05.16-

今回はリアルな展示会やイベントの記録ではありません。「山水郷チャンネル」という日本各地で新しい生き方・新しいデザインの仕事の仕方をしている人たちを紹介するオンライントーク番組をみました。 よくある地方への移住モノかなと、何気なく見始めたのですが予想をいい意味で裏切る、興味深いトークでした。やはりゲストのご本人がご自身の言葉で語るのが一番いいし、それが本来のナラティブなのだろうと感じました。運営側のみなさんも鋭さと共に柔らかさを醸し出していて聞きやすかったです。 zoomで

ワクワクする力のしくみ展/かもめブックス -2017.07.09-

神楽坂にある書店かもめブックス店内にあるギャラリー ondo kagurazaka にて開催されているコルシカさんの個展「ワクワクする力のしくみ展」を見てきました。 コルシカさんは、インターネットヤミ市東京2016で初めてお会いしたイラストレーターとしてもご活躍中の気鋭の漫画家です。学習まんがシリーズとして「アフォーダンス」「記号とアブダクション」などの作品があります。 とりあげる題材の面白さや、線のタッチがお気に入りとなって注目していたので、個展の最終日にギリギリ間に合

柳本浩市展 アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの/six factory -2017.04.29-

週末土曜日の賑わいを見せる自由が丘駅から10分も歩くと、落ち着いた住宅街にさしかかります。デザイン性に優れた文具で有名なデルフォニックスで使われていた倉庫で、本日2017年4月29日より「柳本浩市展」が開催されました。 小冊子ではこの展覧会について下記のように説明しています。 「柳本浩市展 アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの」について この展覧会は、柳本浩市さんをアーキヴィスト(ものを収集し、整理し、その価値を見極めてアーカイヴを作り、未来へ発展させていく人)

小松左京展/世田谷文学館 -2019.11.02-

あの『日本沈没』の作者小松左京の創作メモやアイデアスケッチらしき資料などの展示があったので、芦花公園の世田谷文学館を訪れました。 感心したのは大作を書く際には、膨大なリサーチをしていること。『日本沈没』の執筆時にも多くの調査をしていて、作品に書かれた数字が荒唐無稽でないように、地震やそのエネルギーの計算をされていたようです。その時に使用していた130,000円の愛用電卓も展示されていました。 小説作品の背後にある資料もさることながら、1970年の大阪万博テーマ館のサブ・プ

カッサンドル・ポスター展/八王子夢美術館 -2017.05.06-

GW連休も終盤にさしかかる5月6日、帰省ラッシュで駅は非常に混み合う中、喧騒とは無縁の空いている美術館でカッサンドル・ポスター展を見てきました。 代表作とされるノール・エクスプレスやノルマンディーはもちろん素晴らしかったのですが、自分の中にあるイメージより現物のポスターサイズが小さく感じてしまいました。 ポスター以外にも、クライアント企業の依頼で灰皿などのノベルティーをデザインしているのが興味深く、エルメス向けのトランプがあり、これがなかなか洒落ていて良かったです。 メ

花森安治の仕事/世田谷美術館 -2017.02.12-

『暮しの手帖』で知られる花森安治氏の集大成となる企画展が昨日2月11日(土)から世田谷美術館で開催されたので、早速見てきました。 表紙画の原画や、カットはもとより、中吊り広告のレイアウトや細かい指示まで本人が自ら手がけておられるとは伝説のように聞いて知ってはいましたが、現物を目の当たりにすると、そのクオリティに圧倒されます。特に表紙画の原画が素晴らしい。創刊間もない初期の号のものが特に印象に残っています。素敵なレターヘッドなどもありましたが、これもご本人のデザインでしょう。

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「日本SF展」/世田谷美術館 -2014.07.19-