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柳本浩市展 アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの/six factory -2017.04.29-

週末土曜日の賑わいを見せる自由が丘駅から10分も歩くと、落ち着いた住宅街にさしかかります。デザイン性に優れた文具で有名なデルフォニックスで使われていた倉庫で、本日2017年4月29日より「柳本浩市展」が開催されました。

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小冊子ではこの展覧会について下記のように説明しています。

「柳本浩市展 アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの」について
この展覧会は、柳本浩市さんをアーキヴィスト(ものを収集し、整理し、その価値を見極めてアーカイヴを作り、未来へ発展させていく人)として捉え、彼の遺品を通してその思想と活動を伝えるものです。
会場では、柳本さんが自ら作成し、自宅に保管していた1000冊以上の資料ファイルを公開。来場者は実際に手にとって貴重な内容を見ることができます。
また、世界各国の日用品とともに、スーパーマーケットなどで入手した食品パッケージ、洗剤などの容器、配送用ボックスなどさまざまなアイテムを、図書館のように分類と関連性を持って展示します。

YANAGIMOTO KOICHI -ARCHIVIST'S VISION

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私がデザインに興味を持ち、仕事にも関わることになったきっかけのキーパーソンのお一人が、柳本浩市さんであったことは間違いありません。2000年代初頭からGlyph.での出版活動に加えて、さまざまな雑誌メディアなどで執筆をされていました。

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伝説となっている柳本さんのブログ metabolism を発見し、読み耽っているだけでは飽き足らず、コメントするという暴挙に出たのでした。アホな質問にもならない愚問のコメントにも返信をいただき、ネット上でのやりとりを行うようになりました。

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前職は札幌が本社の会社でしたが、1年ほど東京営業所に勤務している時期がありました。早朝や深夜に仕事をしてでも時間を作り、タレントの追っかけのように柳本さんのプロデュースするデザイン展示会や、トークショーなどを見て回りました。

そして直接お話をする機会も増え、モノを集めるだけではなくその背景にある文脈の大切さを、膨大な知識の中から繰り返しお聞きすることができました。今にして思えば、当時のメディアを席巻していたエアライングッズのブームも、ビンテージジーンズの流行も、元をたどれば柳本さんの活動にたどり着くのだということが徐々にわかってきました。

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残念ながら柳本さんは2016年3月に若くしてご病気でお亡くなりになってしまいました。今回の展示会は柳本さんをよく知る方が中心となり、その膨大なデザインコレクションと込められたビジョンを、ファンだった人以外にも広く知らしめようと企画されたものと聞いています。

ジャンルを問わず、デザインに興味がある方ならきっと楽しめる展示会です。ぜひ足をお運びいただき、夭折の天才とも呼べる柳本さんの活動を知って頂ければと思います。



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