見出し画像

MBTIであらゆるものが語られすぎ

ある日から世間、特に若い世代の中で急速に広がったMBTI診断。
MBTIと呼ばれる16個の性格があり、いくつかの質問に答えたら、自分がなんのMBTIかわかる。一種の心理テストのようだものだ。
僕も初めはなんだか楽しかった。
診断する度に結果が変わるよくある性格診断とは異なり、毎回同じ性格が表示され、正確性もあるのかもな〜なんて思いながら、友達のMBTIを聞いたりして緩く楽しんだりしてた。
だけど、いつからかこのMBTIというものが、少し過激化していったようになった気がする。
みんながMBTIというもので自分を語り出したのだ。

自分の行動や好きなものでさえもMBTIで語り出すようになった。
TikTokを開いてみると、「INTPの人が絶対好きな曲!」だとか「ENFPの人が取りがちな行動」みたいな動画が大量にある。
しかもそのコメント欄は大概が賛同の意見ばかり。
そして、MBTIとは全く関係がない動画のコメント欄とかで「めっちゃINFPぽい」だとか「こういうENTPの人しんどいよね」とかそんなのもよく見かける。
MBTIでものを語りすぎじゃない??
血液型で人を語るのと似たような流れになっている。

なぜここまでMBTIで語るようになっているのか。
みんなMBTIを盾にしてるのだと思う。
自分の好き嫌いや自分の行動、自分自身を発信したいけど、自分だけだとなんだか不安だから、MBTIというものを盾にものを語るのだ。
自分をMBTIという枠に嵌め込み、それを盾にする。
それに数人でも賛同する同じMBTIの人がいれば、それがまるでそのMBTIの総意のようなものになる。
自分は1人ではなく、自分と同じような人はたくさんいるんだと安心できる。
そういった、誰かと違うことへの不安と、誰かと同じようなことへの安心感のためにMBTIを利用する人がすごく増えてる。そんな気がする。

でも、残念だけど、人はそんな単純じゃない。
16個の性格に簡単に分けれるほど、人間はシンプルじゃない。
すごく大きな共通項としてMBTIは存在するかもしれないけど、それで一人一人を特徴づけれる訳が無い。
誰かと同じことの安心感は確かに心強い。
そして誰かと違うことは確かに怖い。
だけど、それでも僕はあなたが知りたい。
MBTI越しに語られるものではなく、あなたが何を好きで何を嫌いなのか、あなたがどういう人間なのかを知りたいんだ。
だからMBTIを無闇に利用して自分を語るのは、できたら避けてほしい。
MBTIなんて枠にわざわざ自分を嵌め込むなんて作業をやめて、そのままの自分を語ってほしい。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?