長編連載小説 Huggers(23)
でも私、哲ちゃんに家族を作ってあげたいんだ。沢渡 4(つづき)
「え?」
「哲史さんは、わかっているはずだと言っていました。メッセージを残してきたから」
「メッセージ? 詩帆がそう言ったんですか?」
「ええ、はっきりそう言いました。お心当たりはないんでしょうか? メモとか、メールとか?」
「いえ」
沢渡は視線を泳がせた。義母にはあの動画の話はしていない。したくなかった。
「正直に言うと、私、あの子が家を出た当初は哲史さんのこと、疑いました。申し訳ないですが、最近DVとか