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長編連載小説 Huggers

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ハグをするだけで人を幸せにする、ハガーが主人公の物語。
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記事一覧

Huggers(1)

沢渡 1 沢渡哲史(さわたりてつし)は、食卓に置いたタブレットのモニター画面をじっと…

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Huggers(2)

 不動産会社社員の沢渡は、大家の依頼で不審な賃借人の家を訪ねることになったのだが……  …

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長編連載小説 Huggers(3)

不審な点のある入居者を訪ねた不動産会社の社員沢渡は、 初対面の彼女から衝撃的な提案をされ…

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長編連載小説 Huggers(4)

204号室では、本当は何が起こったのか?  沢渡が職場である長谷川不動産の店舗に顔を出したの…

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長編連載小説 Huggers(5)

不動産屋の男が去った後、西野裕子は自分が取返しのつかないことをしたと気づく。      …

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長編連載小説 Huggers(6)

裕子は、ある人物に助けを求める。  裕子の開いていたZOOM画面に映っていた、どこかのご当地…

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長編連載小説 Huggers(7)

小倉は、裕子に真実を言えず苦しむ。              小倉 1  小倉忠典は阪神電鉄尼崎駅のホームのベンチにすわっていた。  冬の日は早くも暮れかけていた。阪神電車の、明るいオレンジ色のラインが入ったステンレスの車両が、傾き始めた太陽の光を鈍く反射しながらすべるようにホームを離れていく。もう何台見送ったことだろう。アナウンスが次の電車の到来を告げるたび、次こそは乗ろうと思うのだが、線路の遠くにぽっちりと電車の先頭部分が見え始めると、油汗が噴き出し心臓が激しく打ち始め

長編連載小説 Huggers(8)

採用面接官の不可解な提案に、小倉は怒りを抑えきれない。 小倉1(つづき)  帰り際、結果…

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長編連載小説 Huggers(9)

失踪した妻の手がかりを探して、沢渡はある人物に会いにいく。 沢渡2   目当ての人々はす…

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長編連載小説 Huggers (10)

混乱した沢渡は思いがけない人物に助けられる。 沢渡 2(つづき)  あれはどういう意味だ…

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長編連載小説 Huggers(11)

不始末を糾弾される覚悟で上司と相対する裕子。裕子(2)  西野裕子は永野英夫と向かいあっ…

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長編連載小説 Huggers(12)

永野はある不思議な現象について裕子に語る。裕子(2・続き) 「そういう時期?」 「外側に広…

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長編連載小説 Huggers(13) 

裕子の思いを知った小倉はなぜか焦りを感じる。             小倉 2  小倉は…

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長編連載小説 Huggers(14)

妻の親友に問い詰められる沢渡。         沢渡  3 「ハグですか? そうですねえ、やっぱり、家族や親戚とか、せいぜい親しい友達同士って感じでしょうかね。誰でもっていうことはないです」  職場で向かいの机にすわっている後輩の桐尾が言った。小学校5年まで父親の仕事の関係でニューヨークの郊外で暮らし、大学2年のときにも1年間、交換留学生としてサンフランシスコにいたという。 「もちろん、人によりますけど」 「どういうときにするの?」  珍しく有休をとっている女性事務員の代わ