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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」6


1.現代の神話

前回の結論
①  神話は人の話をしているのではなく、構造の話をしている
②  ①の視点から見れば、現代に溢れる「情報」と神話は同一

例えば退職後の日中Youtubeをラジオにしていたら、たまたま再生された下記の物語。

この物語に強烈な神話性を感じる。xx族の「ある男」の神話と同じように、日本族の「ある女」の神話ではないか?
事実かどうかは問題ではない。「ある女」とその子達を応援する気持ちと、夫とその一族に対する強烈な嫌悪感が「自然に沸き起こる」。

そしてにも拘わらず、その感情は、具体で特定の人に対して発動したものではないところがポイントだ。彼らがどこの誰だか知らないのだから。
感情が発動した理由は、自分が暗黙に当然と考えている「家族」と、物語中の「夫一族」が当然と考える「家族」が相違しているからだ。まさに「家族構造の相違」(こっちから見るとあっちが異常、あっちから見るとこっちが異常。つまり「戦争」と極めてよく似た状況)に感情が発動したのだ。
つまり上記の物語はまさしく人ではなく「構造」を語っており、それ故に「神話」であり、そして現代人である自分もその「神話」にきちんと反応しその状況に仮想的に巻き込まれたということだ。

2.日常の思考

この観点で周囲を眺めれば、ネットにもメディアにも「神話」が溢れている。むしろ日常生活におけるわれわれの思考や感情は「神話」をトリガーに発動していることが大半だと言って良い。
逆に「科学的な思考」とか論理的、批判的思考などほとんどしていない。せいぜい、勉強系Youtube観てる時か、小難しい本を読んでる時か、トレードしてる時くらいだ。

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