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運転手さんクサイよ~ 真夏の夜の臭い

真夏の深夜1時頃、居酒屋からご乗車頂いたのは30代と思われる男性2名。
2人は会社の同僚なのか?、友人なのか?といった感じで、お酒を召されているが泥酔はしていない。
ただすぐに、運転席のうしろ座席(右後席)にお座り頂いたお客様からは異様なニオイが伝わってきた。
私は年中、鼻が少し詰まっていて、匂いを感じにくいほう。
しかし、そのニオイは確かに伝わってきた。
大量の汗(アンモニア)とアルコール成分が混ざったような臭いだ。
防犯カバーもある前の運転席にいて、鼻が悪い私が後ろ座席からの匂いを感じるのだから相当なものだと思う。
2席に座ったお客様でも、左ではなく、右後ろだと自覚できるニオイなのである。

タクシーやバスは道路運送法が適用されており、臭い荷物や匂うお客様を乗車拒否できることが認められている。
しかし、タイミング的に実際問題、後席ドアを開けてご乗車頂かないと、匂いまでは確認できないので、拒否できると言ってもよっぽどなことでない限り無理と言うのが現実だ。
今回も、匂いが気になる私が辛抱すれば良い話なので、あとで消臭剤を座席にスプレーしとこうと考えた。

ところが走りだしてすぐに、左後席にご乗車頂いたもうひとりの男性が私に言ってきた。
「運転手さん、クサイよ」
そうおっしゃって、冷房が効いている中、おもむろに窓をあけて換気をはじめた。

運転手が臭い?
右後ろのお客様は臭いとは申告していない。
いつもご乗車後、窓を開けて軽く空気の入れ替えもしているが不十分だったのか?
言葉のあやかも知れないが、車の中が臭いのではなく、自分がクサイのか?
お客様からそう言われてしまった以上、黙っているわけにもいかないので、納得はいかないが「大変申し訳ありません」と謝罪の言葉を述べるしかない・・。
しかし、運転手さん臭いと言われた以上、運転中、頭の中では、やっぱり自分が匂いの原因か?と押し問答となった。
確かに暑い夏の乗務で、自分も体臭がゼロだとは言わない。
ただし、冬でも日頃より1年中、加齢臭に気を配っており、体臭軽減のサプリを毎日飲んでいる。
実際、このサプリメントはなかなか効果があって、汚い話、便臭も軽減されている。
もちろん、ワキガなどにも注意しているし、休みの日以外には餃子も食べない。
しかし、勤務中に出た汗の匂いに気が付けていない可能性もある。
自分のニオイはほんと分からないからである。

結局は正しい答えを見つけられないまま、すぐに降車地となった。
「申し訳ありませんでした」と、もう一回お詫びをする。
左後ろのお客様は、運が悪く臭いタクシーに乗って、嫌な気分になったと言うのが率直な感想として残っただろう。
右後ろのお客様は、窓を開けることも無く、何もおっしゃらなかったので、その心理は不明である。

その後、今回のように臭いを発しているお客様を乗せたことはないが「香水」が強い女性客は多い。

今週のチップ

今週のチップは合計1900円。
内訳は、300円、100円、100円、100円、1000円、300円。
運賃が1000円ちょうどだったとしても「ジュースでも飲んで」と、わざわざ300円置いていってくれるお客様もおられる。
本当に感謝申し上げるところだ。

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