見出し画像

「二重思考」に染まるな

※お知らせ※
減税新聞では有料記事設定をさせて頂いていますが、筆者のやる気の源であるプリン代になる投げ銭的な意味合いですので、記事は全文最後まで無料でお読みいただけます。

こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

前回、前々回の記事でジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984」に登場する

「2+2=4」と「二分間憎悪」

について書きましたが、今回は二重思考について書いておきたいと思います。


「1984」についての詳細はこちらの記事を見ていただくとして

「1984」は簡単に言うと「独裁者に支配された全体主義社会を描いた小説」なのですが、その作品の中に登場するのが

二重思考

です。

「二重思考」とは

ある人が相反する2つの理論にあったら、この2つの理論の間の矛盾点を無視しつつ自然のように受け入れ、他人からその違和感を指摘されても、頑固に矛盾な2つの理論を同時に信じ続けること

wikipedia「二重思考」より

のことで、簡単に言えば

矛盾する二つのものを都合よく解釈し同時に受け入れる思考

を指します。

これを無意識的にやるのが「二重思考」で意識的に行うのが「自己欺瞞」ですが、今回の話ではあまりそこの区別に意味は無いので両方とも「二重思考」として書いていきます。

「1984」において「二重思考」は物語の中核をなす重要な概念で

戦争は平和なり
自由は隷従なり
無知は力なり

という独裁政党が掲げるスローガンよって「二重思考」が表現されていいます。

「戦争」と「平和」は相反する言葉であることは説明するまでもないでしょう。

しかし「1984」の世界ではこれを「国家は平和のために戦争を行う」という意味にすることで

戦争は平和なり

という「二重思考」を成立させ、党は戦争継続を正当化させています。

「自由」と「隷従」という逆の言葉も、独裁政党にかかれば同じ意味になります。

その理屈は「党に反発する国民は罰せられ自由が奪われる。逆に党に従えば国民は自由でいられる」というもので、それにより

自由は隷従なり

という二重思考を成立させています。

最後の「無知は力なり」ですが、これには「知らないことには怒りや迷いも生まれない。だから無知は美徳であり力である」という意味が込められていますが、国民が余計な知識を持つことを党が恐れている裏返しであることは言うまでもありません。

「1984」の世界ではこうした相反する言葉を「同じもの」として繰り返し刷り込み、その矛盾ごと国民に受け入れさせる「二重思考」が日常的に行われています。

私たちの住む日本でも「二重思考」が行われていないかを意識することは悪いことではないでしょう。

思考が言語を腐敗させるのであれば、言語も思考を腐敗させる

ジョージ・オーウェル

ということで本題。

「増税は減税なり」

と言われたら皆さんどう思いますか?

おそらくほとんどの人は「増税は減税なり」と言われても意味不明だとして相手にもしないでしょう。

ではこう言われたらどうでしょう?


タバコ税の税収は年間2兆円もあります。

そんなタバコを大増税して1箱1万円になるようにしたとしましょう。

さすがにそんな値段になれば喫煙者は激減し、需要は無くなり、やがてタバコの製造販売も中止に追い込まれることでしょう。

タバコの製造販売中止は必然的に

タバコ税の廃税と2兆円の税収の消滅

を意味します。

タバコがなくなればタバコ税もなくなるからです。

つまり

「増税は減税なり」

です。


これを聞いて「なるほど」と思った人は「二重思考」に陥っているので注意が必要です。

当たり前ですがどんな理屈を並べようが、増税は増税でしかありません。

その意味はこの質問の答えを考えれば自ずとわかります。


もし喫煙者がいなくなり2兆円のタバコ税収が無くなってしまった場合、政府はどのような行動をとると思いますか?

①タバコ税収を諦める
②他の新しい税金を作り出し、2兆円の減収を穴埋めする


相手は課税根拠のないガソリン税や自動車重量税を涼しい顔で課税し続ける政府です。

②の「他の新しい税金を作り出し、2兆円の減収を穴埋めする」しか考えられないでしょう。

つまり「増税は増税」であり決して減税ではないのです。

この先「増税は減税なり」という二重思考が出てきたとしても、それは増税を受け入れさせるための屁理屈であり、それで減税されることはまずありません。

「二重思考」に染まらないようにしましょう。

減税は「減税しろ」という圧力でしか実現することはないのです。

ではもうひとつ同じように考えてみましょう。


医療費自己負担を一律3割にすると毎年5兆円の社会保障費が浮くと言われています。

もしそうなった場合、政府はどのような行動をとると思いますか?

①5兆円分の社会保険料減税を行う
②減税は一切せずにこの5兆円は新たなバラマキに使われる


もうおわかりでしょう。

タバコであれなんであれ増税を許す限り他の増税は止まらないし、「減税しろ」とストレートに主張し圧力を掛けない限り政府が自主的に減税に踏み出すことなどありえません。

戦争が平和ではないように、増税は減税ではないし、自己負担増も社保減税ではないのです。

何度も言ってきましたが

減税が先

です。

「二重思考」に騙されないようにしましょう。

ということで、今日はここまで。

更新の励みになりますので、ナイス減税!と思った人はスキ、コメント、サポートお願いします(・ω・。)

「おむつの消費税ゼロ」運動をやっています。
詳しくはこちらから

それでは、ナイス減税!

ここから先は

0字

¥ 300

温かいサポートありがとうございます! 頂いたサポート代は、書籍の購入などに使用し減税活動に還元させていただきます。