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ポルトガルではガソリン価格が上がるたびに減税されます

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こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのニュースから。

こちらはポルトガル発のニュースで

ガソリンがリッターあたり1セント(約1.5円)、軽油が2セント減税される

という内容です。

「なんだ。たった1.5円か」と思うかもしれませんが、この減税は皆さんが想像するものとはちょっと違います。

ポルトガルではガソリン価格が上がるたびに週単位で減税が検討され、今回の減税もその一環です。

今回のニュースはいつものように中身をそのまま翻訳してもその仕組みがわからないとピンとこない内容になっているので、記事を要約してどういった減税なのかをご紹介しようと思います。

ポルトガルも日本と同様に「ガソリンは税金の塊」となっていて、ガソリン価格の半分が税金で占められています。

その内訳は付加価値税(VAT)と石油製品税(ISP)なのですが、昨今のガソリン価格の高騰によって「率」で課税される付加価値税は、増税しなくても課税額が増えていく「ステルス増税」の状態になっていました。

そこでポルトガル政府は、2022年にある政策を導入します。

それは

付加価値税が増えた分、石油製品税を減税し相殺することでガソリン価格を抑える

というものです。

これによりすでにこれまでで、ガソリンはリッターあたり16.3セント(約25円)、軽油は15.1セントの減税が行われていて、また来週からそれに加え減税されるというのが今回の発表というわけです。

わかりやすいように日本で例えてみましょう。

日本の2022年1月のガソリン価格は全国平均で「167円」でした。

そしてその内訳は

本体価格は「95.22円」
ガソリン諸税は「56.6円」
消費税は「15.18円」

ということになります。

一方、補助金が無い場合の8月のガソリン価格は「196円」とされてますから、その場合の内訳は

本体価格は「121.58円」
ガソリン諸税は変わらず「56.6円」
消費税は「17.82円」

になります。

つまり「率」で課税される消費税は、昨年1月に比べると

ガソリンの本体価格が上がったことで「2.64円」増えた

ということになります。

この増えた分だけガソリン税を減税して相殺してしまおう…

というのがポルトガルの減税というわけです。

ポルトガルは付加価値税率が23%なので日本に比べて金額が大きく、この減税によって

「付加価値税を13%に減税したのと同じ効果を生んだ」

とされています。

また政府もこの減税を

「減収せず確実に付加価値税を国民に返還出来る方法」

として今後も続けていく方針だということです。

さてここまで読んで、もし「日本でやったらたった2.64円の減税にしかならないのかよ」とか「真似しろというならポルトガルの付加価値税23%も真似しろよ」とか「ガソリン高騰の原因は円安だから減税関係ない」と思ったなら

あなたは増税派

です。

減税を否定しようと思えばいくらでも出来ますし、考えられる問題点を挙げればそりゃいろいろ出せるでしょう。

でも

どうすれば減税できるか

を考えた末に行われるのが「減税」であって、例えばポルトガル政府も今回の減税をしない理由や出来ない理由を挙げようと思えばいくらでも出来たのです。

そういった「減税をしない理屈」を思い浮かべる人は立派な「増税派」ですから、「私は増税派です」と堂々と自己紹介していただければと思います。

当たり前のことですがこのポルトガルのガソリン減税も、導入するに至っては様々な弊害があったことでしょう。

また増税派の反対もあったでしょう。

例えばポルトガル政府のこの減税は、EUで定められている「燃料に対する最低税率」を下回るためEUの許可が必要です。

しかしそれを交渉し、出来る方法を考え、実行したのがポルトガルです。

「ガソリン減税」が可能かどうかは、日本政府の様に「買い控えや混乱が」とやらない理由を付けて拒否するか、それともやれる方法を考えるかの違いだけなのです。

ちなみにポルトガル政府はこの減税と共に炭素税の増税も停止しています。

増税が自然現象ではなく「政府の意思」で行われるように、「増税を止める」というのも「政府の意思」で行われるものでしかありません。

繰り返される増税によって国民負担率が50%にまで上がったのは「仕方なく」ではなく、「政府の意思」で上げてきたにしか過ぎないのです。

ポルトガルでは先日、

食品に対する付加価値税ゼロ政策が年末まで延長

という減税ニュースが発表されたばかりです。

「財源が」「法改正に時間が」「現場の混乱が」なんて全て「減税をしない屁理屈」でしかありません。

減税は「やるかやらないか」だけなのです。

なので我々は「減税をやらせるため」に

ごちゃごちゃうるせぇ!減税しろ!

とだけ主張し、数と圧力で政府に「出来る方法」を考えさせましょう。

ということで、今日の記事はここまで。

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それでは、ナイス減税!

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