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なぜ大阪のF1誘致がダメなのか

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こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのポストから。

大阪観光局、F1誘致を正式表明 溝畑理事長「チャレンジする」「やれると確信している」
公益財団法人・大阪観光局は23日、大阪市内で記者会見を開き、モータースポーツ「F1」を誘致すると正式に発表した。
溝畑宏理事長は、事業スキームなどの課題を踏まえた上で「死力を尽くせば絶対に実現する。やれると確信している」と私見を述べた。
F1の大阪誘致計画は今月明らかになったもので、大阪府の吉村洋文知事も協力する意向を示していた。
溝畑理事長は水面下で約2年折衝してきたとし、「民設民営」を条件に知事らが応援するとしたことから、会見で「チャレンジする」と明言した。

大阪がF1の誘致を表明したということで、F1好きの私としてはこれに触れない訳にはいかないでしょう。

詳しいことは後にして、まず私の考えから述べておきましょう。

大阪のF1誘致は絶対に反対です。

理由は簡単。

税負担額が明示されていないからです。

記事で書かれている通り「民設民営で」というならもちろん賛成しますが、本気でそう考えてるなら

「絶対に公金投入はない」

と明言しましょう。

当たり前ですが、誰しも値段のわからない物は買わないはずです。

それなのになぜか政府や行政が絡む事業では、この常識をみんな忘れてしまいます。

この大事なことを決して忘れてはいけません。

現在F1が開催されている鈴鹿がどうとか言う意見もありますが、それは個人の価値観の問題なのでそこを論点にすることは無意味です。

論点はあくまでも

それにいくらの税負担が発生するのか

です。

これがないと議論のしようがありませんから「絶対反対」以外の答えはありません。

いわゆる教育無償化も万博もイカキングともそうですが、経済効果だけ大声で喧伝する一方で、その負担額をひた隠すのは「疚しいから」です。

その疚しい理由はそれが「公金チューチューする仕組み」だからにすぎません。

違うというならなら負担額を明示して議論しましょう。

「民間でやる」というなら「税負担は1円もないと誓います」と明言しましょう。

これが無い限り大阪のF1誘致の話は賛成しようがないのです。

ついでですのでF1好きの立場から、その「民間でやる」という話がいかに非現実的なことかを出来るだけ簡単に説明しておきましょう。

まずF1というのはFIAのグレード1規定をクリアしたサーキットのみ開催出来ます。

それはコースの幅やランオフエリアの広さ、フェンスや衝撃吸収材等の安全性だけでなく、クラッシュしたマシンの撤去設備、またピットガレージ、ホスピタリティ、観客席、パドックなどの周辺設備含めて事細かく規定されていて、それが観客とドライバーを含むレース関係者全員の安全を担保するとともに、スムーズな興行と全世界に放送し多くのファンを魅了するレベルの高い運営の基礎になってます。

そのサーキットのレベルはおそらく皆さんの想像をはるかに超える世界です。

例えばF1は、わかりやすく例えるなら「とんでもない吸引力を持ったルンバが300キロで走るようなもの(笑)」なので、マンホールや排水溝に対しボルト締めや溶接などの対策をしていても、車が発生させる強大な「負圧」によって持ち上げられ、大きな事故を起こしたりもします。

こんなことが起こるなんて一般的な感覚では考えつくこともないはずです。

もちろんマシンの底面にこのような重量物がぶつかることは想定していないのでこうした事故は非常に危険です。

ですので路面ひとつ取っても、強烈なダウンフォースやグリップ力に耐えるようにアスファルト舗装や排水設備などに対しても日常とは別世界の対策が必要になり、「阪神高速で」なんて簡単なものではないのです。

そんな異次元な物をレースウィークのみ街中に出現させるのが「F1の市街地レース」です。

ですのでそのための広大な土地の確保はもちろん、そうした設備の保管から設置、メンテも含め莫大な費用がかかります。

それでも最近のF1は、市街地サーキットが増えていく傾向にあります。

その理由は「莫大な費用が掛かろうが、市街地コースの方が常設サーキットより安いから」です。

鈴鹿のようにもうすでにあり、日頃から様々なレースを開催し観客を呼べるサーキットならなんとか維持も出来ますが、新たに莫大な費用をかけ新しいサーキットを作ったところでその維持費用は馬鹿にならず、多くのサーキットが破産し負の遺産と化すのが実情です。

またF1開催時においても、サーキット側にはチケット代金の収入こそありますが、世界への放映権料や当日の看板広告費などはF1側に入るものです。

そのうえで逆にサーキット側は、F1側に開催権料を支払う仕組みになっています。(例えば近年新しく開催国になったカタールが負担する開催権料は約80億円。鈴鹿は長年の開催の功績などもあり35億円くらいです。)

このようにF1は開催側が大きく儲けられるイベントではありません。

それでもF1開催を求める国は沢山あり、その誘致競争に勝つために近代のF1は

政府が国家プロジェクトとして積極的に介入し税負担で支える

というのが常識です。

ほぼ自力でやってる鈴鹿はレアケースで、例えば大阪環境局が昨年視察したシンガポールGPの230億円の開催費用のうちの6割は公金によって賄われていますし、他の国でも国営企業がスポンサーになるというのが主流です。

そういった事を考えれば大阪がF1を民間のみでやるというのは絵に描いた餅としか思えません。

だからこそ「その税負担額」を明示しないと議論が始まらないのです。

大阪がF1にくる富裕層を呼び込みたいと思うなら春に鈴鹿があるのですから、その時期に合わせて大阪の消費税を無くすなりして呼び込めばいいじゃないですか。

海外では期間限定減税をやっているのですから、日本に出来ない理由はありません。

それなのにそうした議論が出てこないのは、結局はこのF1誘致は

「壮大なスケールの計画だけをぶちまけて税金を使う理由や万博を良しとする空気を作りたい」

という話なだけだからであって、だからこそ何の数字もない非現実的な話しか出てこないのでしょう。

違うというならその税負担額を最初に明示するか、「税負担は1円もない」と誓いましょう。

話はそれからです。

ということで、今日の記事はここまで。

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