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はい、縫製室です/初心者が縫製室にはいれたワケ

 はい、縫製室です。

 「もう長いんですか?」
 「技術を持っているっていいですね!一生モノでしょう?」。


 私の場合。
 縫製の専門学校に通ったことがありません。
 
 初めは、手縫いで長女のベビー服を縫ってました。
 甚兵衛やTシャツからリメイクしたロンパースなどです。最初の子のときからなのでかれこれ20年以上前ですね。
 やがて1代目の家庭用ミシンを購入しました。
 園や学校へ持って行く上履き入れやレッスンバッグ等々をキルティング生地で作るのが容易になりました。大人のシャツやワンピースからのこども用のリメイクも縫えるようになりました。
 家庭用ミシンは初代は1年で壊れてしまいました。価格は1万円程度でしたね。次の2代目は8万円ほどのもので今でも使用しています。まだすべての機能を使いこなしていません…。2代目ミシンは店頭販売がきっかけでしたが、とてもとても丁寧かつ長いおつきあいの担当さんでした。
 友人と食事をしていたとあるレストランで声をかけていらして、体調の理由で田舎に戻るから退職することになったとご挨拶をいただきました。数回、家にメンテナンスできていただいたことがあるとはいえ、出先で見かけた顧客の顔を見間違えずにいることにも驚きましたし、丁寧にごあいさついただいたことにも感動して、いまだに覚えています。すばらしい方ですね。

 さて、それからもっぱらうちの子たちの服を縫っていました。
 主にパジャマですね。綿100%です。買うには高いですもんね。それから簡単なトップスやズボン。
 やがて〔①中年体型になって既製服のサイズが合わなくなってきた②合成繊維アレルギー〕が理由で自分の服も縫うようになりました。あとはバッグや財布や帽子。

 ちなみに玉結びが苦手です。
 服を縫うといっても、すでにできているパターン(型)を写しとってからの縫いですから、製図なんてちっとも知りませんでした。今は、自分の体型にあったパターンを使って縫うのが楽しいです。補正の方法がわかれば、”お直し”の理屈もわかるかなと思って、地味に本を眺めてます。


 「工業用ミシンを触ったことが無い初心者でも歓迎」の求人内容でした。

 その理由は。
1⃣経験者だと、これまでのやりかたを変えることが難しく「やり方が合わない」といって短期間でやめてしまうことが続いた。
 丈詰めが主な仕事内容ですが、縫製の工程の順序が前後するなどの違いについていけなくなるそうです。長年の慣れた手順を変わることがどうにも許せない感覚になるらしいです。なるほど。

2⃣初心者から教えてみよう。育てるのも必要だ。

 採用したこれまでの熟練の経験者がやめるまでに、いろいろあったみたいです…。聞きかじった話ではどなたも超個性的な印象でした。


 事前にネット検索で調べてみた時には「縫製の仕事は経験者のみ」「工業用ミシンを触ったことがない人や専門学校等で学んだ人は採用されない」「趣味だけの人が縫製に就くことはできない」と定評のあるリメイク&リフォームの分野でした。

 たまたまこの回の求人でスタッフの間で相談して試験的にそうしようとなったらしく、それまで(と、たぶんそれ以降は)縫製に勤めたことのある者や専門学校卒の人だけが対象だったはずです。

 そんなわけで、奇跡的にわたしは縫製室スタッフとなりました。

 やぁ、びっくりですねぇ!

 じゃあ、他の縫製の職場にも就けるか?というと…それは無理です。はい。だって去年の冬に始めてできた婦人のジャケット裏地付きアキミセの袖丈詰めですが…冬が終わってしばらくやってなかったら、手順をすっかりまるっと忘れましたから!
 教わりながら…何度かやって…どうにかしあげることができて…スキルアップシしたぞと喜んでたんだけど……まったく身に着けてなかったー!

 「技術を身に着ける」って奥が深いですね。
 理屈を理解してから技術を覚えるのと違って、ともかく縫ってみて、やってみて、失敗してみて、試行錯誤して、あとから「こういうことかー!」とやっていくわけです。が、それでもまだまだわかっていない、知らない部分が多くて。だから忘れちゃうのかな?
 こういう場合は、ともかく数あるのみ。経験を積み重ねるのみって感じになります。だから「できない」ことを楽しめるだけ、楽しんでいきます。

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