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#26 ~卒業証書授与式に不参加したら~②入学や卒業が「おめでとう」とお祝い事であることに違和感があるんです

『ホームスクールをあたりまえに生きてる』エッセイ 第26弾
入学や卒業が「おめでとう」とお祝い事であることに違和感があるんです②
~卒業証書授与式に不参加したら~

その①、その③があります。



 何が起こったのか。

 順を追って話した方がよいでしょうか。

 学校からの”卒業証書授与式への参加”の強い要望があった
 本人が不参加の為、親が「本人代理で卒業証書を受け取った」事実が作られた
 保護者不在時の突撃家庭訪問←いまここ

 いきなり余談ですけれども、「連絡を取りたい」ならば「連絡を取りやすい時間帯を把握して、その時間に連絡を取る」という行動は常識だと思っているのですが、どうやらそうでもないらしく、一向に、「私が在宅している時間」に連絡をくださらなかったのは、なぜなのでしょうか。営業職の最初の最初でつまづいている新人を見ている気分になってました…。


 えぇ、そうなんです。
 卒業証書授与式が済んで、さぁこれでお仕舞いとさっぱりしていたつもりだったのです。ところがある日のこと。
 仕事からの帰宅時に近所の民生員さんに呼び止められました。

「あとで長女さんから聞くとは思いますが、学校から先生方が来られてました。中学校卒業後の進路についての案内だそうです。うちにも情報はありますからいつでも聞きにいらしてください。それから今後もたびたび声をおかけすることもあると思いますがよろしくお願いします。」

 ん?なにかひっかかりを覚える発言内容ですね。
 ちなみに我が家は母子家庭で、2020年以降の経済活動自粛による経済状況悪化を理由に児童扶養手当を初めて申請していますから、日ごろから民生委員さんから生活態度のチェックがはいるのは標準設定です。(児童扶養手当って、一度申請すると、支給条件からはずれても申請は取り消せないんですよね。ずっと行政(福祉?)の監督下に置かれる制度です。)


 さて、玄関をくぐって事情を聴きました。

朝、学校(担任の先生)から電話がはいる。
長男が対応。

内容)
用件:家庭訪問をする
理由:本人に直接面談する義務がある
根拠:中学卒業時なので

 長男はあっさり承諾しました。というのも、「会うくらい、別にいいっしょ」と判断したからです。ここが長男の困ったところで「自分なら構わないから、本人(妹、次女さん)も大丈夫でしょ」と判断してしまうことです。
 そして、先生方訪問の対応をしたのは、一応、保護者代理を務める長女でした。しかも訪問の経緯を長男から説明されていない!

長女の対応は次のようなものです。
・本人の意思を無視して玄関まで引っ張り出して、先生の前に連れてくる事は出来ない

 そこで、「ならば、どのように応対することが可能か?」と長女は先生方にあらゆる角度で質問して明らかにしようと試みたようです。ところが、暖簾に腕押しの感触で、なにを言っても「面談する義務がある」の一点ばりだったのだとか。
 「それができないから、代替案を提案しあいましょう」と言いたいわけですが、どうにも伝わらないわけです。長女の頭の中では段階的に、応対のシミュレーションがなされていて、(これでだめなら、次はこれを提案してみよう)と試みた次の一手がこれです。

 「お向かいに民生員さんが済んでいらっしゃいます。日ごろの姿を見ていますし、そちらに相談されてみては?」。
 すると「情報をありがとうございます」。と意外な程すんなりとそれで治まったらしく。で…民生委員さんの発言につながるわけですね。

(そいでね。最後に訊かれたんですって。「おねえさんですよね」って。最後に確認することではないと思うの…。おまけに最後まで「誰が来たのか」も不明なんですよ。名乗ったのは「担任です」のおひとりだけで、もうひとりのひとは「誰?」状態のまま終わったんですって。なんだかなぁ。


 さて、長男は気づいていました。
 この家庭訪問がなんのために行われるものなのか。

 はい、これです。

 虐待防止のための安全点検です。一時、フリースクールに子を通わせている親御さんの間では、面談の報告はフリースクールのスタッフで良いという情報が共有されました。一方、ホームスクール家庭ではそのようなツテがないので、「家庭訪問をおこなう理由と心構え」なるものをnoteで書いたつもりです。必要以上に感情的にならないでよいこと、学校が引き受けている事務で報告の義務が学校にあることなどです。実際、家庭にその義務も責任もないと言えるのですが、善良な市民として協力する姿勢でいることは大切かもってお話です。


 あのね。

 不信感が募るばかりの行動ですからね、これ。

・親と直接連絡を取り合わない
・誰に承諾を得たのか確認しない
・身分を明かさない
・家庭訪問の理由を明らかにしない(進路相談の一環とごまかす。これは最初の電話で用件をそのように伝えたことから始まりますが、表向きそのようにしておきたい意志は明らかです。)

 えぇ、理解はしています。
 これが「虐待が疑われる家庭に対して取るべき行動」の指針としては妥当な行動なのでしょう。つまり「長期欠席のうしろには虐待がひそんでいる」
という前提を置いているからこそこのような指針が作られてしまうのです。
 厚生労働省が”長期欠席”を虐待のメルクマール(目印)と位置付けたから起こっています。それは虐待が起きる背景がそれこそ家庭ごとにあると言えるほどに多様であるがために、焦点を絞ることで具体的に行動を起こす動機を設置しなければならないからでした。迷惑な話です。

 また長くなってしまったので、次につなげます。

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「ホームスクールをあたりまえに生きてる」シリーズを集めたマガジン 2022年5月スタート。 更新中。基本的に全文公開としています。 気に入…

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