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妄想 台湾旅行計画 -5(終)

台湾最終日(架空)。
帰りの飛行機は17時発。その日中に日本の家にたどり着きたいとなると、飛行機は夕方くらいになる。

最終日のこの日は、また台北に来るための祈りの時間を設ける。MRTに乗って「行天宮」を目指す。
行天宮は三国志で有名な関羽が祀られているお寺で、学問や仕事運アップの神様として知られている。このお寺にほど近い「喜多士豆漿店」にて朝ごはんを食す。二日目の朝にも食べた豆乳スープのお店で、こちらはほかにサクサクとした蛋餅(ダンピン)という小麦粉に卵やネギを包んだパイのようなもの)が有名とのこと。テイクアウトの人も次々にやってくるという。

朝食を終えたら早速お参り。お参りの仕方はお寺の中に看板があり書いてあるので、それに従えばOK。こちらには「収驚(ショウジン)」を待つ人の行列がある。

収驚とは、驚いたりショックな出来事が自分に起きた時に、抜けて行ってしまった魂を体の中に戻す作業のことを言うらしい。女性が数名立っていて、その方々が魂を戻すために一人一人の背中に手を当てたり何かを唱えたりしてくれる。並んでいる間は飲食などは禁止。

コロナ前の記憶では、自分の番になったら名前と生年月日を伝え、背中に荷物などはない状態にして立っているだけで良い。この女性たちの中には日本語が少しだけできる方もいて、夫が収驚をしてもらった際には「大丈夫よ」と言って最後に背中をポンポンとしてもらえ、なんだか安心した、とのこと。魂をお祓いしてくれたような気持ちになる。

お参りが終わったら、またも近くにある「幸福手作.天然愛玉」へ。グーグルマップで見つけたこちらでは「あいゆ」と呼ばれるゼリーのような不思議な食べ物を提供しているカフェ?だと思う。はちみつや黒糖のシロップ、レモンをかけてさっぱりといただく愛玉ゼリーのお店だ。夜市などでもよく見かける台湾の定番デザートで、夏には欠かせない。つるりとしたのど越しを真夏の台湾で感じてみたい。

ここから最後に足を延ばして、「臺北市立美術館」へ向かう。ずっとタイミングが悪く来ることができずにいた。MRTで「圓山」へ向かう。降りたら大きな公園を突っ切って、美術館へ。台湾の現代アートを中心に常設展もあるとのことで期待が膨らむ。台湾のアート事情をあらかじめある程度頭に入れておきたい。

台北中心地の中山に戻ってきたらおそらく14時くらい。昼抜きで美術館を見たのできっと腹ペコだ。最後に贅沢をしてみるためにリージェント台北ホテルの「Azie Grand Caf'e」に行ってみる。なんでも牛肉麵で賞を取ったくらい有名らしい。

ただ何度も書くが私の情報はコロナ前で止まってしまっているので、今はどのような評価を受けているかは正直わからない。ホテル自体は何回か泊まったことがあり、立地、お部屋、サービス、どれをとっても素晴らしいホテルだった。親御さんを連れていくという方も安心できるようなしっかりしたホテルである。一応付け加えておくと卓球の福原愛選手が結婚式を挙げたホテルでもある。

ここでフィニッシュ。後は荷物をホテルからピックアップして、松山空港へタクシーで向かう。免税店は小さかったが、今はどうなっているだろうか。パイナップルケーキを買うのを忘れていることに気が付いた。忘れて帰ったら大事件である。空港で売っているといいのだが……。

かなりおおざっぱな妄想旅行記だったが、自分の中での台北への想いは幾分か整理できてきた。やっぱり行きたい。臭豆腐の匂いの中に紛れていたい。新しいカフェもたくさんできているだろうし、新しい流行もあるのだろう。台湾に行くといつも思う。日本との関係が良くなければ、こうやって気軽に楽しむこともきっとできなかったのだろうと。

旅行と国際政治は残念ながら直結している部分がある。自分自身は何もしていなかったとしても、国と国には歴史がある。この歴史のことを「知らない」では済まされない。関係性というのは一朝一夕で作られるものではないからこそ、長い時間をかけて日本と台湾が関係を築いてきてくれたことに、現代に生きる私は感謝しなければならない。どちらが上でも下でもない。それがどんなに難しく偽善的な考えであっても、私たちは目指さなければならないと思っている。

↑オススメのパイナップルケーキ。

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