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してしまうこと、しまったこと

生きるとは、してしまうことを繰り返すことだ。 してしまった記憶を思い出してしまうことであり、してしまう予感を感じてしまうこと。 してしまう前から見て、してしまうことは理由はなく偶然なのに、 してしまった後から見て、してしまったことは過去に決定された必然になってしまっている。 何も殺したくないのに殺さないと生きていけないし、 砂遊びはいつまでも楽しいはずなのにいつのまにか扶養側に立っている。 性欲で不倫することも、 週刊誌報道することも、 ネットの有象無象のつぶやきも、

    • こよしこよしの

      白っぽい線の前のほうへとつづいてゆくのをみる。少し白さがかすれているところがある。ここは停めていいんだっけ。交差点は遠いけど、これは路側帯っていうのだっけ。車道なんだっけ。後ろはまだ来ていない。左合図を出してしばらくたっている気がする。ハンドルを左に回す。少し右に直す。ハザードをつける。パーキングに変える。少し左に歪んでいる。 音が聞こえるだけの暗さ。まぶたのうちに男の子が浮かぶ。男の子のへその部分から反転し内側だったところから絹の糸があふれ床にこぼれ溝へとするすると流れて

      • 理由のない世界で

        就活をしていると自分のことを知ることになる。 志望度が高くて相当準備をしてエントリシートだした企業が二つあった。ひとつは面接まで進み、もうひとつは面接まで進まなかった。 準備しなかった企業はともかく準備をした企業で落ちるのはショックだし、次受けるときのためにも何が違ったんだろうって考えていた。 どちらも人の顔が見えるようなそれぞれの人を大事にする企業だと思うがそれでも大きな違いがあった。 落ちた方は挑戦を推奨する風土だが、通った方は変化は必要だからしていくが特別挑戦を

        • 日記

          日曜日の朝を落ち着かないまま迎えた。 本日締め切りの就活の書類があるからで、締め切り前はよく眠れないから。 心臓の音が鈍い。 それから二度寝したもののいつもより早く布団から這い出ることができた。 猿田彦に行き午前中にあと少し修正するだけのところまで書き上げた。 お腹が空いて不機嫌になってきたためここら辺でご飯に。 晴れているのに家に帰るのがもったいない気がして近くの中華屋に行く。 となりの卓を見てラーメン定食から角煮鍋の定食に直前に変える。 土鍋って書いてあったのに鉄の鍋だっ

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          不思議な顔

          さいきんいそがしくかんじるような日々をすごしています。それだからか体がなんだかままならないばかりで右手をつかおうとすると左手はぴくりともうごかないみたいなふうですし、昨日は頭がいたいし呼吸が少しあさくってなんかもうだめだなって家にかえって、それから12時間もねていたのに、今日もおなじようなかんじでぼーっとしながら電車にゆられています。しゃーー、きゅーーいんっみたいなのが耳をつうかしていきます。いつもこういうときにせんとうにいきたくなります。からだのなかに水がないってことなので

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          ちかちかする

          2024 0330 ちかちかする。 スーパーで買ったどら焼きがおいしい。新しくできた鰻屋はすぐにつぶれそうだ。人が多い。好きな市場が閉鎖される。久しぶりに長いシャツ一枚でいれてうれしい。パンツが生乾きで臭い。湿気でタバコの煙が多い気がする。 「近くで飲まれていたんですか」「おうちはどちらですか」「お友達と飲んでいたんですか」「ご家族と住んでいますか」「ご家族と連絡取れますか」「ここで寝られると通報が入りますので」「帰れなさそうであれば〇〇警察署に連れて行って保護することにな

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          西東京の波打ち際

          撫でられないからHOPEを吸って 飲めないから砂糖を入れて おかえりがないのはただいまがないからとか言われたからバーガンディを唇にさして いつもよりまばたきが多くって いつもより口ずさんでなくって いつもより肺が痒くって いつもよりとなりのおばさん眉間のすべてが気になって いつもよりとなりのおじさんセーターの青か緑か紫か灰かを気にして いつもよりあーなるのなんだかななんて誰が言ってんの タトゥーとタバコがいけないあそこに向かってたらタトゥーもタバコも必要になって 気がつけ

          西東京の波打ち際

          傷つけると分かった上でものを作ること

          就活中に「あなたがどうしても解決したい社会課題は何ですか?」と聞かれたときに、 浮かんだのは反出生主義だった。 今の時代をひとことでまとめると、反出生主義の時代だと思う。 傷への神経症としての、傷と磁器に対する中毒の時代だ。 一方では甲高い声をあげながら膿が溜まり腐敗したかもう完治間近かなど関係なしに瘡蓋をはがすくらいに傷や血を中毒的に求め、 もう一方では無声のままつるつるとした清潔なものを中毒的に撫でている。 ある意味私がこの半年間ずっと考えていたことは反出生主義に対

          傷つけると分かった上でものを作ること

          活動休止のメンタルヘルス

          ZOCが一時活動休止するみたいだ。 大森靖子を好きになって数年、ZOCやMAPAを好きになって数か月くらいたつ。 今回の活動休止は悲しい部分があるが、特別驚くべきことではなかった。 X(Twitter)の検索バーで調べると、 「大森靖子」で調べるのと「靖子ちゃん」で調べるので、大きくコメントが異なるし、 ZOCの活動休止やそれ以前の暴露のなかで大きく混乱している人も多いことがわかる。 Xのような文字数が基本的には少ないツールでは扱いきれない題材だと感じる。 今回はn

          活動休止のメンタルヘルス

          彼岸が見える此岸 「マゾ」ではないマゾ

          ※関連のプレイリスト 此岸用 彼岸用 1週間前タリーズでタバコを拾った。 スタッフの人に届けたとしてもどうせ捨てられるだけだろうと思った。 もったいなくてそのまま手提げカバンの奥に沈ませた。 大学生活の始め高校の合唱部時代の先輩と会った時のことを思い出した。 先輩の飲み会で飲み過ぎて田んぼにゲボを吐いた失敗談を聞いて、 「どうして健康を壊してまで酒を飲むん?自分はぜったい酒飲まんよ」なんて返していた。 もちろんお酒だけではなかった。 タバコは害悪、吸うやつはアホだと思

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          本物じゃないだとか

          かわいいのがいい。 かわいいのがない。  わたしにとってのかわいいがいい。 でもやっぱりどこにもない。 このかわいいは、みんなにとってのかわいいで。 わたしのかわいいはこんな色をしていなかった。 有機栽培ではなかった。 添加物もりもりだった。 でもその添加物の色がきれいだった。 わかんないけど、本当にそうだった。 きれいなもの。かわいいもの。 「ねえ、それって本物じゃないよ。」 そんなテーマの作品ばかり好きな気がする。 「月」「惡の華」「熱のあとに」 https:

          本物じゃないだとか

          from one Nothing Happened to another

          宇宙船地球号は発射される、人工衛星を見送らなかったことに後で気づく、現れた口に吸い込まれる、健康な食道を通る、とても長い、W2が折れる、E5も、ほかのもろもろも、ペットボトルは倒れて浮かぶ、光が速いかもしれない、広いところに着く、多分胃、広いがわからない、たまに遅いかもしれない、次元、留まる、動きだせる乗客、直されるペットボトル、また倒れて、違う方向に浮かぶ、中に住む何か、聖典を渡す、たぶん東南アジアの、受け取る、穴ができる、開いた瞬間か外に出てしまっている、椰子の木みたいな

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          幽霊との共存

          幽霊のことばかりを考えている というより、もとから幽霊のことばかりを考えていたんだと思う。 でも、最近特に考えるようになったのは、 東浩紀の書籍を何冊か、特に『存在論的、郵便的』を読んだからだろう。自分がこれまで悩んでいたことに幽霊という言葉をあてるきっかけになった。 東浩紀の本は、読んだ人に「かもしれない」を強く考えさせる。 取りこぼしを考えること。 他者を考えること。 忘れてしまったあれやこれを思い出してしまうこと。 生活していると、言葉を使っていると、研究をしていると

          幽霊との共存

          まばたき

          2023 1207まばたき ビール。ビールを光にかざしていている人がいた。どうしてなのか気になって聞いてみるとお酒に強くないからとのことだった。あの人は小さい泡がぽこぽこ昇っていくのをまじまじとみていた。食事が美味しく見える照明だった。久しぶりに会ったときにそのときのことを伝えると記憶力を褒められた。 私。どんな人って聞かれたらどう答えるだろう。もしも私は優しいというとして。私というときの私と、優しいというときの私では少し違う気がする。少し時間が経っている。足の爪がほんの

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          マジっぽさ・ニシダ・謝り

          こだわり酒場のレモンサワーを飲んでいる。 セットで安かったし焼き鳥缶がついてたから。 お金がなくって生ビールまでは買えないし。害なく何本も飲める。少なくともそう思い込める。 ラランドのyoutubeが好きだ。 というよりニシダに親近感を勝手に感じている。 友達に以前このことをいってみたら、 「ニシダ、メンタル弱すぎるよね」(細かい表現忘れてる)って返ってきた。 「いや、ニシダの中でいろんなことが矛盾してるんよ」って返した。 ニシダについて何をわかってるんだろうか、わたしよ

          マジっぽさ・ニシダ・謝り

          小説

          それは自然に湧き出る。迷っていることがあるようだ。それらは事前にわかっている以上のものであるようだ。だからか、あるようだなんて言葉で結ぼうとする。どういう話をしたらどういう学習したらどういう感想をくれるか、話すたびに静かに確かめる、前提が食い違っていることも。それはみなが知っている当たり前の話だ。これはそのうえの話だ。どうしてだか一つの記述の話から二つの話が湧き出ることが価値をもちうるか。説明とは記述をトートロジーという地図にマッピングすることだ。それは情報を増やさない。しか