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映画「X」から歴史にハマる?

先日「X」という映画を観ました。

映画についてはA24作品ということや、監督の初期作も気になるなーとか、日本版ポスターも最高!とか、パンフレットも最高!とか色々あるのですが、今回は置いておきます。まず「X」は1979年が舞台の、当時のホラー映画やカルチャーを反映させた映画なんですが、かなーり好きな映画でした。

で、どこが好きなのかというと、映像の少しザラッとしたような質感(たぶんしていた気が、、)や色味。時折出てくる息を吞む緊張感のある構図と展開。キャラ造形やそれぞれのファッションも良いです。部分的に好きというかは、全体的な話の作り方や展開?なのか雰囲気というか、うまく説明できていない点もありますが、好みな映画でした。

パンフレットなども読み、70年代のホラー映画やカルチャーを反映させたというところから自分はそのあたりがもしかするとけっこう好みなのでは?と思いました。それで、その時代どんな映画が公開されていたのか、今まで見た映画の近そうな年代のものは何があるかとかを調べてみたんですが、そうして年代ごとの映画や出来事、カルチャーごとに起きたことなどを見ていくと、この時にこれが起きていたのかと改めて驚くことがたくさんありました。

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↑パンフレットの裏表紙。

まず、映画でいうと2001年宇宙の旅が1968年、時計じかけのオレンジ:1970年、悪魔のいけにえ:1974年、ウィークエンド:1967年、エルトポ:1970年、死霊のはらわた:1981年 、HOUSE:1977年、サスペリア:1977年 例に挙げた映画が偏りすぎですがこんな感じ。サスペリアを見たときにめっちゃHOUSEみたいだなーと思って年代を調べたら一緒だったのでびっくりしたことを覚えています。それで、少し話は飛びますが自分の好きなポップアートとかはいつ頃だったけと調べてみると、アメリカで流行ったのが60年代。その前のイギリスでの盛り上がり(ハミルトンの作品)は58年!そんなに前のことか―とかなり衝撃でした。洋服や古書などの50年代というと、ヴィンテージとして古いもの(もちろんかっこいいものもある)というイメージが強かったのですが、ポップアートもそれくらい古いのかと思うと、個人的にはそこまでの古さを感じていませんでした。

それから時代をさかのぼっていくと、戦前・戦後があるのですが、そこでふとコルビジュエのサヴォワ邸はいつ?と調べてみると1931年、、。90年も前なのかと。たしかに建築の説明など読んだ時に戦時中の話も書いてあったと思いますが、他の出来事と関連付けると一気に感じ方が変わりました。建築で言うと、イギリスの建築集団であるアーキグラムが活動していたのが60~70年初頭。イメージとしては80sくらいの感じでしたがけっこう前だった。80sの建築もからむところででいうとメンフィスが81年結成。こう見るとザ・ポストモダンという感じで分かりやすいし、アーキグラムはそこまで無茶苦茶じゃない気がします。

一方日本の50~60年代の現代美術シーンをざっくり見ると、54年に具体美術協会。ハイレッドセンターが63年。もの派が60年代後半という感じです。それから64年に東京オリンピック。和田誠や宇野亜喜良さんらが20代~30代だったのも60年代です。ねじ式は68年、鉄腕アトムは52年~68年、佐々木マキさんのデビューは66年。もともとは70年代ホラーを調べたかったくらいだったのが、調べだすとすごく面白い。僕はマティスがすごく好きなんですが、その「赤のハーモニー」という作品は1908年!いままで歴史とその相関関係について、特別興味を持ったことはなかったのですが(なんとなく知ってるけど、知っといた方がいいかなみたいに感じていただけでめっちゃ興味があったわけではなかった。)、今回その面白さに気づけたのが「X」を観たことによる一番の収穫です。

ちょいグロとちょいホラーが大丈夫な方はぜひ見てみてください。

ミナミダ

タバラット公式サイト
https://www.tavarat.jp/

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