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【誰にでもできる】写真がうまくなる具体的な方法

「写真がうまくなりたい!」と思っている人はたくさんいると思います。かくいう私もその一人ですが、ただ漠然とうまくなりたいと言っても雲を掴むようなもので、具体的にどうすればよいのでしょうか。

「高い機材を揃えればうまくなる」「難しい本を読んで技術を身につければうまくなる」・・・そんな風に考えていた時期が私にもありました。

実際、高いカメラやレンズを買ったり、いろんな本を読んで勉強してきましたが、撮影における失敗は減ったものの、満足できる・認められるような写真はいつまで経っても撮れません。ここで写真の師匠でも居れば違うのかもしれませんが、独学でやっている人は手探りで進むしかないんですよね。

悩みに悩んだ末に出た答えは「自分にはセンスがない」でした。
現実を受け入れるというのは酷なものです。

さて、「センス」と呼ばれる部分について持って生まれた才能がないと諦めるしかないのでしょうか。「諦めたらそこで試合終了ですよ」という先生の言葉を信じて、少しあがいてみることにしました。

今回ご紹介するのは「私はこうやって変わったよ」という方法です。
私の写真がうまいかどうかはさておき、「ある方法」によって以下のことができるようになりました。

・身長が10cm伸びて、宝くじが当たってモテモテに!

そういう怪しい話ではなくて

・撮りたいイメージを想像できるようになった
・イメージ通りに撮影できるようになった
・写真をみるだけでどうやって撮ったかわかるようになった

結果としてInstagramでフィーチャーもらったり、海外のNational GeographicでDailyDozenに選ばれたり、IPA2019で入選するなど具体的な成果も生まれています。

もう少し詳しく書いてみます。

■撮りたいイメージを想像できるようになった

たぶん、これが一番重要なことだと思います。
「こんな感じで撮りたい」を具体的にイメージできるかどうか。

以前は何を撮りたいのか自分でも明確ではありませんでした。
絶景を目の前にして何も考えられずに夢中でシャッターをポチポチするだけだったのです。

写真の教本とか見ていると、「主題を明確にしろ。一番伝えたいことは何か考えろ。」と書いてあります。
ふむふむと頭ではわかったつもりでも、例えば天の川が湖面にリフレクションしていて、美女が居たら全部主題に思えるじゃないですか・・・

そこで思考が停止してしまって、全部写したいからとりあえず全部フレーム内に入れて写す。結果、「うん、写ってるね」という写真ができあがる。

ここでもう少し踏み込んで考えて、仕上がりをイメージする。
おそらくセンスがある人はパッとイメージが浮かぶんだと思います。

具体的には写真を構成する要素を把握して、組み立てる能力になります。
それらを瞬時に判断して仕上がりをイメージする。

ものすごくハードルが高い感じになりましたが、「ある方法」によってこれを身につけることができます。
今では現地に行けば「今日はこんな感じの写真が撮れる」と具体的にイメージできます。現地に行かなくても、その日の天候や時間帯がわかれば「こんな写真を撮れそう」とイメージできるようになっています。

■イメージ通り撮影できるようになった

イメージはできてもその通りに撮影できなければ意味がありません。
写真を撮ったけど、出来上がった写真がイメージと違った!ということはあると思います。

同じ機材で同じ場所で撮影しても、同じ写真にすることは意外と難しいものです。

イメージと結果のギャップはどこから来るのでしょうか。
原因は状況の把握が不足ていることだと思われます。
状況とは撮影環境だったり、使用している機材だったり、さまざまな要素があります。

最も多いのは光の具合が違うことではないでしょうか。

例えば、風景写真の多くは早朝や夕方などに撮影されており、光と影のバランスが絶妙だったりします。真昼間に同じような写真を撮ろうとしても光の状況が違うのでイメージとはかけ離れた結果となります。

ポートレートでも光の方向や強さが違えば、同じ場所でもイメージは大きく変わります。他にもアングルだったり、レンズのボケ量や圧縮効果だったり、イメージが大きくかわる要素はたくさんあります。

これらも「ある方法」繰り返すことで身につけることができるようになります。

ある方法・・・だんだん宗教じみてきましたね。
「壺を買え」とか言わないので安心してください。
Noteを買ってくださ・・・

■写真を見るだけでどうやって撮影したかわかるようになった

Instagramなどを見ていると「うわー!すげー!どうやって撮ったんだろう?」という写真がたくさんあります。撮影情報やレタッチのBefore→Afterを載せてくれている神のような方もいらっしゃるるので、求める方向性が同じであれば非常に助かります。

さて、問題はそういう情報がない場合です。
Instagramは撮影情報やExif情報はないので、どういう機材や設定で撮ったのかわかりにくいことが難点です。FlickerなどはExif情報が公開されているので推察しやすいですね。

更にプロファイルの使用やレタッチも加わると「どうやって撮ったか」はますますわからなくなります。
いい加減しつこいですが「ある方法」によりわかるようになりました。

■ある方法とは

3~4年ほど前にInstagramを始めたのですが、それが変わり始めたきっかけです。それまでは写真を見る機会は月刊誌をパラパラ眺めるか、年に1-2回地元の写真展をみる程度でした。

半年くらいはよくわからずにInstagramを利用していたのですが、写真のHUBをフォローするようになり、素晴らしい写真の数々に世の中には凄い人がたくさん居るんだと知りました。いつかはこのような写真を撮りたいなとじっくり見るようになったのもこの頃です。

特定のタグを付けるとHUBに写真を紹介してもらえるフィーチャーという仕組みを知り、試しにタグを付けてみましたがなかなか選んでもらえません。

自分では「良い」と思っている写真が評価されない。あまりにも選ばれないので、ほんとにタグが反映されているのか?と不安になり、タグを開いてみました。

すると、あれ?自分の写真が見つからない。タグは間違えていないはずなのに自分の写真が出てこない。なんで???不具合?という感じです。

でも、間違ってないよなぁ、、、と3回ほど見返したところ・・・ありました。
不具合でも何でもなく、単に他の写真に埋もれていただけでした。自分の写真なのに見つけることができないって・・・

ここで気が付きました。「自分の写真は下手なのだ」と。実際、HUBでフィーチャーされている写真はサムネイル状態でも目に飛び込んでくることが多く、そこが違いなのだと。

それからです。他の人の作品をじっくりみるようになったのは。「なぜ選ばれたのか」「どこが素晴らしいのか」そういう観点で写真を見るようになりました。

つまり「ある方法」とは、「うまい人の写真をたくさん見る」そして「なぜそうなのか考える」ということです。

■具体的な見方

ただ漠然と眺めるだけでは意味がないので、私が実践してきた写真の見方を具体的に説明します。

見る写真はInstagramであればお気に入りのHUBでフィーチャーされた写真が良いと思います。好きでフォローしているなら、お好みの写真がたくさん出てくるはずなので。
がっちり基礎から学びたいのであれば、大手フォトコンの入賞作品も参考にすると良いと思います。ただし数が少ないことが難点ですね。

■第一段階

・自分の好みを具体的に知る

まずは目指すべき方向を明確にします。

写真を見ながら「この写真の何処に惹かれたのか」を考えます。否定的な観点ではなく、肯定的な観点で具体的な何かを見つけます。

「色合いがステキ!」とか「構図すごい!」とか「このモデルさん好き」でも何でもいいです。「なんとなく好き」というのも多々あるのですが、そういう場合は「色味」だったり「質感」だったりします。

これを繰り返すことで、自分の好みの傾向がわかってきます。好みを整理していくと具体的なグループがみえてきます。

例えば
・人が小さめに写っていて、周りの景色がたくさん写っていて、色味があっさりしているのが好み
・朝や夕方の陰影がハッキリしていて、色味がコッテリした感じが好き
・都会の街並みとか、ちょっとダークな感じが好き
などなど、自分が撮りたい写真がどういうものなのかわかり、目指すべき方向がハッキリします。

■第二段階

・主題を見つける

撮りたい写真がわかってきたら、次に以下を行います。

写真を見たときに一番最初にパッと目に入ってきた場所を覚えておき、そこが写真の主題だったかを確認します。

主題=撮影者が一番見せたいところ・伝えたいところのはず。
評価されている写真は、そこが一致していることが多いです。

ただ、本当に主題かどうかは撮影者にしかわからないことなので、正解かどうかまで気にしなくてい良いです。自分なりに「たぶんここが主題」と思うだけで十分です。

そして、
・撮影者はこの写真で何を伝えたかったのか
・それがきちんと伝わってきたか

まで考えるようしましょう。

これを続けることで、写真で伝えたいことを明確化し、主題を見つけることができるようになります。

■第三段階

・写真の要素を分析する

写真はいくつかの要素によって構成されています。具体的な項目は以下となります。

・構図
構図にもいろいろありますが、まずは基本構図のどれに当てはまるか確認します。
わかりやすい代表的な基本構図は以下となります。
・日の丸
・二分割
・三分割
他にも対角やフィナボッチ(黄金比)などありますが、慣れるまではわかりにくいので徐々にで良いです。構図について詳しくは解説書などを参考にしていただくとして、違和感なくスッと入ってくる写真は基本構図のどれかに当てはまっていることが多いです。

例えば空が写っている風景だと空2:地上1の三分割だったり、リフレクションだと二分割だったり、効果的な構図の使い方を具体的に知ることができます。

・主題の位置
構図を把握できたら主題がどこに配置されているか確認します。

三分割なら線が交差する点など、主題を配置するのに効果的な場所があります。こちらも詳しくは構図の解説書などを参考にしてもらいたいと思います。解説書を読んだだけでは具体的な使い方にまで落とし込むことが難しいのですが、写真を見ながら構図を当てはめることを繰り替えすことでどの構図を使って何処に主題を配置するか撮影時に判断できるようになります。

・前景/中景/背景
前景や中景、背景の要素を確認します。
目の前に広がる景色を撮る場合、何となく立ったまま撮ると面白味のない写真になることがあります。例えば手前にあるものを前景として入れることで、奥行き感が出たり立体感が生まれます。このようにその場にいるような臨場感を出すために前景や中景・背景を効果的に使うパターンは多いです。

前景・中景・背景の要素を認識し、主題をどこに配置するのが効果的なのか身につけることができます。

・ピントの位置とボケの量
ピントが合っている場所はどこか確認します。
海外の写真はパンフォーカスで全てにピントが合っていることが多く、配置や構成力で魅せるケースが多いです。
前景や背景がある場合は、ボケているか・ボケていないかを確認します。ボケを効果的に使って肉眼に近い表現をしているケースもあります。

こちらも撮影のバリエーションを増やすことに繋がり、写真を組み立てる力が身に付きます。

・光の具合
光がどの方向から来ているかを確認します。
どの部分が明るくなっているか、影はどの方向に出ているか。

また、光の強さも確認します。
これは影の濃さで判断します。

わかりにくいのはレフ板やストロボが使われているケースです。これはストロボを少し勉強するとわかるようになるのですが、最初の段階では省いても良いです。

まずは光の方向と強弱だけで良いので読み取るようにしましょう。これがわかると撮影シーンをある程度予想できるようになります。
自然光の場合は太陽の位置が予想できるので、撮影時間帯まで絞り込めます。影の出方で晴天なのか曇りなのか天候も推測できます。

狙っている写真を撮るときは何時くらいに行けばよいのか、どの方向で撮ればよいかわかるようになります。


とりあえずこれくらいにしておきましょうか。

要するに「上手い人の写真をたくさん観て学ぼう」ということです。大手フォトコン上位入賞作品などは特に基本的な要素が詰まっています。そして「自分なりに考えよう!」どのような要素でその写真が構成されているのか考えるのです。

これらを繰り返すことで、撮影のシミュレーションをしていることになります。
参考書を読んだだけではわかったつもりでもなかなか実践に取り入れることが難しいのですが、この方法だと複数の要素を一気に習得でき、「この写真はコレとコレとコレの組み合わせだな」とわかるようになります。ここまで来ると自分で考えて撮りたいイメージを想像出来るようになってきます。

・太陽はこっちで光の向きはこっちだから、この方向で撮ろう
・もっと陰影がほしいから、夕方になってから行こう
・雲が面白いから三分割で空を多めにしよう
・人の立ち場所は三分割の交差する位置にしよう
・奥行きを出したいからしゃがんで手前の草を入れてみよう
・動きがほしいからスローシャッターにしよう

などなど、写真を構成する要素を把握できるようになり、写真を組み立てることが出来るようになります。繰り返すとどんどんバリエーションが増えてくるので、臨機応変に対応できるようになります。

■第四段階

写真を読み解く

この後は写真の「味」にあたる部分を追求する段階になります。
それは機材への拘りだったり、築き上げたテクニックだったり、レタッチのスキルだったり、撮影者の本質が詰まっている部分になります。独自性とも言えるでしょうか。

簡単に真似できない領域となりますが、「同じような写真を撮りたい」となった場合、写真を読み解く力が必要になります。

ここからは「たぶんこうだろう」という推測のもとに、試行錯誤によってたどり着くしかありません。読み解く方法のヒントを紹介したいと思います。

・機材
もっとも推測しやすい項目です。
カメラの機種は本人がSNSなどで公言していることも多いですし、レンズも画角とボケ量である程度想像できます。
もちろん本人に直接聞くのも有りだと思います。特にオールドレンズの場合は独特の風合いがあるので、似せたいなら同じレンズを使うことがてっとり速いです。失礼のないように聞き、お礼は忘れずに。

わかりにくいのはストロボや照明でしょうか。ストロボはどの機材というより使い方の問題です。たとえ機種がわかったとしても、撮影環境の光が同じになることはほぼ無いので、設定値を聞くこともあまり意味がなかったりします。

光の周り具合や影の出方で判断し、光を読み解く力が必要となるので、知識と経験が必要な領域になります。ストロボに興味がなく自然光だけ撮る人も、キーライト、フィルライト、バックライト、点光源、面光源、光源からの距離による影の出方などなど基本を覚えておくと良いです。光を読み解く一番の近道と思います。

・撮影設定
こんなことを書いては偉い人に怒られますが、2EVくらいならRAW現像時に調整できると考えると、あまり神経質にならなくても良いかもしれません。まずは失敗なく適切な露出で撮れるようになれば十分と思います。
適正露出であればどのカメラで撮ったとしてもそんなに違いは出ないです。

気にしなければならないのは、ボケ量とブレの量になります。画角とボケ量・圧縮率で使用レンズや絞りは推測できます。ブレを利用するのも流し撮りや水関係なので、シャッター速度の推測は容易いです。

この辺はカメラの基礎知識にあたる部分なので、書籍や独学でも十分学習可能な領域となります。

・同じ効果となる複数の手段を知る
例えば逆光で人物が暗くなる場合、背景を白飛びさせずに人物を明るく写したい。このような場合はどうしますか?

ざっと思いつくだけでこれだけの手段があります。
・レフ板を使う
・ストロボを使う
・カメラのHDL機能を使う
・RAWで撮影しレタッチで暗部を持ち上げる
・露出ブラケット撮影して合成する

もう一つ行きましょう。
花火大会のスターマインで前景を明るく写したい。
・ハーフNDを使う
・団扇で花火を隠しながら撮影する
・レタッチで段階フィルターを使いシャドーを上げる
・花火と前景を別に撮り、合成する

おまけでもうひとつ。
滝の水を流して写したい
・絞ってシャター速度を遅くする
・暗い時間に撮影する
・NDフィルターを使う
・複数枚撮影して比較名合成する
・Photoshopで水だけ「ぼかし→移動」する

などなど、このように同じような結果となるための手段は複数存在します。
ひとつの手段に拘らなければ可能性は広がり目的に近づくことができるようになります。

・レタッチ
最後になりました。

Instagramなどで公開されている写真が統一されている方は何らかのプロファイルを使っているケースが多いです。代表的なところではVSCOを使っている人は多いのではないでしょうか。似せたければ似たようなプロファイルを探すか、プロファイルを作ってしまえば良いです。

ガッツリ系のレタッチはBefore→Afterを見せてもらわないとたどり着くことは容易ではありません。しかし、カメラ性能の限界を知り、どこまでが物理的にできる範囲なのか見極めることができれば、レタッチで近づけることは可能です。

とりあえず、ハイライト・白レベル・シャドウ・黒レベルを画像から読み取れるようになると、全体の雰囲気は合わせられます。

色味に関しては空の色、植物の色、肌の色などからどれくらい色相を変化すれば良いか判断します。
コントラストを上げると鮮やかになる、暗くすると色が濃くなるなど、そういう法則がわかってくると色味は合わせやすくなります。

ポイントとしてはゴール(完成)をしっかりイメージしてレタッチすることです。
画像を見比べながらレタッチすると良いです。

こんな感じで合わせていきます。
①周辺減光がある場合は取り除いてフラットにする
②ヒストグラムを見ながら全体の露出を合わせる
③黒レベルを決める(どれくらい黒つぶれさせるか、フェードを入れるか)
④シャドーを決める(暗い部分の階調をどれだけ残すか)
⑤白レベルを決める(どれくらい白飛びさせるか)
⑥ハイライトを決める(明るい階調をどれだけ残すか)
⑦ホワイトバランスを決める(白・グレーの色で判断)
⑧肌の色を決める(オレンジ・レッド・イエローで調整)
⑨植物の色を決める(イエロー・グリーンで調整)
⑩空の色を決める(シアン・ブルーで調整)
⑪明暗別色域で調整

以上ですが、部分的に似せることから始め、徐々に範囲を広げていくと良いです。あくまでも一例なので、自分なりのやり方を探し出しましょう。
また、完全なマネではなく自分らしさを追求していただきたいと思います。

非常に長くなりましたが、これが私が実践してきた方法です。
身長は伸びませんし、モテモテにもなりませんでしたが、思い通りに写真を撮ることが出来るようになりました。
独学で手探りで悩んでいる方々の参考になれば幸いです。

それでは、また!

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