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オンライン学習をひとりで進めるのが難しい3つの理由:なぜ他者からの支援が必要か?

コロナの影響で、さまざまなコンテンツがオンライン化されるようになりました。

いわゆる学習コンテンツだけでなく、ジムの代わりに家でトレーニングできるような動画まで、本当にさまざまなジャンルの動画があがっており、ある意味非常にリッチな学習環境ともいえます。

しかし、これらを生かして「1人で学んでいけるか」というと、必ずしもそうとはいえないでしょう。

今日はオンラインの学習素材を活かすために必要な他者からの支援についてまとめてみます。

オンライン学習をひとりで進めるのが難しい3つの理由

最初に「なぜ1人で学ぶのが難しいのか?」という理由について考察してみます。大きく3つの理由が考えられます。

・さがせない
・きけない
・つづけられない

1つずつ説明していきたいと思います。

まず「さがせない」。オンライン上には本当にさまざまな学習コンテンツが溢れています。その中で、「自分の関心や自分のレベルにぴったりのもの」を探すのは非常に困難です。自分にぴったりなものは必ずあるはずなのですが、それをさがすのが面倒になり挫折するということはよくあると思います。

次に「きけない」。オンラインの動画などは基本的には一方通行です。ちょっとわからないなと思っても、だれに質問していいかわかりません。わからないなーと思ったら、そこで理解がストップして学習が終了してしまうというパターンがあるでしょう。

最後に「つづけられない」。面白いなーと思ってはじめたものの、それらをしっかりやり続けるというのは非常に高いモチベーションが必要になります。まあ別にやめてもだれにも文句を言われないしと思うと、あっさりやめてしまうということはよくあると思います。

このようにオンライン上にさまざまな学習コンテンツが溢れていても、ひとりでこの3つの壁を乗り越えるというのはかなりのパワーが必要になることがわかります。

この3つを他者がいかに支援するか?

こうした3つの壁を乗り越えるために、他者からの学習支援は有効です。さきほどの問題に対応するとこんなかんじです。

・自分にぴったりのコンテンツを探してきてくれる
・わかりやすく解説してくれたり、質問に答えてくれる
・一緒にやることで続けるモチベーションをつくってくれる

この3つがあるだけでも、だいぶ学習が促進されていくイメージが湧くのではないでしょうか。

ここからわかること、学習支援は「必ずしもオリジナルコンテンツをつくることだけではない」ということです。

オンラインの授業・研修などが進められる中で「どうやって動画コンテンツをつくろうか」と考えることはよくありますが、必ずしもそれだけが貢献とはいえません。

オンライン上にある素材を、学習者に合わせて探してきて、理解を促進し、学び続けることをサポートできれば、それは立派な学習支援です。

実際、「面白い動画コンテンツを作る」というのはかなり難しいという側面もあります。また、優良な動画はそんなに多くの数はいりません。100人の先生がいたときに、100人が動画を作る必要はありません。

動画は10人で作る。他の90人は目の前の学習者にあわせて、コンテンツを選び、理解を促し、学び続けることを支援する。こうしたやり方も方法としてあるのではと思います。

最近家トレが続けられている理由

こんなことを考えたきっかけの一つは、自分がオンライン授業をしているからというのもあるのですが、それより自分の家トレの経験の方が強かったりします。

ジムにいけなくなり、運動機会が減ってしまい、なにかやれればと思っていたものの、まさに、

・さがせない(動画ありすぎてどれがいいかわからない)
・きけない(この動きがあっているのかよくわからない)
・つづけられない(すぐ飽きてしまう)

という3つの問題にぶつかりました。どうしたものかと思っていたときに、これらを継続するきっかけになったのは、ゼミ生が実施しているオンラインサークルでした。

いま舘野ゼミでは、ワークショップづくり・コミュニティづくりを学ぶきっかけとして「自分の興味関心を生かしたオンラインサークルづくり」を実践してもらっています。

そのひとつに「エクササイズサークル」があります。これは岡孝樹、鈴木理子が運営しています。岡はサッカー部のトレーニング経験を生かし、鈴木はダンスが好きということを生かして、コンテンツを考え、運営してくれています。

だいたい週に1回くらいzoomで、45分くらいで

・オンライン疲れをとるストレッチ
・自分が鍛えたい部分のリクエストにあわせた筋トレ
・有酸素運動ができるダンス動画を一緒に踊る

という3つをグループで一緒にやります。一つ一つのコンテンツは既存のものかもしれません。しかし、学習コミュニティがあることで、

・自分が必要とする運動ができる
・わからないことがすぐに質問できる
・定期的にあるので続けられる

という、さきほどの3つの壁を越えることができます。おかげで、運動を安定的におこなえる習慣がついてきました。

その影響か、もしくは居酒屋に行ってないからかわかりませんが笑、約2kgほど減量することができました。ラッキー。

こうした経験からも、あらためて学習コミュニティがあることの意義を考えさせられたのでした。

ちなみに、ゼミの中でこうした学びを支援するタイプのサークル活動としては、「オンライン自習室」を運営している野村直希のサークルなどもあります。他にも面白い活動がたくさんあるので、それはまた別の記事で紹介しますね。

まとめ

今日はオンライン学習について書いてきました。私が個人的に思っている信念は、

「よい学習者の周りには、必ずよい学習コミュニティがある」

ということです。

ひとりで学び続けているように見えても、そこには学びを支援しうる豊かな土壌がある可能性が高いと考えています。

オンライン化がなされる現在では「個の学び」に注目が集まると思うのですが、こうした学習コミュニティを耕すという視点がは非常に大切です。

対面でのサードプレイス(カフェやジム、居酒屋など)の利用が難しくなる中で、個人を中心とした小さなオンラインコミュニティが網の目のように張り巡らされていくのは個人的にはとても面白い動きだと感じています。

これらを研究的にチェックしつつ、自分も面白いコミュニティをつくっていきたいと考えています。

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