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ニーチェ「ツァラトゥストラ」〜「創造性」と「喜び」を持つ〜

目次


1. 個人

1. 個人

2.1. 「超人」とは?

ニーチェにとって「『超人』とは何か?」が気になっていました。しかし、「ツァラトゥストラ」では、「超人」に関する具体的な説明はないようです。説明がない理由として、ニーチェは「超人」が具体的な目標となることを恐れたからではないか、と言われています。ニーチェは、みんなが1つの絶対的な目標に向かうことを望まなかったのです。
ニーチェにとっては、みんなが「1つの目標に向かう」のではなく、「一人一人が自分なりに生きる実験を行い、自分なりに創造的な方向を見つける」ことが大切でした。
ただ、「超人」について何も書かれていないわけではなく、「超人」へのプロセスやイメージは描かれています。

2.2. 精神の三段階の変化

「ツァラトゥストラ」では、「超人」へのプロセスとして、「ラクダ」→「ライオン」→「幼子(おさなご)」の3ステップが描かれています。
最初のステップは「ラクダ」で、自ら重荷を背おう存在です。次のステップが「ライオン」で、伝統や権威の象徴である「ドラゴン」と闘います。最終ステップは「幼子(おさなご)」です。子供が砂場で遊ぶように、「創造」の遊びをします。

2.3. 私にとっての意味

中学生や高校生くらいの時、盲目的に「楽なことと面倒なことがあったら、面倒なことを選べ」を意識していたため、「ラクダ」のステップは難しくなかったです。(ここで、何が「楽」か「面倒」かの分類基準はおいておきます。)
しかし、「ライオン」のステップが難しかったです。自分では技術や能力に自信がありましたし、大学時代、フリーランス(アルバイト)で大企業の新卒給料の数倍の収入がありました。しかし、大学を中途退学すると、「日本の大学は入るのは難しくて出るのは簡単」のようなイメージがあるからか、大企業の正社員(中途)採用では書類選考を通過できない、プライベートや仕事(特に面接など)で中途退学理由をしつこく聞かれるなど、私の技術力や能力以前に、色々判断されて嫌な思いをしました。
しかし、「権威・伝統」の象徴のドラゴンと根気よく闘っているうちに、真の技術力や精神力をコツコツ身につけることができました。結果的に、例えば、書類面接で落とした大企業から上位(経営)層でスカウトを受けたり、「中途退学」に対しての自分のネガティブなイメージが薄れてきました。
「幼子(おさなご)」のステップはまだまだです。

2. 永劫回帰

2. 永劫回帰

2.1. 人生のあらゆるものが永遠にそっくりそのまま戻ってくる

「永劫回帰」とは、「人生のあらゆるものが永遠にそっくりそのまま戻ってくる」ことです。
初めて、この「永劫回帰」の考えを知った時、恐ろしいかったのは、「これまでの最悪な体験も再び経験する」ということでした。
私は、6歳で火事、大学生で交通事故、中途退学、恋人の自殺未遂、離婚、など経験しました。
これらの体験を再び経験するなんて、私には、ありえませんでした・・・

2.2. 魂がたった1度でも、幸福のあまりにふるえたなら

しかし、ニーチェの「1つでも心から嬉しいことがあって『イエス』と言ったならば、他の苦悩も引きつれて、この人生に『イエス』と言ったことになる。」というフレーズを聴いて、心が震えました。

2.3. すべてはつながっている

たしかに、短期的にみれば、苦しい体験は二度と体験したくないです。しかし、たった一度でも幸せを体験したならば、苦しい体験と幸せの体験がつながります。苦しい体験と幸せの体験はセットなのです。

2.4. 私にとっての意味

以前の私は、「永劫回帰」の考えを受け入れることはできませんでした。しかし、最近ようやく、受け入れることができそうです。今、幸せを体験しているからです。私の人生において、苦しい体験と幸せの体験がセットになってつながったのです。「苦しい体験があってもいつか必ず幸せの体験がくるだろう」という、自信、確信、強い生への肯定感を感じています。

3. 「創造性」と「悦び」の精神を持って生きる

3. 「創造性」と「悦び」の精神を持って生きる

3.1. 創造性

「創造性」は「安心できる空間」から生まれます。
「安心できる空間」は「尋ねあい確かめ合いができる環境」から生まれます。
「尋ねあい確かめ合いができる環境」は「間違っているかもしれないことを不十分な言い方であっても大丈夫という安心感」から生まれます。
創造性を生むために、「間違っているかもしれないことを不十分な言い方であっても大丈夫という安心感」最近でいう「心理的安全性」を意識しています。

3.2. 悦び

ニーチェの「まずは元気になること、喜ばしいことをやれ」に共感しました。
よく「心技体」どちらが最優先かで、議論が分かれます。
私は、「悦び」「元気」が初めにあるケースをよく考えます。
「元気」があれば、バランスよくご飯を食べたり、ゆっくり寝たり、運動して体力をつけたり、メンタルを強くできたり、仕事の技術を身につけることができます。
また、「悦び」があれば、「「こうやって生きるべき」というものはない、どのように君が生きてもいい。」という生き方ができます。

4. おわりに

4.1. 創造性と悦び(高揚感)

6歳で火事にあってから、「自分に生きる価値はあるのか?」「人は何のために生きるのか?」と考えてきました。
最初、哲学を読み漁りましたが、まったく理解できませんでした。
次に、数学や物理学を学んで論理を学びました。
大学で、心理学を学んでエビデンスベースの心の科学を学びました。
社会人になって、哲学に戻ってきました。しかし、やはりわかりません・・・。
しかし、最近、何となく、ニーチェの言っていることがわかってきました。
私は個人として、「超人」を目指しています。
しかし、個人では生きるのは難しいので、社会において、他との相互作用も同時に意識して生きていきたいです。
「永劫回帰」の考えについて、最近幸せを感じることができて、ようやく受け入れることができそうです。
今後、「創造性」と「悦びや高揚感」を育ていていきたいと思います。

4.2. 愛犬の名前の由来←最終形態の「幼子(おさなご)」

愛犬の名前は「むく」です。
これまで、名前の由来を聞かれたら、「けむくじゃら」、「むくむく(モフモフ)」と伝えてきました。
実は、「むく」には、もう一つの意味があります。
「超人」の最終形態である「幼子(おさなご)」の純粋な「無垢(むく)」から名付けました。
無邪気な(主従関係を理解したり、ご飯のために近寄ってくる説がありますが)愛犬をみていると、私も「超人」の最終形で創造性で遊ぶ「幼子(おさなご)」を目指したいと考えます。

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