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小説「羊と鋼の森」


目指すところがあるとしたら、ひとつの場所ではなく、ひとつの状態なのだろう。

「明るく静かに澄んで懐かしい建築、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている建築、夢のように美しいが現実のようにたしかな建築」

そんな建築を創造し、残していきたい。

…実はこの文章。
"建築"の部分を"文体"に変換すると、
宮下奈都の小説「羊と鋼の森」に出てくる言葉です。


私の創りたい建築の思いを言葉で表すとこれだ!と思いずっと心の中にあります。

ところで、「羊と鋼の森」は調律師の青年が主人公の物語ですが、澄んだ文章と沸々とした若かりし頃の思いを読者に蘇えらせてくれるような小説です。

先程の小説に出てきた言葉に共感しながら、少し読み進めた先にこんな言葉が出てきました。

「だが結局、文体はそれをつくりだす心の反映でしかないのだろう。」




建築もそうなのかもしれない。

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