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建築写真を世に広めた写真家「Julius Shulman」
「よいデザインが受け入れられることはめったにない。だから売り込まなけらばならないのだ」。建築写真家のジュリアス・シュルマンの言葉だ。
20世紀前半、インターネットが無い時代において、建築写真が及ぼす影響は多大なもので、建物の印象を、実際の体験を超える崇高なものにまで押し上げるほどの影響がありました。
それら建築写真を活用することは、当時の建築家にとって、営業ツールとして使用することはもちろんのこと、自身のマニュフェストを世に広める重要な役割を果たしました。近代建築3大巨匠の1人 ル・コルビュジェも建築写真を活用したメディア戦略を積極的に行ったことで有名です。
そのため、建築家はその建物自体を”建築写真”という作品にしてしまうことに、注力を注ぎ、腕のある写真家に撮影してもらうことが一つの憧れ(ステータス)となっていました。
そして、当時の建築家たちにとって「この写真家に撮影してもらえたら、最も光栄だ。」と考えられていた写真家が、Julius Shulman(ジュリアス・シュルマン)です。
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彼の写真で最も有名なのは、Case Study House No. 22のワンシーンです。
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ロサンゼルスを一望する崖の上にはみ出すように建つ住宅。そして、ソファに座る女性たちは、この風景を見慣れているかのごとく過ごしているようにもみえます。当時流行した、フラットルーフや大開口のガラス窓により水平線を強調する建物構成。当時、この写真は、その軽快さと崖の上の緊張感が入り混じる不思議な感覚を見るものに与えました。
しかも、こちらの写真。
近代建築3大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトが設計した「落水荘」(滝の上にせり出したアクロバティックなバルコニーが有名な建築であり、今でいう最高に”映える”建築であった)よりも多くのメディアで取り上げられ、出版されたそうです。
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さて、私おすすめのジュリアス・シュルマンの写真集の中から、ほんの一部ですが紹介します。
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ちょっと、この写真集の現在の値段に驚いてしまったのですが、、
17万円?!
私が購入したのは2年前ほどですが、その時は3万円でした。半年前に見た時は10万円でしたが…。
昨今の物価上昇だけでは考えられなく、やはりこの貴重な写真集には知的な財産として、そして文化的な価値も認められているのでしょう。それだけ世界中で需要があり、この写真集をわざわざ購入する人たちの属性をイメージすると、いくら値が5倍以上になっても売ることはないと思いますし。
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