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原点に立ち返るために外尾悦郎著作『ガウディの伝言』を読む

私が建築家になろうと決心した決め手は、高校生の時に、サグラダ・ファミリアの主任彫刻家である外尾悦郎氏の著作の本『ガウディの伝言』を読んで感銘を受けたことです。

2022年、私は建築家として独立することに決めました。

高校生の時に『ガウディの伝言』を読んで以来、私は大学で建築を学び、社会人となり、全国各地で古建築の仕事に携わり、2、3ヶ月海外建築視察の旅を経て、岡山にて個人のお客様の住宅など、現代の建築にも関わりました。良くも悪くも様々な現実と向き合い、日々目の前の事をこなすことに精一杯で、当初の”建築に夢見た理想”はいつの間にか消えていました。

そして、建築家として独立する今日、自宅の本棚を眺めていると、ふと『ガウディの伝言』が目に留まり、いつの間にか手に取って読んでいました。そこには、ガウディの伝言、それを受け取った外尾悦郎氏の伝言が、温かな光を持った言葉として優しく輝いているように思えました。

やはり、この本が私のバイブルです。この本には様々な人生の指針や人の幸福とは何か、というような、外尾悦郎氏なりに受け取ったガウディの伝言やガウディから学んだことが書かれています。その中で、ひとつ紹介したいと思います。

日本語では言葉を「言う葉」「言(こと)の葉」と書きます。私は今、たくさんの言の葉を送り出している。しかし、葉っぱそのものを届けたいわけではありません。自分の中にある、ガウディから学んだ知恵、サグラダ・ファミリアをつくりながら育んできた思い、石を彫りながら膨らませたイメージ・・・。つまり、私が人生で得た「実り」をみなさんと共有したいわけです。それを造形や絵画、音楽などで表現することもできますが、日常的には言葉を使います。自分の中にある実を相手の心にも実らせようと思ったら、たくさんの言葉を費やさなければいけません。もどかしく感じることもありますが、そうすることで、自分の中にあるよりも大きな実を、相手の中に実らせることができるかも知れない。そしてまた、その人から誰かへ、言の葉を費やして実りが広がっていくかも知れない。そういうことを願っているわけです。

外尾悦郎 著『ガウディの伝言』より

私には確実に外尾悦郎さんの言葉が届きました。
そして、その言の葉を一人でも多くの人に伝えていきたいと思います。
私は"建築"という"声"を使って。

私自身、noteで様々な言葉を日々見る中で、ある一つの言葉が心の励みや人生の糧に繋がるようなことがあります。これからもnoteで書かれている皆さんの言の葉を拾って、私の中で実らせていきたいと思います。

建築は現実の産物か。いや、すでにサグラダ・ファミリアという希望の建築が存在し、それを作りながら夢見る人々が実際に存在している。

私も頑張りたいと思います。

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