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何気に気に入っている写真

スマホで気軽に撮っただけだけど、気に入っている写真。

運河の向こう岸に見えるサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会

曇り空と霧で霞む運河の向こうに見えるシルエット。
曇の間から漏れる光が、辺りを白く照らしているため、逆にその霞み具合がよく分かる。
手前の船の向きが偶然にも教会に向けて停泊しているため、それが教会に祈りを向けている信者のようで、より教会の畏敬さを感じる。

余談

今日、建築家には古建築に対する造詣が必要なことを話したのですが、その理由を改めて整理しました。

まず、一つは建築や物、社会や文化などに対して丁寧に接する態度が養われることだと思います。古建築にはとある時代だけの材料や形態だけが残されているわけではなく、何百年の間に改造されたり修理されたりした部分が必ずあります。それらを見極めるには、素材を目で見て判断するだけでなく、その建てられ時と改修された時の時代背景や工法の変遷、環境の変化などを認識できないと判断できません。それは実際に修復工事をする際にも、この部材は残すべきか、あの部位は当初のデザインに戻すのかなどの判断も求められます。これは現代建築を作るよりも遥かに深い見識と物や文化に対する丁寧な態度が必要とされます。

また、古建築の現地調査に入った場合もこんなことがあります。とある木材は腐朽しているのにあちらの木材は腐朽していないのはなぜか。こちらの部材は虫食いがあるのに、あちらの部材は虫食いがないのはなぜか。

その理由は、例えば「山裾に近い方は湿気が多くて腐っていた」とか、「修繕に使われた時代の新しい木材より、一番古い木材の方が品質がよく腐っていなかった」など、環境を読む力が養われると同時に古建築から学ばせてもらうことが多々あります。

また工法の違いも地域やはたまた職人個人の違いによって様々な足跡があるため、当時の人々の考えまで創造しなければなりません。

時代によっては飢饉の時代に建てられた建築だと知れば、そんな時代に建てれたお堂が人々の心の支えであり、世の中を良くしていく希望を持って財産を投げ打ってでも建てれたことが感じることができ、建築や文化と時を超えて接することができます。そこには時間という概念も含めて創造性が問われます。

そして、建築家に古建築の造詣が必要な理由のもう一つは、何百年あるいは何千年と人々に受け入れられたデザインに敵うものはないということ。そのデザインを体感しバランスや色味、質感などを身につければそれらに近い深みを醸すことができるのではないかと思います。

この時代、インターネットで世界中のいろいろな建物を見ることができますが、ぱっと見はカッコよくても深みがないものが大半に思われます。逆に、深みがある建築を見つけて、それを作った人々や建築家を知ると、やはりそういう方たちは古き文化に対して造詣が深く、尊敬の心を持っています。

古建築と接することの必要性を私個人的にはそのように整理しました。

プログラムの提案力、経済的な合理性、発想の斬新さが重要視される世の中ですが、あの時のように、ただ、純粋に美しい建築を造ったらだめなのでしょうか。

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