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ローンチ2年で振り返る、VerticalSaaSのGTM戦略

はじめまして、(株)Housmartの真鍋と申します。
不動産業種特化のSaaSサービス「PropoCloud」の事業統括をしております。

VerticalSaaSという領域で、0からサービスを立ち上げちょうど2年経ちました。 
いろんなナレッジが溜まってきたので、これから定期発信していこうとおもいます。
本投稿テーマは、ずばりVerticalSaaS のGo To Market戦略について書きます。
成長SaaSが2年目に突破すべきと言われるARR目標も実は達成しておりまして、「市場小さい」「売上立たない」と言われている国内VerticalSaaSでも実績証明できるぞ!と意気込んでおります。

是非、同業種/同業態の皆様とでこの業界を盛り上げていければと存じます。

そもそもPropoCloudって?

本題に入る前に、簡単にサービス概略だけ。
端的に言うと「不動産業界に特化したMA(Marketing Automation)」です。
不動産業界と言うのは、国内第3位のマーケットですが市場カテゴリは大きく3種類に分かれます。

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弊社はこの「仲介」と呼ばれる領域に特化して創業しています。
PropoCloudは、さらにこの「仲介」マーケット内の約5%に絞ってサービスを開始し今に至ります。はい、とっても狭いんです(笑)
※立ち上げ時の苦労は、弊社CTOの宮永投稿より


この絞り込んだ市場で、事業ペースを維持するためにした事を3つのポイントにまとめます。

GTM戦略1 : ガチガチのABM

ABMは、Account Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)の頭文字を取ったもので、BtoB企業において「自社にとって価値の高い顧客を選別して、顧客に合わせた最適なアプローチをする」マーケティング手法のことです。
※引用 (エムタメ https://mtame.jp/marketing_foundation/ABM/)

セグメント仕切った限定的な市場だからこそ、やりやすかったと思います。
仲介市場全体を以下に切り取っています。
- エリア:首都圏のみ
- 種別①:売買仲介のみ (賃貸は手をつけない)
- 種別②:実需のみ (投資用不動産には手をつけない)
この中から、さらに細かいサービス相性の条件で判定し約4,000店舗に絞りました。
ここから、具体的なTierに分類し、期ごとに取引を開始する顧客をバイネームで年間でロードマップ化しています。

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マーケティング施策も全てこの4,000店舗だけに効率的に当てるには?で逆算し組んでいます。※詳細は、以下マーケティング担当夏目の投稿から※



SaaSである以上、LTV命です。
長くご愛用いただく為にも、顧客相性はリード接点時から徹底的に研磨すべきと思います。

GTM戦略2 : Land & Expand

短期間で受注速度を上げるには?を考え、導き出した答えです。

ランド・アンド・エクスパンド戦略(Land and Expand Strategy)とは、企業にサービス導入を販売する際に、無料や小規模の導入から始めて顧客と関係性を作ってから、徐々にアップセルやクロスセルの機会を作って売上を拡大していく戦略のこと。
※引用 (シマウマ用語集 https://makitani.net/shimauma/land-and-expand-strategy)

(例)
中堅以上の不動産企業様は1社で10~40店舗ほどを抱えてらっしゃいます。
まず1店舗使って頂き、効果を実感してから一気に全店導入と言う運びです。

20店舗獲得しようとした場合、違う会社ごとに攻めていては
- 商談取得工数×20店舗
- 商談工数×20店舗
- クロージング工数×20店舗
全てバラバラに均一にかかります。

しかしこの方針であれば、1店舗で強い信用や後ろ盾が得られているため体感こんな感じです。
- 商談取得工数×5店舗分
- 商談工数×20店舗分
- クロージング工数×0
クロージング工数が効果的めん。弊社サービスは単価も高いので、とにかく追客コストが高かったのですが、商談時点でほぼ即日受注です。

また、横展開の意思決定が下されたと言うことは、
経営層から本格的に使用承認頂くのと同義のためより深くサービスとして入り込んで価値提供できる点も強いです。

GTM戦略3 : エンタープライズに振り切る

不動産事業数は、コンビニの4倍店舗があると言われています。
大手企業数は限りがあるため、不動産事業者向けサービスの肝は「SMB事業者の開拓」となります。

私たちもサービス開始当初、色んな方々からご指摘を頂きました。でも、顧客セグメントはエンタープライズを中心に取引を重ねています。
※厳密には地場中堅企業様〜エンタープライズ企業様が中心です※

理由は大きく2点あります。
① 顧客と切磋琢磨しあえる
本顧客セグメントの皆様は、色んなサービスを使い慣れています。不動産業界はIT化が遅れてるなんて言われますが、そんな事なく皆様独自でアンテナを張ってらっしゃいます。
それ故に求めるサービス&技術品質が、とにかく高い。

彼らが求める品質に、必死に打ち返しているうちにプロダクトもどんどん業界特化で磨き上げられます。
SaaSは模倣されるリスクが常に付き纏いますが、サービス品質で大きく差別化できた事がLTV , NRRの指標でしっかり表れています。

② 高ARPU
VerticalSaaSの王道戦略ですよね、マーケットが限られてる分ARPUを維持する。ここは同じ考えを踏襲しています。
同業間で情報交換すると、驚愕されるARPUです。不動産業界向けサービスではかなり珍しいと思います。
※それだけ付加価値を認めていただける様、精進し続けなくてはいけません

おわりに

最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。
今後定期的にVerticalSaaSと言う観点で情報を発信していきますので、同業種 / 同業態の皆様絡んでください!

最後に、本SaaS事業絶賛拡大期につきメンバー募集中です。
特にカスタマーサクセス・・(涙) 弊社のMgrもここまで語っちゃうぐらい面白い職種なので、未経験者の方も是非。



業種特化のSaaSは、業界特有の課題解決に日々考えることが尽きないですが、本当に面白い。是非、詳細見ていってください。


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