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チームのメンバー構成で考える 結局、ラインアウトは何人が良いの?②

クボタスピアーズ 今野です。
前回の続きで、
結局、何人で並ぶのが良いの?という話の第2回です。

前回は最初に「優位性がある人数を選択するのが正解」と言いました。

今回はチームのメンバー構成で優位性を考えてみます。

2.チームのメンバー構成で考える

〇ジャンパーの数で考える

まずは「ボール獲得」の面で考えてみます。
ここでは、メンバーの中のジャンパーの数で書いていきます。。
相変わらず当然の事を言いますが、ジャンパーが多い方が選択肢は増えます。

トップリーグのチームの多くは、両ロック+バックローの3人中2人(6.8が多い)の合計4人が有力なジャンパーであることが多いです。
チームによっては、FWのバック5全員が良いジャンパーの場合もあります。
その為、ジャンパーの数によって選択するセットアップの人数が左右される事はあまりありません。

 しかし、大学・高校とカテゴリーが下がっていくほどチーム内でサイズがあるジャンパーの数は減っていく傾向があります。(統計は取っていませんが、大体そんな印象ですよね)
 その為、多くのジャンパーがいるのであれば、それだけで優位性を発揮できる多めの人数のラインアウトを選択すると、受けるプレッシャーは軽減できるでしょう。
 
7manの場合を図1で簡単に見てみます。並び方は色々あるので、今回はそれぞれがほぼ等間隔でセットしていると考えて下さい。
 これだけジャンパーの人数にミスマッチがあればストレートボールを練習するだけで、ムーブなんて必要ないかもしれないです。
 極端な例ですが、ATのジャンパーが1人増えるだけで、DF側のジャンパー1人当たりでカバーするエリアが広がるので、DFへのプレッシャーはかなり大きくなります。

スライド1

逆に、自チームのジャンパーが少ないのに7manを選択してしまうと、余計な手数をかけなくてはいけなくなります。
例えば、図2のように、それぞれのジャンパーの対面に、既にDFのジャンパーがいる場合で考えます。
黄色の矢印付近で取ろうと考えると、動き方はそれぞれですが、とりあえずL3がどいて、J2 or J3 がそこに動かないといけません。DF側は相手の動きを見て動く時間が少し増えますし、そのままJ3を跳ばす選択肢も持てるので、DF側の方が選択肢は持てます。(もちろん迷って跳べない可能性はあります)

スライド3

メンバー構成にミスマッチがあるのであれば、人数の変更を考えてみた方が良いかもしれません。
 今まで使っていたものを一回リセットして、自分のチームには何人が適しているのかは再度考えてみてはいかがでしょうか。


〇脅威を与えられる選手がどこにいるのか?

 獲得が前提ですが、次は「前進できるか」で考えてみましょう。
自チームで、相手に対して脅威を与えられる選手はどこにいるのか?で考えてみます。
 前回のスペースの話に近くなりますが、その選手を活かす為に、ラインアウトの人数を調整する事を考えてみても良いかもしれません。

例えば、
・モールが異常に強い選手がいる。
⇒エリアとか場合によるけど、大人数の方が組みやすいかも?
・縦に強いFWがいる
⇒少人数にしといて、強いFWをバックスラインに下げる
・めちゃくちゃ速いWTBがいる
⇒7manで一気に外まで持っていって1対1をさせる。
少人数ラインアウトで、1次攻撃でFWを当ててDFを集めた後に、逆目でミスマッチを狙う等

当然の事ですが、チーム毎にメンバーの特徴は変わってきます。
ただ、なんとなく人数の選択をするのではなく、自分たちがそれを選択している理由を理解すると、練習するポイントが絞れてきて精度が高まるのではないかと思います。



次回予告

今回は、以上です。
次回は、「次の攻撃のオプションから考える」です。
ありがとうございました。

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