優位性がある人数を選ぼう! 結局、ラインアウトは何人が良いの?①
クボタスピアーズ 今野です。
ラインアウトでは様々な人数で並びますが、結局、何人で並ぶのが良いの?という話の第1回です。
結論から言うと、決まった人数でやる事ではなく、
「優位性がある人数を選択する事」が正解です。
3回に分けて、どこの優位性に着目するかを書きます。
先日、高校生からの質問への回答を考えていた影響なのか、今回も引き続き「こーゆー部分を考えてみても良いんじゃないかな?」という感じで、ユースのプレーヤー向けになっている気がします。
ラインアウトの人数
まずは、ルールの確認から行います。
ラインアウトでは、各チーム最低2人が並ばなくてはいけません。しかし、上限は特に決まっていませんので、極論、スローワー以外の14人全員が並んでもOKです。
多くの場合、FWの選手が3~7人並びます。
どんな視点で考えるか?
ラインアウトの人数について考える際には、下記2つの視点を切り離して考えると整理がしやすいです。
① 投げてから取るまでの「ボールの獲得」の部分
②その後の攻撃で「前進できるか」の部分
優先度としては、①が高いです。
とにかくボールを取らないと②は始まりません。
では、以上の視点で、どこに優位性をみつけるのか考察していきます。
1.使えるスペースから考える
最初に「使えるスペース」という部分から、優位性を探します。
〇10mの幅をどう使うか?
まずは、「ボールの獲得」の視点で優位性を考えます。
ラインアウトは、基本的にタッチラインから5~15mのラインの間の10m幅でボールの獲得をします。(時々わざと15mを超えるボールを投げます)
単純に計算すると、7人並べば1.4m/人、6人なら1.7m/人、5人なら2m/人となり、当然人数が減る毎に、1人当たりの動けるスペースは広くなります。
以上の事から、「前後のスペースの使い方」で優位性を探します。「前後のスペースの使い方」とは、例えばこんな感じです。
少人数でスペースがある方が前後の動きは多くできるので、大きなムーブで相手を置き去りにして獲得する事ができます。
ただ、全員の動く幅が広くなる事で、ミスの確率は高くなる可能性があります。
人数を増やしてスペースが減ると、大きなムーブをしても相手がそこに待ち構えている可能性が高く、一見難しい気がします。しかし、相手もあまり前後に動けない事から、DF側のジャンプポッドが固定されている事もありえるので、ミスマッチを狙いやすくなり獲得しやすい場合もあります。
それぞれに、良い部分・悪い部分があるので、スペースの広さの特性を考えて自チームに合った人数を考えてみて下さい。
〇相手をどこに寄せておくのかを考える
次に「前進できるか」の視点で考えます。
グラウンドの横幅は68~70mなので、一次攻撃でバックスラインに展開すると仮定すると、68~70m-15m=53~55mの幅に対して攻撃を行います。
(他にもモールを組んだり、キックを蹴ったりする場合もありますが、とりあえず置いておきます)
こちらのポイントは、「AT側は意図的に相手をどのスペースに寄せておくか」選択ができるという事です。DF側は、2人以上でATより少なければOKですが大抵ATと同数並ぶので、AT側の任意の人数を15m以内に留めておけます。
例えば、こんなイメージとなります。
・大人数のラインアウトにして15m内に人数を集める = バックスラインの一人当たりのスペースが広くなる
・少人数のラインアウトで、バックスラインにFWを配置する事で、アタックのオプションが増える
以上のようにスペースをどう使うか?と言う視点で、何人のラインアウトが良いかな?と考えてみてはいかがでしょうか?
次回予告
次回は、チームに在籍しているメンバーの特徴で考察する「2.メンバーの構成で考える」です。
以上
ありがとうございました。
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