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詩) お父さんて○○みたい



長女が3歳のころの話。

長女の保育園に迎えに行ったある日。

保育園の部屋に入ったら、長女の友達の女の子がいた。

僕は

「こんにちは」

と声をかけた。

すると、その女の子から、

「なまえ、なに?」

と聞かれた。

僕は

「 "たつお" やで」

と答えた。


すると、その女の子は、僕に背を向け


「虫みたい」


と言った。

その子は走り去った。



僕は窓の外を見た。

そして

「・・・そうかな」

と独りごちた。





上の話から2年ぐらい後の話。

当時3歳の次女が、朝早くに起きてきたある日。

いつも早朝に仕事をしている僕の近くに

眠い目を擦りながら、トコトコと歩いてくる。

僕は娘に声をかける。


「おはよう」


すると、娘は寝ぼけ眼で僕にこういった。

「おとうさん」


「なに?」


「僕は虫じゃないよと言って」


「え?」


「 ”僕は虫じゃないよ”と言って!」


「・・・僕は虫じゃないよ」


「・・・おやすみ」


娘は布団に戻っていった。


僕は窓の外を見た。

そして思った。

「日頃から、俺のこと虫みたいと思てんのかな」






上の話から1年ぐらい後の話。

当時4歳の次女が、僕のところにニコニコしながらやってきた。


僕は

「なんか楽しいことあったんか?」

と声をかけた。

娘は、小さな声で、


「うふふ。お父さんて、犬みたい」

と言ってきた。



「え、そう?」


虫呼ばわりされてた僕は、少し嬉しくなった。

「お父さん、犬みたいか。そうか、そうか。


 どこが?」



「おでこ」


「え?」


「おでこの形が犬の耳みたい」


娘はニコニコしながら去っていった。



歳と共にややデコが広がってきた僕だ。


富士額よろしく、


いや、カッコよく言えばベジータのようなデコになりつつある。



僕は窓の外を見た。

そして思った。



「・・・僕は犬じゃないよ!」




そして、もう一度思った。

「・・・オデコは耳じゃないよ!」








今日も読んで頂いて有難う御座いました😃


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