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#3 ゼロから新しいものを作っているわけではない?!ビジョンについて


オープニング

皆さんこんにちは、こんばんは。スタートアップ×政策作りラジオ「すたぽり」です。このPodcastは政策作りのDXに取り組む株式会社issues創業者の私、廣田達宣がお送りします。今回は2023年1月15日に収録しております。

ふつおた

それでは今回もふつおたのご紹介から行こうと思います。友人のSさんからメッセージを頂きました。

廣田さん、Podcastを始められたんですね。年末のソーシャルレンズラジオでのお話から番組開設までの動きが早くて、さすが!と思いました。プロポーズのバラのエピソード、なぜ108本?と思いググったんですが、「108=永遠(とわ)」なんですね!素敵ですね。引き続き楽しみにしています〜。

メッセージありがとうございます!ソーシャルレンズラジオというのは私の友人二人がやっている社会問題を解説するポッドキャストになります。昨年末にパーソナリティの二人と友人たちとのZoom飲みを垂れ流すソーシャルレンズラジオ忘年会というライブ配信の企画に参加させていただきました。以前からお二人に話を聞いていてPodcast面白そうだなと興味がありまして、その忘年会の場でもちょっと相談に乗っていただきました。そして新年に新しいチャレンジをやろうと思ってこの年末年始に「すたぽり」を立ち上げたという経緯になります。

また前回のエピソード#2にて、108本のバラの花束を渡して奥さんにプロポーズしましたという話をしました。元は箱に入ったダイヤモンドの婚約指輪を渡すいわゆる「箱パカ」みたいなものをやろうと思っていました。しかし相手と指輪の趣味が合わないとお互い悲しい思いをしてしまうなと思ったので、指輪は一緒に作りに行くとしてプロポーズ当日は何か映えるものを渡してせないかなと。そう思って調べたところ、バラの花束108本がいいんじゃないかというのが出てきました。実際108本のバラはものすごいボリュームで、良い思い出になりました。実はプロポーズ後に奥さんから「108って煩悩の数?」と言われて脱力したという経緯もあったりしました。まあ今となってはいい思い出ですね。

こういうふつおたを頂けるとPodcastを続けていく良いモチベーションになるので、皆さん是非送って頂けると嬉しいです。それでは本題に入っていこうかなと思います。

政策作りのDXで様々な社会課題を解決するインフラを創る

「#3 ゼロから新しいものを作っているわけではない?!ビジョンについて」という内容をお話していきます。

僕はissuesのビジョンを説明する際に「政策作りのDXで様々な社会課題を解決するインフラを創る」ということを話しています。実はこれはチームとしての正式な文言ではありません。いわゆる「ビジョン・ミッション・バリュー」みたいなものはこれから作っていきますので、あくまで個人の想いなんですが、簡単にご紹介できたらなと思っています。

前回のエピソードでご紹介したようにissues創業のきっかけは「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログでした。今でこそ新型コロナの影響もあってかなり改善してきているんですが、この待機児童問題も20年以上解決されてこなかった課題になります。その背景には色々なものがあるかなと思うんですけれども、その一つが政策作りのインフラが時代の変化とともにかなり弱体化してしまったことというのがあるかなと思っています。これをインターネット上に再構築・補完していくのがissuesの役割です。

例えばひと昔前であれば、子育てママさんも含めて地域住民みんなが町内会の場に参加していました。その場で「最近私こんなことに困ってるんですけど何とかならないですか」と相談していると、そこに来ている議員さんが「それ俺が解決してやるよ」と持って帰ってくれる。そして半年後とか1年後にはその課題を解決する政策パッケージができて、それを町内会の場で対面で教えてくれる。こういったことが以前はそこかしこで起きていたのかなと思っています。いわば政策ニーズの把握からそれを元に作られた政策を住民に伝えて使ってもらうというところまで、この町内会が担っていたわけです。

この町内会のことを専門用語で「中間組織」と言って、他にも町内会・自治会・業界団体・労働組合など様々な形態があります。ただ現在、20代から40代ぐらいの世代ではこの中間組織にアクセスしている人の率は極端に下がってきてしまっています。例えば労働組合の組織化率は高度経済成長期に35%ぐらいだったんですが、2020年の厚労省の調査では17.1%まで半減している。実際に僕の同世代の友人でこういう中間組織の活動に日常的に参加している人というのはほぼいません。そのため政府はどうせ自分たちの方を向いてくれていない、政治って自分と関係ないものだよねと思っている。だから結果として投票率が低いという状況にあるのかなと思っています。

やはりこれは、新しい世代の新しいライフスタイルに合った新しいインフラが必要なのではないかと。これを作って既存の中間組織を補完して行こうとしているのが僕たちissuesです。スマホで政策ニーズをキャッチして、適切な形で政府にフィードバックをする。そして政府が作った政策を、スマホで個別最適化して通知していくということです。

#2で話したように、issuesの創業のきっかけになったのは「保育園落ちた日本死ね」という待機児童問題に関わる話でした。しかしそれに限らず僕たち夫婦が今後あらゆるライフステージで市場原理だけでは解決できない課題に直面するのではないかなと思っています。例えば妊娠出産から始まり、子供の保育園・小学校・中学校・高校・大学への進学について。あるいは家を買ったら住環境やまちづくりに関心が出てくるかもしれません。その先では親や自分たち自身の介護・医療などの問題に直面することもあるでしょう。政策作りのDXによってそういった様々な課題を解決できるインフラを創って行きたいなと思っています。

シルバー民主主義とどう向き合うか

他にも裏話というか個人的な思いもいくつかあります。一つは「シルバー民主主義とどう向き合うか」すなわちインターネットに慣れ親しんだ若い世代の声を政策に反映させるためにissuesがどういう役割を果たせるかということ。例えば最近「子育て予算倍増」という話が政府から出てきていますが、これを本当にやり切れるようにissuesを通して国民から後押しをしていくようなイメージです。

実際に僕らの世代では老後は年金で食っていけると思っている人って多分ほぼほぼいないんじゃないかなと思っています。海外脱出を画策するエリート層は僕の周りにも多いですし、そうでない人は未来に対しては本当に漠然とした絶望感を抱えている状況かなと思います。

この状況をひっくり返すためには二人の親から二人の子供が生まれる状況を作って、100年単位で見た時に人口ピラミッドを寸胴形にしていく必要がある。「シルバー民主主義」と言うと世代間対立を煽っているように聞こえるんですが、実は社会保障制度の見通しを明るくして高齢者の方々の将来不安をなくすためにこそ必要なことなのではないかなと思っています。

実は多くの政治家の方々もこれを本当にやりたいと強く思っていらっしゃるんですね。ただ選挙の現場に飛び込んでみるとそれを難しくしている実情がよくわかります。実は私はissues立ち上げのタイミングで選挙の現場の実情を勉強するため、与野党20陣営ぐらいに毎日選挙ボランティアに行っていました。ひたすらチラシを配ったり選挙カーに乗って「清き一票をお願いします」みたいなことやったりしていました。そこで気づいたんですが、子育て世代って本当にチラシを受け取ってくれなくて、受け取っても目の前で捨てられちゃったりするんです。逆に高齢者の方々はどんどん受け取ってくれて、それどころか握手しに来てくれて「君たち頑張ってね、応援してるよ!と言ってくれる人もいます。政治家の方々も人間なので、そうやって応援してくれる人たち向けの政策を優先したくなるのは仕方がないことなのかなと。

実はこういったシルバー民主主義の話をする時には、単純な世代別人口数や投票者数が話題になることが多いです。しかし実は戦略的なコミュニケーションの方が圧倒的にインパクトが大きいんです。

変な例になりますが、いま話題になっている統一教会さんとかも調べてみたら信者の方の数って実はわずか60万人ほどしかいないんです。この人たち自身の票数としては限られているけれど、その人達が政治に対して戦略的なコミュニケーションをとることで、政策作りに対して大きな影響を与えている。

いまの若い世代は高齢者と比べて数は少ないとはいえ、20〜40代で言えば数千万人の規模でいるわけです。この人達がissuesを使うことで無意識のうちに政治と戦略的なコミュニケーションが取れるようになれば、政策作りに対してずっとずっと大きなインパクトがあると思っています。

実際にissuesでは、規模は小さいもののすでに同じような事が起きています。これまで地域のコミュニティの対面の場を通して高齢者としか接点がほぼなかった議員の方が、issuesを通して子育て世代との接点を持てるようになった。それにより子育て支援の政策をガンガン進めてくれるという風にものすごい行動変容が起きています。この規模がもっともっと拡大して行くと、とてつもないインパクトがあるのではないかなと思って非常にワクワクしているところです。

マナボのリベンジ

もう一つ個人的な思いで言うと「マナボのリベンジ」というのもあります。私は#2でご紹介したように、ファーストキャリアが教育系スタートアップの株式会社マナボという会社を共同創業したことでした。大学卒業と同時にですね株主兼取締役として創業して、5年ほど働いていました。本当に山あり谷ありで大変なこともたくさんあったんですが、最終的にはこの会社は駿台予備校のグループに売却されまして、起業家としては一応ハッピーなExitを迎えられたという形になります。しかし本当に世の中をひっくり返すような巨大な事業を作るという当初の志は達成できませんでした。個人的にはこれが非常に悔しくて、issuesではなんとかしてそれにリベンジしたいなという思いがあります。

クロージング

ここまで「#3 ゼロから新しいものを作っているわけではない?!ビジョンについて」というテーマでお話ししてきました。ひと昔前は中間組織による政策ニーズの把握と作った政策のデリバリーがうまく機能していたが、時代の変化とともに弱体化してしまった。僕たちissuesはゼロから新しいものを創っているわけではなく、この中間組織を再構築・補完していく存在だよということをお話ししてきました。

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