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【資格で人生変えたい人必見】米国公認会計士(USCPA)資格の取得メリット

辰巳 衛(タツミマモル)です!

このnoteを書いている僕は現在、
株式会社カンリー(旧社名:株式会社Leretto)というIT会社を経営している29歳の若者です。(2022年7月時点)

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今回は、ビジネスマンの皆様に向けて「米国公認会計士(以下、USCPA)資格」を実務にどう活かせるか?について、僕の実体験から具体的に紹介していこうと思います。

・USCPAって本当に役立つんですか???

・USCPAって商社時代にどう活かしたんですか??

・起業してからでも、USCPAって活きたんですか??

など。

USCPA資格に興味ある人に最近めちゃくちゃ聞かれるので、回答の手間を省くため、noteにしてみました!(笑)

USCPA資格について、よくわからない人は、こちらの記事をまずは読んでください^^

そもそもの資格概要を理解した上で、本記事を読み進めていただければと思います。

それでは、(上記記事を読んだ前提で)今回は、USCPAの科目毎(FAR、AUD、BEC、REG)に実務にどう活きたか列挙していきますね!


FAR(会計)はどう活きたのか?

※FARは、会計学。日本でいう簿記に相当(難易度は簿記1,2級の間くらい。それを英語で解くイメージ)

■商社時代、役に立ったこと
①与信審査業務(取引先の状態判断)

 自分は、入社1年目にリスクマネジメント系の部署に配属されたのですが、そこでFARが活きました。特に、取引先の業況をチェックし、その会社と本当に取引して良いか判断する「与信審査業務」に役立ちましたね。与信審査の一環として、取引先の業績判断(決算書:PL、BS、CF計算書をチェック&財務分析して業績把握)をするのですが、ここにFARの知識がモロに活きてます。例えば、商社のメイン業務であるトレーディング(モノを仕入れて、売る仕事)で言えば、売り先を厳しくチェックします。商社の基本取引としては、売り先に商品を納めた後、(1,2ヶ月後くらいに)売り先からお金をもらうので、その会社に「支払い能力があるか」チェックしないといけません(商品を納めた途端に逃げられたら、商社が大損します)。そのため、先方の財務状況を把握する必要があります。FARでは、決算書のそれぞれの項目の意味。財務分析をどうやれば良いか勉強するので、ダイレクトに仕事で活きたと思います。加えて、海外企業の決算書をチェックできることも得してました。意外にも、英語で決算書読める人って少ないんですよね。だから重宝されます。上司や同期から英語の決算書について質問される機会も多かったです。そこで信頼がうまれ、チャンスをもらえました。「決算書を読むことができる能力」はビジネスマンにとって重要なスキルであり、FARではこの力が養えると思います。

②海外決算の対応
 (公開情報なので、出しちゃいますが)自分は入社3年目でパラオ空港のM &Aプロジェクトを担当してました。パラオに事業会社を設立し、当該社の決算対応をしてました。パラオは「米国会計基準」なので、当該基準に沿って決算書を作成する必要があります。奇跡的に、自分は米国会計基準(=USCPA)を勉強してたので余裕でした(笑)。なお、前職の連結決算では「IFRS(国際会計基準)」を採用していたので、連結決算書を作成する場合、米国会計基準からIFRSにコンバージェンス(修正)する必要があります。FARで学習する米国会計基準とIFRSは、9割一緒と言われているので、FARを学習することで、IFRSの対応もスムーズに行ました。日本会計基準を勉強するわけでないので、日本では対応できないんじゃない?という声もあると思いますが、根本的な会計の考え方は似ていて、米国基準の会計を勉強しても特に問題なかったです!

③コーポレート部署(主に経理部署)の対応が楽に!
 営業関係者ならわかると思いますが、予実の管理や稟議書を作成する際、経理や財務部門から色々突っ込まれ(減価償却の計算が違う。発生主義じゃないなど、、、)イライラすることありませんw??あのイライラって、種類あると思うのですが、、、悔しいことに、、、ほとんどの理由が「営業サイドの会計知識不足」によるものです(僕もそうでした)。彼らの指摘内容がそもそもわからないんですよね。なので彼らが会計知識を振りかざし、「丸めこようとしてくる」と思い込んで、営業サイドがイライラするというのが実態なんじゃないかと思ってます。

なんでこんな話をするかというと、FARを勉強すると、そんなコーポレート部署に対するイライラが解消されるからです。

FARの会計範囲は簿記一級相当(難易度は簿記一級の方が高い)であります。なので、しっかり勉強すればコーポレート部署と対等に会話できるようになります。彼らの指摘が理解できるので、議論が生まれ、受け入れるべきか否かの判断もできます。言われっぱなしではなく、反論もできます。反論ができれば、「あいつやるやん!」ってなるので、コーポレート部署(主に経理部署)の方に一目置かれます。気づくと、仲良くなってることだってあります。仕事のしやすさが圧倒的に変わるので、FARを勉強してよかったと思ってます。

④情報が集まってくる
営業部にいた時は、本当に重宝されました。会計を知ってるだけで、自分と関わってない案件の事業計画書のサポートを頼まれたり、課の予算設計に関われたりしました。その過程で多くの情報が集まり、多くのビジネス知識を学ぶことができました(例えば、事業計画をサポートするためには、ビジネスモデルを1から調べる必要があり、調査の過程で知識がつくという感じです)。さらに、担当外の仕事をこなすことで、様々な人と関わるので多くの人と仲良くなれます。自分は課のどの先輩方とも良好な関係を築いていた自負があります。これは、業務外の仕事でも貢献したからだと思います。そのきっかけをつくってくれたのが、FARで学んだ知識でした。


■起業して、役に立ったこと
①簡単な経理処理ができる
 起業当初は、お金もないので、経理処理は自分でやってました。具体的には会社で発生した取引を全て自分で仕訳し、決算書を作ってました(会計freeeと言うシステムを使えば、仕訳ミスさえなければ簡単に決算書は作れます)。仕訳って、簡単そうに見えて意外と難しいです。今起きてる取引がどの勘定科目に該当するか知らないといけないし、売上も「発生主義」で計上しないといけない。その調整も面倒。事前知識がないとキャッチアップも大変。僕はFARを勉強してたので、キャッチアップに時間はかからず、ストレスなく経理処理の対応ができました(もちろん自分一人で全て解決できるわけじゃないですが、マニアックな点は税理士に聞けば良いので大丈夫です)。

②資金調達作業が容易に
 起業直後だと、日本政策金融公庫(公的な金融機関)からの借入や助成金・補助金を受けるケースが多いのですが、これらを申請する際に必ず「事業計画書(主に資金繰り表の作成)」が必要です。FARを勉強していたので、この辺は容易に対応できました。会計知識がないと、外部コンサルに依頼することが増え、それだけでお金が発生してしまうので、創業期は自分でやった方がいいと思います。


AUD(監査)はどう活きたのか?

※AUDは、監査法人の「監査業務(企業がきちんと経営しているかを第三者の立場でチェック)」をメインに学習する科目。

■商社時代、役に立ったこと
①監査法人との折衝が楽に
 自分は社会人3年目で空港の投資部署に異動になり、事業会社の設立・管理業務を任されてました。少し規模の大きな案件であったので、途中監査法人をつけることになり、監査法人の選定〜契約、窓口対応(監査される側で対応)をすることになりました。その時、AUDの知識がモロに役立ちましたね。監査法人選定の際は、各監査法人と面談し役務内容と料金を確認。契約の際は、契約書をチェックをしました(契約書も英語でしたが、AUDで勉強した用語が出てきたので問題なく読めました)。前提知識がある中での仕事だったので、楽に対応できましたね。監査対応では、監査法人から、かなり多くの質問を受けるのですが(例えば、PLに記載してる○○の費用はなんだとか。○○の株主総会の議事録はあるかないかなど)、そもそもなんでこういった質問をしてくるか。その背景や意味を理解していたので、スムーズに対応できました。商社にいても、監査の当事者として関わることは稀だと思いますが、AUDを勉強して良かったと思います。

②監査報告書が読みやすくなる
 リスク管理マネジメント部署にいた時、審査業務の一環で監査報告書を読むことがあり、その際AUDの知識が役立ちました。監査報告書はざっくりいうと、会社が作成した決算書が正しいか否かを監査法人がまとめたレポートです。第三者の立場から、決算書が正しいかをチェックします(第三者の人が問題ないといえば、安心してその企業の株も買えますよね)。監査法人は、企業に何か問題あるときに「不適正意見」「限定付適正意見」「意見不表明」と言った意見表明をレポートで出すのですが、こう言った用語を知ると知らないとでは仕事のスピードが全然違うと思います。

■起業して、役に立ったこと
①上場に向けた手続き
 ベンチャー企業が上場する意思を固めたら、監査法人によるショートレビュー(予備調査。会社体制は問題ないか?上場企業に耐え得る企業かの簡易チェック)を受ける必要があります。このショートレビューの手続きの一環でAUDの知識が一定役立ちました。ただし、AUDは上場企業の監査業務をメインに取り扱っているので、全てが役立つわけではなく、監査法人の思想だったり、根本とする考え方が参考になると思っていただければと思います。

BEC(ファイナンスが中心)はどう活きたのか?

※BECは、主にファイナンス。他にもITや経済学、管理会計なども学習する科目。

■商社時代、役に立ったこと
①資本コストの計算
配属されたリスクマネジメント部署で業務の一つとして、会社の資本コスト(株主や金融機関からお金を調達する際に発生するコスト)を算出してました。入社一年目でやらされたので、最初は資本コストって何ww??って感じだったのですが、BECを勉強して本質的な理解できるようになりました。これにより仕事も「やっている意味がわかり」楽しくなりましたね。

※資本コストがわらかない人はこちらご参照
https://freeway-keiri.com/blog/view/278

②事業計画書作成支援
 正直これが一番役に立ったこともかもしれません。僕がいたリスクマネジメント系の部署では、投資を意思決定するために必要な「事業計画書フォーマット」を作成・管理してました。事業計画書フォーマットは非常に難解で、「IRR」「DCF」「TV」とった基礎的なファイナンス用語の理解は勿論のこと、M&Aする場合、増資する場合、親保証を入れる場合、プロジェクトファイナンスで調達する場合など様々な投資パターンを知っていなければ、話になりませんでした。故に、総合的なファイナンス知識が求められます。よく投資部署の担当者から問い合わせがあったのですが、商社の投資部隊にいる百戦錬磨の方々を納得させるだけの知識量とロジックが必要なので最初は本当に大変でした。ただ、BECを勉強したおかげで、ファイナンスに関する知識が増え、事業計画書フォーマットの理解が進み、業務が楽になったのを覚えています。加えて、投資部署の方の信頼も得られ、仕事がさらに楽しくなりましたね!

※ファイナンスがよくわらかない人はこちらの記事もオススメです!

■起業して、役に立ったこと
①資金調達
資金調達の検討にBECは役立ちましたね。ベンチャー界隈では、何も考えず、エンジェルやVCからの調達に手を出し、株をかなり放出する起業家も見かけたりします。自分の場合は、BECを勉強してたのでそういったリスクリターンをちゃんと考えて意思決定できるようになりました。弊社の場合、起業当初は、できるだけ外部からの株での資金調達はせず、金融機関からの借入れや助成金などで会社経営を行ってました。もちろん、アクセルを踏む時は株での調達は良いと思いますが、あらゆる資金調達手段を考えておく(オプションを持つ)ことは非常に重要かと思います。こう言った意思決定をする際にBECを勉強しておいてよかったと思います。

②プライシングの設計
サービスのプライシングは、ビジネスで超重要な意思決定だと思うのですが、ここでもBECが活きてます。管理会計の知識を使って、提供サービスにかかる原価(変動費や固定費)を算出。それに基づき売価を決定したり、キャッシュフローを考慮し月額料金や一括前払いのパターンを設計したりしました。プライシングについては、感覚で決める人が意外に多いのですが、何かしらのロジックに基づいて設計するしないでは、将来経営のしやすさが全く違うと思いますので、この辺はしっかりやるべきだなと思ってます。

REG(税法、商法)はどう活きたのか

※REGは、法務。税法と商法について学習する科目。

■商社時代、役に立ったこと
①事業会社の管理業務
上述でも説明した通り、自分は空港の投資部署にいた時、事業会社の管理をしてましたが、そこでREGも活きました。特に以下の3つに役立ちましたね。

(1)会社設立業務
→会社設立って登記申請、定款チェック、会社形態の決定、パートナーとの調整作業など色々やることが多いんです。株式会社にするか?有限会社にするか?どういう組織体制にするか(例:取締役会を設置するか)?など初心者が一から調べて設立しようとするとかなり大変です。REGで、会社設立に必要な内容も学習してたので、上記業務をスムーズにできました。

(2)株主総会対応(臨時、定時含む)
→会社運営をすると必ず、株主総会を開催しないといけないのですが、書面決議でするか。議事録はどうすれば良いか。など諸々作業が必要です。もちろん行政書士の先生が対応してくれますが、責任は全て依頼企業にあるので、作成してくれた書類の妥当性チェックが必要です。なので前提知識がないとかなり大変。REGを勉強してたおかげで、こちらもスムーズに仕事ができました。

(3)税務申告書のチェック(米国基準)
→REGでは税務申告書を自分で計算するのですが、まさにこれが活きましたね。パラオも米国基準での税務申告なので、REGでやったことがそのまま活きたのでビックリしましたね(奇跡です)。

②契約書の理解
 海外案件が多かったので、契約書はほとんど英語でした。普通なら、辞書で専門用語の意味を調べて読み進めていくのですが、REGで勉強してたのであまり調べる必要もなく、スラスラ読めたのを覚えてます。もちろん、全部は理解できるわけではないので、上司に聞いてたりしましたが、社会人3年目では圧倒的に内容を理解できている方ではあったと思います。

■起業して、役に立ったこと

①契約書を自分で作成できる
 商社での実務経験、REGの両方のおかげかもしれませんが、法務面で困ることはあまりないです。もちろん、弁護士の方にチェックはしてもらいますが、契約書のドラフトを自分で作成したりすることもあれば、自分でリーガルチェックもできます。大金を支払ってリーガルチェックをしてもらう必要がないので、節約もできます。法務知識ゼロの状態だと、弁護士事務所から提示されてる金額が妥当かの判断ができないですよね。ぼったくられることもないですし、弁護士の先生と対等に議論できるので、同年代の起業家と比べるとここはかなり得していると思います。


その他

■商社時代、役に立ったこと

①転職サイトに登録した時、ヘッドハンターから多数連絡
→某転職サイトに登録して見たのですが、有名会社からのオファーが殺到しました。大手監査法人や超有名外資コンサル企業などから多くの連絡がありました。若くして取得したことも要因かと思いますが、転職でも有利になることは間違いないです。

②上司への説明コストを削減
→商社にいると「この事業計画の数値の根拠は?」見たいな形で、数値に関して上司に対し詳細に説明する機会が多いです。僕の場合は、USCPAに合格した噂が回ると、周囲から何も言われなくなりました。少なくとも、部署内では説明コストを大してかげずに稟議を通すことができました。「あいつ会計詳しいから」という理由があったのかわかりませんが、本当に対応が楽でした!ただ、勘違いしないで欲しいのが、USCPAを取得したとしても、商社にいる経理部・財務部には全然敵いません(笑)やっぱり実務で経理関係の仕事をやってるとやっていないとでは経験が違います。今でも経理と財務の方はめっちゃ尊敬してます。

■起業して、役に立ったこと
①箔がつく

これが一番大きいですね。特に、名刺交換で力を発揮します。先日も、交流会に行ったのですが、その後に、お礼のメッセージをしたら「米国公認会計士の方だよね?」という感じで覚えてもらってて、スムーズに商談に進むことができました。交流会って沢山の方と名刺交換するので、忘れられることが多いんです。だから、インパクトを残すことが重要だったりします。USCPAの肩書きは思わぬところでメリットがありました。あとはツイッターのフォロワー数が爆伸びしたり。金融機関対応が楽だったりとかですね。まとめると錯覚資産とでもいうんでしょうか?(笑)大分得してます。商社時代は「実務」にかなり役立ちましたが、起業してからは何だかんだ「肩書き」という表面的なところで活きて気がします。とはいえ、日頃の経営に関する意思決定は定量的に考えますし、頭の中で会社の財務三表を現在と将来をイメージしながら経営してます。

②助成金・補助金
創業間もないベンチャーって国からお金を援助してもらえるんです(創業助成金は300万円!創業期のベンチャーとしては本当にありがたい)。ただ、審査が結構厳しいのも事実。特に書類→面接審査の中で、事業計画はかなり突っ込まれます。でも、自分の場合(USCPA持っているからか?)あまり突っ込まれませんでした。面接の時も、深掘りされず形式的な質問が多かった気がします(知り合いの経営者の方はかなり深掘りされたそう)。ベンチャーの事業計画なんてほとんど変わるのが当たり前(創業期に5~10年後の計画なんて精緻に引ける人なんて存在しないと思います)。僕の場合は、USCPA資格が説明材料になってました。本当ラッキーです。


長くなりましたが、以上で「USCPAを実務にどう活かすか」についての説明を終わりにします。

読んで「めっちゃ勉強になった!」と思った方は、noteをフォローいただけると嬉しいです!

引き続き、若手ビジネスマン向けに役に立つ「仕事術×キャリア論×会計知識」について発信していきます。



※米国公認会計士(USCPA)に関する動画でも、分かりやすく説明してますのでぜひご覧ください!!





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