見出し画像

人気No.1ゼミに入りたくて(序章も序章)

 ゼミ・研究室って普通はどんな感じの存在なのでしょうか。友達に聞くとただ一緒に卒論や研究をするぐらいだそうです。私のイメージもそうでした。そこまで仲良くよろしくやる感じでもないのかなと思っていました。飲み会をしたり、夏にBBQをやるぐらいですかね。しかし、いい意味で全くゼミ・研究室のお堅い感じがなかったのが私の場合です。

一強たくさん弱の争奪戦

 私の所属するビジネス系コースには約60人ほどの学生が所属します。私の代はその半数以上、30数名がこのゼミに入りたいと、最初の希望調査でそう答えました。今振り返っても意味がわかりません。このゼミが異常なのか、それとも他のゼミの魅力が薄すぎるのか。恐らく、私の学年に限った話で言えば確実に後者が答えです。1本目の記事にも書きましたが、このゼミのお話は濃すぎるので、またの機会に書きます。と言ってた気がする1本目。

 このゼミ(以降Tゼミ)の先生は大癖です。もう癖も癖。ノブがいたら、一生あのちょっと待ていボタンを押していることでしょう。私がこのゼミを知ったのは大学2年の夏頃。同じ野球サークルの先輩がTゼミに所属していて、話を聞くと「マジでこのコースだったらTゼミ意外考えられん」というのです。何じゃそりゃと思いましたが、考えてみるとT先生以外は「こいつは絶対ない」と思える先生ばかりでした(ごめんなさい馬鹿にしてないしこの記事が見つかりませんようにというか見つかるわけなし)。

 私はこの先生の授業を履修したことがなかったので、2年の後期に履修することにしました(必修だったし)。当時はコロナ禍でオンライン授業だったので、パソコン越しにこの人の授業を受けたのですが、圧倒的に面白かったです。というか、これが大学の授業か、という感じでした。この時、「このゼミに入らねば」と強く思うようになりました。

 しかし、とあることに気が付きます。なんか、T先生を取り巻く生徒たちで軽くコミュニティができていたのです。薄々聞いていたのですが、このゼミに入るには先生と顔見知りになっておいた方がいいというのです。だから、目立つ学生は必然と先生の興味を引きます。オンライン授業なのに、先生が講義をしている教室になぜか居座ってる学生もいます。チャットで質問しまくる学生もいます。その先生はなぜか授業終わりに「今から仙台で飯食えるやついる?」とか言い出します。非常にきしょいです(大学生言葉っぽく)。

 私はこういった学生を見て「なんやねん、しゃしゃりやがって…せこいんだよ…」とか思ってました(完全に自分が子供でした、ただの嫉妬心です)。ということで、私も勇気を出してT先生にお話聞きたいです!とメールします(特大ブーメラン)。すると、「今度うちのゼミ生が説明会開くからそれ聞いてみて」と軽くあしらわれたかのような返信に少し萎えます。

なんでこんなときに大チャンス到来

 そのまま数日が経過したある日のこと。前に書いたように、某お値段以上な家具店でアルバイトをしながらこっそりスマホをいじっていると、友達からとあるLINEが来ていました。その友達は何回か記事にも登場している休学仲間のO君で、彼と一緒の時期にT先生にメールしていました。その内容は「T先生からご飯の誘い合ったけどどうする?」でした。メールボックスを確認してみると、確かにT先生からご飯の誘いが来ていました。しかし、私はバイトに出勤したばかりで、あと3時間は働かないといけません。当然ご飯に行けるわけもありませんでした。しかし、その時の私は他に先越されたくないという思いと焦りからどうかしていたのでしょう。すぐに店長室にダッシュして、「すみません!必ず今日中に提出しなければならない激ヤバ書類を大学に提出し忘れていました!退勤してもいいですか!?」とアカデミー賞受賞できるんじゃないかぐらいの渾身の演技力で、見事にバイト先から抜け出すことに成功しました。(このことで迷惑をかけた分を取り戻せるように、その後一生懸命に働いたので許してください。当時現場にいた社員さん🙏)

 その後、意味の分からない時間に突如バイトから帰宅してきたことに対する親の質問責めを振り切り、爆速で着替えて地下鉄に乗り込みました。確か、メールを確認してから30分ぐらいの出来事でした。電車に乗りながら、「あぁ、これ絶対に間違えたわ、バイト先のことなんも考えてないじゃん。」と後ろめたい気持ちMAXになっていました。その後、駅でO君と合流し、T先生がいるお店へと向かいました。そこには先生をはじめ、先輩や同級生も何人かいました。初めて生で話すT先生に緊張しつつも、かるーく自分のことを話したりして時間が過ぎていき、ある程度食べ終えたところで、T先生からこんなことを言われます。「俺の知り合いが水族館の企画案を学生と考えたいって言ってるんだどやる?」と。私はもう「やります!」と即答するしかありませんでした。

 

今回は運が良かっただけ、と思わない。

 この嘘つきバイト抜け出し大作戦の結果、私は広告代理店の人と企画案を考えて提案するというめちゃくちゃ貴重な経験をさせていただきました。これがきっかけになり、私は代理店の仕事に対してとても興味を持つようになりました。私はこの経験を学生時代にできてよかったなと強く感じています。この作戦の最初の目的はTゼミに入れるように先生と接点を持つこと。だったのですが、こんなにも思いもよらぬ方向にことが進んでしまいました。このプロジェクトが終わった後も、何度か代理店の方とご飯に行き機会があったり、話をしに行き機会があったりと、色々お世話になりました。しかもプロジェクトに参加した学生4人中3人が休学するという、これが要因となったかはわかりませんが、確実に学生の気持ちにも変化があった出来事なんじゃないかなと思っています。そういえばそのときお世話になった人に近況報告してないから、メッセージ送らないと。

 ですので、あの時、その時の気持ちを突っ走らせて、バイトを抜け出したことは、もちろん褒められることではないですが、悪くない決断だったのかなと、結果論ではありますが、そう感じています。まあ人生なんて結果論でしか言えないところもありますし。その後もかくかくしかじかあって、なんとかTゼミに入ることができました。今でも、あの時バイトを抜け出すという決断をしていなかったらどうなっていたんだろうと不安になることがあります。でも、結果よければ全てよし!なのかもしれませんね、と今は言いかけて合理化しています笑。

 このゼミにまつわる話は、間違いなく私の大学生活の中でいちばん大きな選択と経験になりました。ですので、今回はそのほんの触りの部分だけお話しさせていただきました。振り返ってみると最初のきっかけはバイトを抜け出すという、一見おかしな、でも勇敢な行動だったのだと、少し感慨深くなるものでしたとさ。めでたしめでたし。

ps. ちなみに、この記事のヘッダー画像?は美味しそうな町田商店のラーメンです(家系ガチ勢には邪道と有名な)。このゼミに入って激ヤバ課題を何度も取り組んでいたのですが、夜の24時ぐらいに「今から町田行かね?」と死の誘いが舞い込んでくるんです(東海オンエアがよく深夜にまんぷく家に行くやつと多分同じ)。最悪な誘いに見えて、今思えばありがたい話なんですよね。あの時の課題への辛さが確実に紛れてたので。ということで、町田商店食べたいな!でも徳島にないや。わざわざ深夜高速に乗って神戸の町田商店に行こうかなと実は画策中。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?