見出し画像

夕焼け空

自分がない分
染まった
夕焼け空の下
あそこから
遠い上り坂の向こう

見下ろした影が
下るように伸びていく

何もない不安
言葉にならない混沌
今ならば
その影も
揺れて見えるけど

業火に焼かれたような
その瞬間は
前世のような
遺構の中
実感の抜け落ちた
言葉とともに
アーカイブされている

人それぞれだろう
夕焼け空の下
思い思いの湯気が
陽炎となって

この街を
淡く染めている

遠くから見れば
他人事のような
鮮やかなオレンジの下に
沈んでいく






この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?