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忘却の彼方

誰かの人生を
なぞるように
ホログラムが重なり
自分の中で
ここではない
衝動が踊り出す
演技することで
かわしていく
穢れたコートを
いくつも脱いで
観測点で
その高さを測る
 
最後まで
裸になることはない
見せることもない
忘却の彼方に
母の顔が浮かんでいる
 
部屋の光の中で
柵を乗り出そうとする
僕の手を離さない
 
父さんの帰りは
今日も遅いんだって
そう羅列する
文字列の中で
迷い始めた
原光景
 
震える手が
誰かの秘密を
つかんで離さない
ホログラムが
浮んでは
揺れている
 
ここにいないことの
免罪符な夜
届かない光
あなたの悲しみ
すべてを捧げたような
壁の落書き
それももうない
 
青い空に
どこまでも
そうじゃない
光景を重ねている

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