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ファミコンの裏技の思い出

 ファミコン少年だった僕は毎日のように学校から帰ったらファミコンしてました。日本中あの当時はほとんどそんな感じで過ごしていた子どもが多かったんでしょうね。ということで今回はそんなファミコンにまつわる裏技の思い出話をいくつか。
 昔のゲームはそこまで容量も多くなくていわゆるバグとかが多く、でもそれが逆に面白い裏技みたいなものに繋がったりしていました。一番有名なのは今からは考えられない裏技だと思いますが、当時のゲームキッズはみんなやっていたであろうものを。それはゲーム史上ナンバーワンの売り上げを誇る「スーパーマリオブラザーズ」と同じく任天堂から発売されたファミコン初のテニスゲームその名も「テニス」を掛け合わせたものです。何十年も前の記憶なのでいささか忘れた部分もあるかと思いますが、出来る限り思い出してみると……。たぶん、テニスを二人用でプレイして、あのゲームは上と下で打ち合う形でやるんですが、たしか上のプレイヤーを前列まで移動させて、下のプレイヤーをサーブ打って、向こうが打ち返す間に、下のプレイヤーを上に何回か移動させてその途中で、リセットボタンを押さずにそのままテニスのカセットを抜いて、そのバグった画面のまま「スーパーマリオブラザーズ」のカセットを差し込んで、リセットボタンを押すと何と、いつもは「1の1」とかのワールド画面表示が「Aの1」とかその他バグった文字の1とかになって、フィールド画面のまま海の世界みたいにマリオが泳いだり、土管からキラーが打たれたり、絶対取れないコインが壁に埋め込まれていたり、と異次元のマリオの世界をプレー出来たりするから、散々マリオを遊び倒した子供たちは未知の世界を発見しようとのめり込んでいった思い出深い裏技ですね。必ず成功するとは限らず、90%以上の確率で普通のマリオのゲームがスタートしたりしていましたが、テニスの上に何歩とか、カセットを抜くタイミング、とかかなりアナログ要素に強い、だから余計に当時の子供たちが腕を競って「俺こんなステージ出せたで」とか凄いステージ出せた奴はちょっとみんなのヒーローになったりしていましたね。一応この裏技は開発者の任天堂の耳にも届き「あんまりやると故障の原因にもなるのでやらないように」とかの注意喚起もなされたぐらい、あの当時は有名な裏技になったりしていました。
 あともう一個有名な裏技は天下の名作「ドラゴンクエストⅢ」からです。ドラクエⅢのめったに倒せない敵「はぐれメタル」を倒すと本当にごくまれに「しあわせのくつ」というフィールド上を歩くだけで経験値が一ずつ増えてフィールド画面で「レベルが上がりました」とか鳴ったりする夢のアイテムですが、僕はついぞファミコンでは何回もレベル99にしたとか言ったりしていますが、「しあわせのくつ」は手に入れることは出来ませんでした。でも僕の四つ上の知り合いのお兄ちゃんがその「しあわせのくつ」を持っていて件の裏技を僕の目の前でやっていたのを覚えています。そのやり方もうろ覚えであまりはっきり覚えてなくて恐縮なのですが、たぶんこんな感じだったと思います。まずレベルを上げたいキャラ、賢者とか勇者とかにしあわせのくつを装備させてそのまま味方を戦闘中に戦闘画面から飛ばして消せる魔法「バシルーラ」を使える敵のいる地方へルーラで飛んで行って、そこでたぶん「ヘルコンドル」とかいう鳥型の敵と遭遇してそのしあわせのくつを装備した味方をバシルーラで飛ばしてもらってその敵を倒すのか、逃げるのかは忘れましたがそのまま戦闘を終了させて、すぐにルーラでアリアハンの城に戻ってセーブして一回ゲームを終了させます。バシルーラされた見方はいない3人パーティーのままで終わります。で、再開したら飛ばされた見方がいるルイーダの店に行ってそのしあわせのくつを装備した見方をもう一回仲間に加えて、すぐ外に出てスライムとかおおがらすとかの雑魚キャラを倒します。そして戦闘が終わって一歩歩くと何とめちゃくちゃ経験値がバグったみたいに増えたことになっていて、一気にレベルが50くらい上がったりしていました。たぶん、もう少し複雑な手順や操作が必要だったと思います。その裏技を見て、見よう見まねで僕もその知り合いのお兄ちゃんと同じことをやってみたのですが上手くいかなかったので、かなりややこしい手順とか必要だったのかもしれません。
 あともう一個は前の二つほど手の込んだ裏技とかじゃなくて、どっちかというと隠し技みたいなやつを。ドラゴンクエストⅣでもうほとんど場所も忘れましたが、最後ラスボスのデスピサロのいる魔界とかでしたかね。最後のダンジョンから確か、「架け橋の塔」でしたか、調べて久しぶり過ぎるくらいに思い出しました。で、その党のてっぺんにはぐれメタルがやたらと出る階があって、そこでファミコンのドラクエⅣは主人公以外完全にAI(今思うと30年前のあの頃から僕らはAIとかドラクエ通して日常的に知っていたんやなあ)戦闘で、「ガンガンいこうぜ」とか「みんながんばれ」とか作戦があったんですが、このはぐれメタルはアイテムの「せいすい」を使えばこのファミコンのドラクエⅣだけに限って普通に10前後のダメージを与えて倒せてしまうのでした。でも主人公以外は自分で動かせないから「ガンガンいこうぜ」では普通に攻撃や効かない呪文唱えるし、とかでなかなか「せいすい」使ってくれず困っていたところ、どこからか漏れてきた情報で「いろいろやろうぜ」とかでAIが効く攻撃としてはぐれメタルに「せいすい」かけてくれる、というネットもない時代にたぶん「ファミマガ」とかのゲーム情報誌で手に入れた情報を試してみたら、ドラクエ史上こんなにも「メタル系」を簡単に倒せたことがそれまでになかったのでゲーム中毒だった小学校5年の僕は友人の誘いにも「居留守」を使ってしまうほどに「はぐれメタル狩り」にハマって、クラスの誰よりも早くドラクエⅣの「導かれし」仲間たち全員レベル99に仕立て上げたのでした。トルネコ最後ライアンよりもHPがめっちゃ高くなって「バグかな」とか焦ったりしましたね。クラスのみんながまだ言っていない未知の領域だったので。逆にミネアとかレベル99とかになってもHPが200台とかめっちゃ少なかった印象があります。確かかどうかは忘れましたが。
 まあこんな感じで小さい頃の思い出の半分以上をファミコンとかで占められてしまっているこの世代(世間的には氷河期世代とかありがたくない名前を頂戴したりしていますが)のいろいろな思い出話を機会があれば、また。

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