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マーケロボCFOにとっての"DX for Sales"とは??

みなさま、こんにちは!マーケロボCFOのたっぴーです!
 今回のお題は…「私にとって『DX for Sales』とは??」。基本的な問いだけに、答えるのが難しいですね。昔NHKでやっていた「プロフェッショナル ~仕事の流儀~」に出られそうだな、なんて思ってしまいました。笑
 色々考えながら書いてみましたので、お暇な方は是非、最後までお付き合いくださいませ!!


0. 因数分解型の思考法

 以前に投稿した自己紹介Noteにも記載しておりますが、私は元々理系の出身です。東京工業大学というガッチガチの理系大学で、鉄骨構造の耐震について研究しておりました。

 その過程で培われた思考法で、今も最もよく使うのが、要素別に因数分解する事。ここで大切なのが「和(足し算)」ではなく、必ず「積(掛け算)」で考える事です。
 例えば、「成果」という言葉を私なりに因数分解してみると、下記のようなイメージとなります。

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 …という事で、まずは因数分解してみましょう。"DX for Sales"を「DX」と「Sales」の掛け算として因数分解し、展開していきます。 


1. 「DX」って…何だ!?

 DXと聞いて「ダウンタウンDX」が思い浮かんだ、そこの貴方!とても良いギャグセンスをお持ちです。逆に「デジタル・トランスフォーメーション」が思い浮かんだ…そんな貴方は、とても思慮深く勉強熱心なタイプのようですね。
 どちらかというと後者タイプである笑、私にとってのDX(デジタル・トランスフォーメーション)の定義を先に述べます。それは、

「アナログな世界をデジタルで表現できるように変革する」事です。


▼アナログな成果
 例えば以下の図は、時間経過に伴って成果がアナログに上下している様子を描いています。
 みなさま、どのような印象をお持ちでしょうか。「何かヌルっとしてんな~」と思われた貴方は、多分DXに挑戦する素地となる良いセンスをお持ちです。ヌルっとした不定型な要素によって成果が上下していて、それを測定するのは中々難しいはずです。

アナログな成果

 それでも良いんです、成果が出ていれば(上図の①や③)。ただ、落ち目になった時(②)に何が悪くて下がっているかが分からないから、立て直しが非常に難しくなる。それでも時間をかけて③に戻せれば良いですが、③'のように永遠にジリ貧となってしまう最悪のケースもあり得ます。
 そうならないように、ヌルヌル難解なアナログ成果をシンプルに表現し測定するために、0or1で測定しやすい「デジタル」の手法は非常に役に立ちます。

▼粗いデジタルな成果
 さて、DXの一歩目を踏み出した人が、粗々ながらも「デジタルな測定」をし始めた状況が次のイメージ。

粗いデジタルな成果

 「これなら以前のアナログの方がマシじゃん」…そうです、これが今の日本の現状。これまで日本語という極めて抽象度の高い「超アナログ」な言語・文化に慣れ親しんだ私達は、非常に高度なアナログ力を有している反面、デジタル力には全く不慣れなのです。(地球に初めて降り立ったラディッツもビックリ!笑)

 当然、すぐに成果は出ず、寧ろ「以前より分かりづらくなった」「以前の方がまだマシ」…こんな声がよく聞こえてきます。ここで折角始めたDXを止めてしまったら、結局元のアナログに逆戻り。「社長の一声で始まったあのプロジェクト、一体何だったんだろうね…」という、あるある失敗談に落ち着いてしまう訳です。

▼精緻なデジタル成果
 それでもめげずに正しい努力を積み重ねていけば、デジタルで捕捉できる領域は、加速度的にアナログに近づいていきます。次のイメージは、当初の「アナログな成果(点線)」と、ほとんど変わらない折れ線となっている事がお分かりいただけるはずです。

精緻デジタルな成果

 今回は11分割に留めましたが、これが100分割、1000分割…最終的に∞分割する事が出来たなら!描かれるデジタルの折れ線は、当初のアナログ曲線と理論上全く同じものとなります。しかもそれが100%全て測定可能なのです!様々な要素をデジタルに判定し、アナログなヌルっとした成果すらも非常に忠実に表現・把握・測定可能になる状態がDXの極致となります。

 以上が私なりの「DX」の答えであり、冒頭で「アナログな世界をデジタルで表現できるように変革する」と表現した本質です。


2. 「Sales(営業)」って…何だ!?

 私はトーマツという監査法人に7年半務め(その間の職務はずっとCS: カスタマーサクセス)、その後マーケロボにCFOとしてジョインし1年3ヶ月が経ちました。直接的なSales(営業)の経験はないですが、Salesのスキルが求められる場面には何度も直面してきました。

ここでも先に私なりの定義を述べましょう、私にとってのSalesとは、

「こちらの意図通りに相手と合意に達する」事です。

 先ほどのDXでも述べましたが、日本語は極めて抽象度の高いアナログに適した言語。これが上記の定義を更にヌルっとしたものにしている原因だと私は考えています。

 Salesの難しさについて、前職トーマツ時代での経験談をご紹介します。


▼トーマツ時代に経験した「値上げ交渉」の難しさ
 トーマツで3年ほど経ったある日、上司からある打診をされました。それは、「市原、そろそろ主任やってみないか!?」というものです。
 最初に主任となる監査契約は、大規模な一部上場企業の子(孫)会社である事がほとんどです。誰もが知っている業績好調・資金潤沢な親会社とは異なり、意外とそういう会社の業績は厳しい事が多いです。監査報酬もかなり低く、私が担当した主任契約は、引き継いだ当初全て赤字の状態でした。

「折角の主任契約が、会社にとって1円の利益にもならないなんて!」

 それまでにも噂は聞いていたものの、引き受けた当初は結構ショックでした。どうしたら採算を回復できるんだ…せめてトントン、できれば黒字にしたい。そう考えて、色々な工夫を凝らしました。
 経営学で良く言われるBANT情報を取りに行ったり、チームやクライアントのSWOT分析もやりました。特に一社の契約では、A(決裁者)が気前の良い社長…と思いきやドケチな管理本部長だったケースもあり、非常に大変でした。クライアントの課長と仲良くなって細かくジャブを入れてもらったり、会社を良くしたいというアツい思いも人一倍強い管理本部長であった事から、監査報告会での問題点の指摘精度や内容を上げたり、コミュニケーション頻度を多くしたりと、試行錯誤を重ねました。

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 最近の監査法人では逆にクライアントからの値下げ圧力に屈するケースの方が多いので、かなり珍しいケースですが、最終的に値上げ交渉に成功しました!…が、その額は合計年80万円程度。
 値上げしていただけるだけ有難いと思った一方で、労力に見合わないな…という徒労感を感じたのも事実でした。


▼逆転の発想で勝ち獲った、コストカット努力と黒字化
 値上げの難しさを痛感した当時の私は、BANTのN(Needs)である「クライアントが何を求めているか」を分析してみる事にしました。その結果として得られた結論が、

「当期の監査が大過なく着地しますように」という事でした。

 これもまた薄々感づいていた事ではありましたが、再度かなりのショックを受けました。子(孫)会社の管理本部長にとって、「会計監査」というサービスは、大きな問題が見つかり指摘を受けてしまうという「出世リスク」が非常に大きい一方で、無事な着地である事が当たり前のためリターンが非常に希薄なものだったのです。
(※上記は会計監査の本質を示したものではありません。私自身、公認会計士の端くれとして、会計監査は非常に大義のある仕事だと断言できます。あくまで当時のクライアントの管理本部長の感じ方としての記載です。)

 ここから管理本部長との対話が始まります。先ほどお話ししたように、「会社を良くしたいというアツい思い」をお持ちの管理本部長、クライアント自身の事は非常によく分かっています。市場の動向、会社のポジショニング、強み/弱み、とにかく聞きまくりました。
 そして気づいた事が、「クライアントの体制が整っている部分(強み)は監査手続を簡略化し、逆に脆弱な部分(弱み)に集中投入したら、監査品質を維持したままコストカットに繋がるはず」というSWOT分析の応用でした。

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 これは会計監査業界で言われる「リスク・アプローチ」という超重要な大原則と全く同じ発想でした。と同時に、受験時代に勉強した飾りのお題目であった言葉が、真に腹落ちした瞬間でもありました。
 監査資源(ヒト・モノ・カネ)が有限である以上、リスクをしっかり理解・把握・分析して、リスクがない領域は節約し、リスクの高い領域に集中するという、「当然の鉄則」の重要さにようやく気が付いたのでした。

 ここから再度、当期の監査方針の簡略化アイディアを探しに、管理本部長に相談しに行きます。そうすると面白いように監査手続きの簡略化が進んでいく。管理本部長にとっては、会計監査の対応に割くリソースの削減も喫緊の課題だったようで、「合理的な監査手続きの簡略化」をお互いの共通ゴールとして、黙示的に設定する事に成功したのです(おかげさまで、全契約で黒字化も達成しました!)。

 ここで重要なのが、値上げ交渉もコストカットも、どちらも私の定義(こちらの意図通りに相手と合意に達する)からすれば「Sales」であるという事。
 今マーケロボCFOとして携わっている資金調達も、昇進のためのプレゼンテーションも、妻と仲良く過ごすことも笑、恐らくヒトとヒトとのやり取りの全てにおいて、Salesの要素が必要となってきます。


3. 「DX for Sales」って何だ!?

 ここまで長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。上記1,2を総括し、私にとっての"DX for Sales"を定義してまいります。

▼ここまでの総括
 
①私達日本人が非常に抽象度の高いアナログ特化型言語である、「日本語」を操るプロフェッショナルである一方で、デジタル思考についてのド素人であるという事。
 ②Sales(営業)が、「こちらの意図通りに相手との合意に達する」というアナログな領域に属するものであるという事。
 ③DXが、「アナログな世界をデジタルで表現できるように変革する」という、シンプルに要素分解し可視化するプロセスである事。

▼私にとっての"DX for Sales"とは!?
 私にとっての"DX for Sales"とは、以下の通りです。

①②「日本語」での「営業」というアナログにアナログを掛け合わせた、
ヌルヌルっとした超アナログ領域に対して、

③0 or 1というデジタル思考を用いてシンプルに因数分解し、
各々の構成要素別に成否を可視化するプロセス

 「何と!MAツールを使うかどうかが入っていない!!」…まあ、それもまた一興かな、なんて。笑

最後に………最後まで長文にお付き合いくださったみなさまに、
大いなる感謝を!!!

 

~最後までお読みいただき、ありがとうございました!~

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