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あなたのSCは、どこにでもあるSCなのか?

ウォルマートが「ショッピファイ」という通販プラットフォームと手を結んでいることはご存知でしょうか?

ショッピファイはライブラリー、オールバーズ、ペプシコ、ハインツなど100万以上の企業に対しeコマースツールを提供。Amazonの対抗馬として急成長しています。

今回のウォルマートとショッピファイの提携により、これらの企業はウォルマート・ドットコムに商品を掲載できるようになり、各企業にとっては、ウォルマートの看板を借りて、商売ができるというわけです。

一方、ウォルマートとしては、サイト内で勝手に企業が掲載し、販売してくれることで、品揃えが豊富になることはもちろん、手数料を頂戴することができ、ある意味、看板だけで儲けることができます。

しかも!

今期の第一四半期では、これらのサードパーティーによる売上が本業の売り上げを超えたそう!?ウォルマートは看板(ブランド資産)だけでメシを食えるようになるかもしれないのです。

という話を各SC担当者にお話すると、ほとんどの方が「ふ〜ん」と気の無い返事。遠くの国の遠い話として、既聴スルーされます。「いやいや、ウチはどこにでもある店舗で、ウォルマートのようなブランド力はないから」といった感じでしょう。

いや、違うのです。あなたの勤めているSCは、あなたが思う以上に価値があります。それは、さまざまなSCで顧客調査をやっていても感じます。なぜなら、調査すると「自分たちの館は普通だ」と思っているSCほど、品質やサービスではなく、何となくお客さまが立ち寄ってくれているからです。

こういう話をすると当然「近いからとか、便利だとかで、何となく来てくれていることに価値はない」と言われるのですが、果たして本当にそうでしょうか?私は、そんなことはないと思っています。

「時間がない顧客が、何となくでも時間を使っている」ことは奇跡だとさえ感じています。なぜなら、一日24時間しかなく、仕事や家事に追われ、究極さまざまな娯楽で溢れる中で、1時間、2時間貴重な時間をあなたのSCで時間を費やしてくれているのですから。

10年以上昔、アトレ吉祥寺は吉祥寺ロンロンという名前でした。当時、顧客調査をすると「ダサい」「近いだけ」などなど、まぁ、辛辣な意見が並ぶ並ぶ。けれで、アトレに変わることになると状況が一変。地元では「ロンロンが無くなるなんて悲しすぎる!」と悲痛な声で溢れ返り、食品フロアの名称に「ロンロン」を残すほどでした。

大抵のSCは、何十年もの間、地元民と共に歩み、生活(人生)の一部になっています。そこには、長い年月が築き上げた無形の財産があります。そのブランド力を今こそ活かす時なのです。

今までは、地元商業や地方経済に結びつきたくても、家賃問題などで常設店として取り込むのが難しく、ポップアップで出店してもらうことが関の山でした。ところが、オンラインの力を借りたらどうでしょう。今までよりも、多くの企業を取り込めることになるのです。

特に駅ビルや大型店は地域経済と対立してきました。今後はオンラインの力を借りれば、共生も促進されるのではないでしょうか?

ECや競合店に押され、自分たちを「どこにでもあるSC」と思うのか?それとも、地元民にとって「唯一無二の存在」であると見切るのか。その認識の違いでオンライン(デジタル)も敵のままか、味方に引き込めるかが変わるのだろうと思います。





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