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高価なものほどよく効きそうな気がするのはなぜ?【書籍から学ぶ】

皆さんこんばんは、福田達也です。

プラシーボ効果というのを聞いたことはあるでしょうか。日本語では偽薬効果とも呼ばれますが、なんの薬効もないものでも、薬だと信じて飲むと実際に効果を発揮するというものです。

日常で薬とかを買うときでも、効くんだろうなぁと思いながら飲むとやっぱり効く気がしますし、高いお薬だとより効いているように感じます。しかし、この効果は実際どんな風に働いているんでしょうか。

そんな話が今回紹介する本のテーマです。本日の内容はこちらの書籍『予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』の第11章より、『価格の力 なぜ一セントのアスピリンにできないことが五〇セントのアスピリンならできるのか』です。

【要約】高価なものほどよく効くと思う

私たちの信念や予測は、感覚刺激に対する知覚や解釈のみならず、客観的な経験さえ変化させる。これはプラセボ効果(日本語ではプラシーボ効果の方が有名)と呼ばれている。

プラセボを働かせる予測は、信念と条件づけによって作られる。信念は、薬や治療や世話をしてくれる人に対する信頼や確信だ。条件づけは、体が何度も経験することで期待を高めていき、さまざまな化学物質を放出してわたしたちに先々の心構えをさせることだ。

プラセボの効果はたんなる心理的な効果というものではなく、私たちの心が体をコントロールする方法を体現している。

プラシーボ効果について

昔からプラシーボ効果は大きいという話は結構聞いていたんですが、実際どれぐらい効果が大きいのかや、どういった時に働くのかといったことはあまり分かっていませんでした。

プラシーボ効果は以前に紹介した予測の効果と密接に関係しているようです。前回の予測は、予測によって私たちの感じ方や捉え方が変化するという話でした。

プラシーボ効果における信念とは、それが効果を発揮すると信じている時に、この予測の効果がさらに高まるということを言っています。

そして、条件付けについては、パブロフの犬と同じです。パブロフの犬とは、犬にベルを鳴らしてからえさを与えるという実験を繰り返した結果、ベルを鳴らしただけで、犬がだ液を分泌するようになったという実験です。

梅干しを見ていると口の中に唾液が溜まるように、私たち生きものの体は、予測によって反射的に、事前に構えるようになっています。

高価な薬の方がよく効く気がするのはなぜか?

高価な薬の方が効く気がする、というのは、まさに前節の信念と予測に関する事象でしょう。私たちは、薬が高価であればあるほど、より有効成分が入っているに違いないと信じるため、プラシーボ効果がより発揮されるようになります。

もちろん、商売の基本として、より効果を高めようとすれば、希少な成分などを入れる必要があったりするために、値段が上がるということもあるでしょう。あくまで、それらの実効成分とは別に、プラシーボ効果による影響もあるのだということです。

終わりに

今回は思い込みによって、実際以上に効果を発揮する場合があるプラシーボ効果について紹介しました。

昔から病は気からと言いますが、それだけ私たちの心が体に与える影響は大きいのだと思います。一方で、健全な精神は健全な肉体に宿るとも言われるように、体が心に与える影響も大きいのだから面白いですね。心身ともに健やかに過ごしたいものです。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを、楽しみにしています。




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