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同じものを見ているのに意見が異なるのはなぜ?【書籍から学ぶ】

みなさんこんばんは、福田達也です。

最近親しい方と映画に行くことが増えたのですが、終わった後って少しドキドキしますよね。自分はこんな風に感じたんだけれど、隣にいる友だちは同じことをどう感じたんだろうか。同じことを感じたのか、あるいは全然違うことを感じたのか。情緒が残る映画を見る機会が多いと余計です。結果、同じような感想だといいなと思いながら探り探り感想を話してしまったりします。

こういう事が起こるのも、人それぞれ感じ方が違うからです。しかし、なぜ見ているものは同じなのに、感じ方が変わるのでしょうか。それが書いてあるのが今回の本の話です。

本日の内容はこちらの書籍『予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』の第10章より、『予測の効果 なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか』です。

内容のまとめ

私たちは、過去の印象によってものの見方が影響を受けてしまうくせがあるため、同じものを見ていても解釈が違ってしまう。これは予測の効果だ。

事前にこういう味だろうと行った予測やその場の雰囲気は、私達の知覚に影響を与えている。また、このような予測による影響は事前に与えた時にのみ効果がある。

この予測の効果に対処するためには「目隠し」条件をうまく使うことが重要だ。あるいは、先入観や予備知識を完全に取りきることができなくても、私たちの観点が偏っていることを認める、この予測の影響を減らす努力をし続けることはできるだろう。

予測の効果

私達の考え方やものの見方、解釈は、私たちの過去の経験の影響を強く受けます。梅干しを見て酸っぱそうに感じるのも、チョコミントを見て歯磨き粉を思い出すのも、人の印象すらも過去の影響からは逃れられません(人の印象は3年続くといいますね)。

そして私たちはこの過去の経験や、現在受け取った情報をもとに予測をします。例えば、誠実な友達から誠実な人だよ、と紹介されれば誠実なんだろうなと思いますし、嘘つきな友達から誠実な人だよ、と紹介されれば本当かな?と思うでしょう。

そして、この予測は無意識の内に私たちの意思決定に影響を与えています。例えば、ワインを飲む時、高級なワインだよと言われて飲むのと、安物のワインだよと言われて飲むのでは感じ方は全然違うでしょう(実際、書籍で行われた似たような実験では、明らかに異なる結果が出ているようです)。

高級だよと言われれば、美味しいだろうと予測し、安物だと言われればまずいだろうと予測する。言葉でなくても、高級そう、安物そうといった見た目からの予測でも、この効果は働いているようです。

予測にどう対処するか

この予測による影響を抑えるためには、自分が予測の影響を受けることを認識するのが重要です。その上で、可能な限り予測が働かないようにする事が重要になってきます。

例えば、二人の人の意見を純粋に比べたいのであれば、どちらが言っているのかをわからないようにすることです。そうでなければ、無意識の内に、言い手の印象に関するバイアスが入ります。

とはいえ、予測自体は決して悪いことではありません。積み重ねてきた信頼があるからこそ、その人の言葉を信じられるようになりますし、期待をしているからこそ、それが叶った時は嬉しくなったりするもの。

普段は予測を働かせながらも、それがかえって邪魔になる時には、予測の影響を外せるように、普段から意識しておきたいものです。

終わりに

今日は、私たちの解釈が、過去の経験や事前の予測によって影響を受けているということについて紹介しました。

私たちの予測から来る先入観は避けることができませんが、それを認め影響をコントロールすることは自分の管理下にあります。自分の予測に対して、それがどこから来ているのかということを、意識していきたいと思います。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできるのを楽しみにしています。


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