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「香ちゃんと住む」

 起床後コップ1杯の水を飲み、お香を焚き、瞑想をすることから、わたしの毎日は始まります。
 お香、、、、あの日までは全く興味もなかったモノが、今はわたしの人生に香りをつけてくれています。

 匂いへのこだわり、女性の方はとてもあると思う。香水、シャンプー&リンス(トリートメントもか?)柔軟剤、芳香剤、などなど、多岐にわたってイイ匂いを追求している知り合いも少なくない。
 その点、男1匹わたしはと言うと、あの時からこだわりだして使いはじめているファ〜ファ〜(昔っから日本の洗濯洗剤界に生息している白いクマ)の柔軟剤ぐらいなもので、この柔軟剤との出会いはずいぶんと過去の話になる。
 当時よく利用していたコンビニにて、よく遭遇していた1人の女性がとにかくイイ匂いを放っていた。あんなことは後にも先にもこの時の1回きりだと思う。
「すいません、、、、すごく気持ちの悪いことをお尋ねしたいんですが、、、、あなたから、すごくわたしが好きな匂いがするんですが、香水ですか?それともシャンプーですか?よろしければなんの匂いか教えてもらえませんか?」本当にイイ匂いでして、この女性の匂いはいつだって店内中に広がり、空間を支配しておりました。その匂いにつられたとはいえ、よくもまぁ〜こんな気持ち悪い質問をしたもんだ。
 親切にもその女性は答えてくれた。「きっと柔軟剤の匂いだと思います」と。そしてファ〜ファ〜の情報を得て、購入した日から今日も使用し続けている。わたしは本当に一途な人間である。

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 前回の投稿で記した方位磁針を使用した寄り道の美学。まさにその日の京都での運命的な香りとの出逢い。
 二寧坂をぶらぶらしていると、とてもいい匂いが鼻先をくすぐりました。その匂いへと目をやると「香」の文字が入ってきました。「お香か、、、、全く興味ないけど、、、、少しのぞいてみよう」甘い匂いに誘われるように入店。とても嗅覚に優しい香りに包まれている店内、わたしは突然、妙なことを思いました。こうゆう優しい香りに「おかえりなさい」と言われたいなと。
 しかし「お香」のことなど何も知らない、、、、とりあえずこの店にある匂い、全て嗅いで、わたし好みの匂いを嗅覚に任せてみることにしてみよう。

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「なにかございましたら、お声をおかけください」一心不乱に嗅ぎまくっていると、店員さんが気にかけて声をかけてくれた。わたしは「お香」のことを全く知らないことを説明したうえで、少し質問してみた。

Q「どうゆう時に香を焚いていますか?」
「そうですね〜、わたしは朝起きてすぐと夜寝る少し前の1日2回ですかね。単純にお香が好きなんですよ」

Q「たくさん種類がある中、どの匂いを選択してますか?」
「わたしは職業柄全ての香を試して焚いています。好きな香を見つけるもよし、気分や季節で香を選ぶもよし、自由に香を楽しんでいます」

Q「正しい香の焚き方ってありますか?」
「うーーん、ライターで香に火をつけた後、炎を手で扇いで消したり、息を吹きかけて消したり、香を横に持ち振って炎を消すのではなく、炎がついた香を立てて持ち、上から下に下ろしてください」

Q「今はもう思いつかないので、疑問や知りたいことができたら相談しにきてもいいですか?優しく丁寧に教えてくれますか?」
「もちろんですよ」

 よし!こうゆうのも運命だ!わたしもお香をはじめてみよう!

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 ざっと匂ったところ、わたしは毎日の気分でコロコロ香りを変えて楽しむタイプではないようだ。お気に入りの香りを1つ見つけ、自分の香りにしたい!である。そして気になる香りは3点にまで絞られた。
 蓮、金木犀、白檀。

 蓮は何て言うのかな、、、、朝のはじまり、太陽がのぼりはじめる時間、その時に匂いたい香りって感じだなぁ〜。要するに、匂いたい時間が限定されているって感じ。

 金木犀は秋のお楽しみの1つ。9〜10月に外を歩いていると、不意に香って「あっ、金木犀の匂いだ」って毎年喜んでいる。なんかその季節の楽しみの為に、金木犀のお香を焚くのはやめておこう。

 白檀、、、、ずっと気になって、何度も何度も匂いを確認する。めちゃくちゃ好き。ものすごく好みな香りだ。この世とあの世の間みたいな匂いがする。この香りは、このお香を自ら焚かない限り、匂えないんじゃないかな?なんか、、、、鼻が気に入った!
 わたしのお香は、白檀に決定だ。

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 さて、続いてお香を焚く道具を選ぶ。
 香炉ってのが理想なんだが、なんだかハードルが高そうだな。初心者は初心者らしく最も簡単そうな香皿で始めようっと。
 笹舟(山形鋳物)の香皿&白檀を購入。これはあっさり決定だな、、、、っと言ってもすでに1時間以上店にいたけどね。
 よし!これでわたしの人生に香りが新たに加わることになった。

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 帰宅後、さっそくお香を焚いてみる。部屋中が白檀の香りに包まれる。なんて落ち着く匂いなんだろう、、、、ついつい瞑想をしてしまった。思い込みかもしれないけど、普段より深〜〜い瞑想な気がする。
 決めたぞ、毎日のスタートはお香を焚いて瞑想から始めようっと。
 家で香りを楽しむ方法は様々。花、香水、アロマオイル、アロマキャンドル、エッセンシャルオイル、ポプリ、、、、まだまだいっぱいあるな。数ある中でお香がわたしの人生に入ってきた。あの日、あの時、あの場所にわたしがいなければ、お香ではなかったかもしれないな。事実、わたしの通う本屋さんはエッセンシャルオイルなのかアロマオイルなのか、そのような物を「ポコ、コポ、ポポポ」っと焚いているので、「いい香りだなぁ〜」なんて思いながら購入を真剣に考えていたもんな。

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 ってなわけで、お香生活がはじまって3ヶ月。。。。えっ!?まだ3ヶ月しか経ってないのか!?、、、、いや〜〜恐ろしい。もっと前からだと思い込んでた!こうやって文章にしてなかったら、お香の玄人ぶってたかもしれないぜ!

 それはそうと3ヶ月、ほぼ毎日わたしは白檀の香りに包まれております。これまで嗅覚を意識して楽しむことをあまりしてこなかったと思います。食事は別としてね。

 そして、わたしの部屋に白檀の匂いが住みついたようで、帰宅すると毎日「おかえりなさい」と鼻先に聴こえてきます。

 さよならバイバーイ

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