アイススプーンおばちゃんとの戦い
(*過激な表現を含んでいます。気分を害する可能性のある方はご遠慮下さい。)
いらっしゃいませ。アイスが5点で436円になります。
今日バイト先での出来事である。
アイスの杓文字頂戴よ。
客のお婆ちゃんは言う。
(スプーンのことかな?)何本お付けしますか?
ここまでは冷静な私は質問する。
そんなん、5本に決まっとるやろ。
と、キレぎみにお婆ちゃんは言う。
決まってはないと思うが、と思いつつ無言でスプーンを渡す私。
1、2、3、4?4本しかないよ。いや5…、5本あるわ。
なぜか此方を睨みながら一人言を呟くお婆ちゃん。
この瞬間私は、ぶん殴ってやろうかと心の中で思った。
しかし、もちろんそんなことはしない。
しないと言うかしてはいけない。
私は疲れていたのだろうか。
ふと、家で今日の出来事を振り返る。
あの時あの場面でお婆ちゃんの顔をぶん殴ろうとする人は、まずいないだろう。
つまり、皆そのルールを守っているし、お婆ちゃんは殴ってはいけないで考えが一致している。
何が言いたいかと言うと、こういう共通認識が多くあるせいで、人間の多様性など死につつあるのではないかということだ。
明治時代では苛ついたら相手の顔をぶん殴る人は一定数いたはずだ。
現代でも本能に忠実なヤンチャボーイが多少いてもいいはずだと思う(?)
インターネットに毒されている場合、さらに、個性の均質化は進むと考えられる。
個別の能力は違う。が、インターネット社会の現在、個々の個性や考え方など似たり寄ったりなものに思う。
そのくせにして、君と僕とは考え方が違うよねなどと言い、相対的に自分の考えをコロコロと変え、それを押し付けてくる、厚かましいことこの上ない。
さあ、我が同士よ。今すぐスマホを捨て、自然の壮大さと戦おうではないか。
やっぱり、私は疲れていそうだ。
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