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ユベントスがVRアプリをローンチ。スポーツクラブにとっての2種類のVR活用方法とは?【ファンエンゲージ】

※この記事は2017年10月15日執筆記事を再掲したものとなります

イタリアセリエAの世界的なサッカークラブであるユベントスが、新たにVRアプリをローンチしたことを発表した。

このアプリでは、ファンがピッチ内や選手のトレーニングなどに疑似参加でき、同クラブのファンエンゲージメントに活用される。一部ズームインできないなどの制約はあるものの、ユベントスの選手がタイトル獲得を祝うシーンに入り込めるなど、ファンにとってはたまらないアプリとなっている。

クラブのマーケティング部門でトップを務めるフェデリコ・パロンバ氏は、グローバルにファンを擁する世界的な有名クラブであるがゆえに、本アプリが重要であることを明言。VRアプリローンチの狙いは、イタリア国外のファンにクラブを身近に感じてもらうこと、そして、デジタルネイティブを取り込むことの2点であると語った。

「ユベントスのようなクラブにとって、VRのポテンシャルは大きい。我々のデジタルプラットフォームをフォローしてくれている5,000万人のファンのうち、80%がイタリア国外の方々だ。すべての方が試合観戦に来ていただけるとは限らない。そのため、我々はVRアプリで、肉体的にこの場に来なくともクラブを身近に感じてもらえるよう、地理的な障壁を乗り越えようとしている」
「デジタルな文脈で好きなチームとの交流を楽しんでいる若年層ファンにアピールをする上でも、ユベントスVRは重要な方法である。近年は、TVで試合を見るだけではファンの基盤を育てることはできず、クラブは既成概念にとらわれない思考が必要になっている」

なお、ユベントスのVRアプリは、最初はフェイスブックが保有するVRヘッドマウントディスプレイである「オキュラス」にて提供されるが、今後は、組み立て式の簡易デバイスであるグーグルの「カードボード」にも展開される予定だという。

近年、スポーツにVRを取り込む動きが高まりつつあり、この先端技術が活用される領域は、トレーニングとファンエンゲージメントの主に2領域となっている。前者で言えば、本サイトでも紹介したとおり、アメフトのクォーターバックが判断力を高めるのに活用されるなど、現実世界では体験できない部分を補完する上で重要な技術となりつつある。

ユベントスVRの例は後者であり、スタジアムやセレブレーションの渦中など、ファンが現実世界では入り込めない場所へ疑似的に参加させ、クラブへのエンゲージメントを高めるのに有効活用されている。

今後は日本でも、上記2種類の文脈からVRを活用するスポーツクラブが増えていくことは間違いないだろう。

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