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「有毒なポジティブ思考と言われる『トキシック・ポジティビティ』は自分を傷つける」

「自分のこころを決めるのは自分なのだから、どんな時もポジティブに考えることが大切」「何事も気の持ちよう!」そんなふうに考えて頑張りすぎている人は多いのではないでしょうか。

これが行き過ぎると、有毒なポジティブ思考と言われる「トキシック・ポジティビティ」となり、自分を傷つける行為になってしまう危険をはらんでいます。

「感情が認識できない」「自分の感情がわからない」という症状や特性を持つ人がいます。とくに、精神的ストレスから身体に不調を来した人では、自分の感情を説明することが難しかったり、自分の心の状態に鈍感であったりする傾向があり、こうした症状をアレキシサイミア(失感情症)といいます。これは、感情がなくなる、ということではなく、経験している感情を表現できないということです。

自分の心、とくに自分の「感情」を正確に認識することは、自分の感情を適切にコントロールすることや、相手への共感する気持ちなどにも直結し、人間社会で生きるためにはとても重要な能力です。

   細田 千尋
   (東北大学大学院情報科学研究科准教授)

PRESIDENT WOMAN


「アレキシサイミア(失感情症)」

初めて聞いた言葉だけど経験あるな…。


数年前にいた部署は、ほぼ毎年誰かが精神的に病んでしまい、休んだり辞めたりする部署だった。

それなのに、私が突然そこへ異動になってしまった。


自分でも知らないうちに「トキシック・ポジティビティ」が働いてしまっていたんだろう。

「私にできるわけない」という思いもあったけど、たしかに「しんどい部署だとは聞くけど、一応見込まれて異動命令が出たわけだし、名誉なことだ。頑張ってみよう。」という思いもあった。


仕事の内容はやっぱりちんぷんかんぷんだったけど、ちゃんと毎日職場に行って仕事に向き合っていた。

でも、2か月が経ったところで、ある日の午後、仕事中に突然「これ、なんかやばい」と感じた。

何がどうやばいのかは分からない。

でも、妙に自分を俯瞰して、「このままではまずいことになる」という危機管理意識が働いたのを覚えている。

その日だったと思うけど、すぐに上司にメールでそのことを伝えて、面談してもらったのが、最悪の事態にならなかったと思う。

しばらくして、異動させてもらえた。


思い返せば、笑うという感情がなくなっていた。

愛想笑いすらできなくなっていた。

体にも不調が出た。

今でも原因は分からないけど、右足だけ謎の発疹が出た。

目の周りが短時間に急に腫れあがるというクインケ浮腫という症状も出た。

クインケ浮腫は前の会社でも時々出てたけど、経験したことのないくらい痛々しい姿になってしまい、誰かに殴られたんじゃないかと疑われてもおかしくないほどだった。

他にも、おかしなことがいくつも体に起きた。


私は、自分がストレスを感じやすい方だと思ってたから、まさか体の不調が心の不調を上回る日が来るとは思いもしなかった。

体の不調が現れたら、私は結構まずいことだと思っている。


私はよく愚痴をこぼすし、「しんどい」「辞めたい」とよく言ってしまう。

「何事も気の持ちよう」「ポジティブに考えよう」という考え方も理解できるけど、不平不満を言うことが、私にとってのストレス回避行動なのかもしれない。


自分の心の声を聴いてあげられるようにしておきたい。

そして、やっぱり睡眠時間はしっかりとりたい。



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