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「弱みが強みになったのを見たことがない。弱みは弱み。ただ『文脈』によって強みになる。」

「文脈」によってどんな特徴も強みになる。
この法則を信じることでしか、勝ち筋はない。

物自体が変えられない時に何を変えるかというと、
お客さんがかけているメガネを変えるんです。
絵自体が変えられない時は、額縁を変えるんです。

「文脈」を変えることによって、
中身の価値を操作することができるんです。


弱みが強みになったのを見たことがない。
弱みは弱みなんです。

   森岡 毅(戦略家)

「日曜日の初耳学」



「やっぱりそうだよね」と、非常に腹落ちした。

ちょうどこのことを考える機会があって、私にとっての答えが見つかった。

「文脈」がなければ、やはり短所は短所なんだ。




「短所は長所になる」というのは、就職活動の時に多くの人が使うテクニックだと思う。本当の短所を馬鹿正直にばらすことなく、実は長所のアピールにしてしまうというもの。

例えば、「私の短所は優柔不断ところです。でも、バイト先の店長からは慎重であると褒められることもあります。」という具合に。

ネットで検索しても、対比表一覧がたくさん出てくる。


もちろんこのテクニックが悪いというわけではない。

ただ、言い方が大事。「私の短所は優柔不断なところですが、慎重であることの裏返しだと思っています」とだけ答えても、きっと面接官には響かない。

でも、自分の経験に裏打ちされた具体的なエピソードを付け足すと、短所が長所に変わる可能性がある。

具体的なエピソードというのは成功体験であることが多い。成功体験を話していくうちに、「優柔不断」が実は「慎重である」こと以外に、「人望がある」とか「粘り強い」とか「情報収集力がある」といった他の長所のアピールにまで及ぶ場合がある。

スピードが求められる仕事では短所になることも、いろんな立場の人への配慮が必要な仕事であれば長所として歓迎されるかもしれない。


これが「文脈」ということだと思う。




今まで「短所は長所になる」というのがあまり納得できなかったのは、社会人になってからかな。

学生時代もコンプレックスに悩むことはあったけど、大学では気の合う人を選べたし、バイト先も選べたし、コンプレックスに向き合いたくない時は逃げることができた。

ところが社会人になると、どんな仕事でもできることが求められる。やりたくない仕事からは逃げられないし、苦手意識が強くても与えられた仕事には成果を求められる。

嫌いな仕事で成果を挙げるのは至難の業で、壁にぶつかることが多い。他の人と比べて、「自分はダメだ」「自分には能力がない」と落ち込む。


そんな時に、やみくもに「仕事が遅いのは慎重だからだ」とか「自分の意見を持てないのは他の人の意見を尊重できるからだ」と置き換えようとしても、根本的な問題は解決しない。

言い方を変えるだけでは、自分で自分を慰めてるだけで、だんだんみじめに感じられる。

やっぱり仕事が遅いのは短所だし、自分の意見が持てないのは改善した方がいいことだ。


弱みは弱みだ。強みには変わらない。

森岡氏と林先生が言っていたけど、弱点を無理に伸ばそうとしなくてもいい。自分の強みを伸ばしていく方がいい。得意なことや好きなことで成果を挙げたらいい。


でも、弱みだと思っていることが活かせる「文脈」もある。

自分の性格がそのまま活かせる環境に身を置くことができなくても、活かせる場面で活かすことはできる。

それもあまり期待しすぎず、活かせる時に活かせばいい。チャンスがないならそこにこだわらくていいんだ。


弱みをどう克服するかを考えるんじゃなくて、強みに目を向けられるような意識の回路ができればいいな。



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