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松本拓海さん(第67回優勝)インタビュー Vol.11

 動画審査を勝ち抜いた出演者が演技を行い、観客審査によって優勝者が決まるミュージカルオーディションショー、スマッシュキャバレー。今回は、2023年6月30日、第67回のショーで優勝に輝いた松本拓海さんにお話を伺った。

◾️松本拓海(まつもと・たくみ)

幼少期から多数のミュージカル、ドラマ、映画、CM等に出演。 主な出演作に「ピーターパン」(ホリプロ)や「リチャード3世」(東京芸術劇場)、「マイガール」などがあり、高校では可能性の幅を世界に移すべく、アメリカに留学。帰国後もドラマにレギュラー出演し、現在は2本の映画公開が控えている。夢は世界中の少しでも多くの人に夢や希望、笑顔を届けること。



1 名前を呼ばれた瞬間は「ドキッとしました」

― 優勝おめでとうございます!

「ありがとうございます。すごく嬉しいです」

ー 優勝者としてお名前を呼ばれた瞬間のお気持ちはいかがでしたか?

「ドキッとしました。自分の出せるものを全て出せたし、(他の出演者が)みんな個性が溢れていてパワーやエネルギーがあったので、“呼ばれたらいいな”という感じで落ち着いて待っていましたが、すごく嬉しかったです」


2 飛び入り参加の翌月につかんだ優勝

飛び入り参加では「震えていました」

 はにかみながらも終始穏やかな笑顔で答えてくださった松本さん。実は、彼がスマッシュキャバレーのステージで初めて歌を披露したのは、前回(第66回)、2部冒頭で行われた恒例の飛び入り参加コーナー(立候補制)でのことだった。

前回の飛び入り参加で舞台に上がった時の松本さん(中央)。
左はMC・西岡舞さん、右は同・守山宏輝さん。

ー 前回はどんな経緯で飛び入り参加の立候補に至ったのでしょうか?

「誰もいなかったら歌いたいとは思っていましたが、一緒にいた人に手を挙げられました(笑)」

 同行の方の勧めもあって立候補された松本さん。賞レースに関わらないとはいえ、観る側から突如、歌う側に回る飛び入り枠特有の緊張感も味わったようだ。

「あの時は練習もしていない状態。急というのもあって、僕もすごく焦っている中、舞台に上がったので、緊張して歌っている時もブルブル震えていました」

準備してきた自分を信じて歌えた今回のステージは
「すごく気持ちが楽でした」

 そんな経験を踏み、今月は出演者としてエントリー。動画審査を経て出演のチャンスを掴み、見事、優勝を手にした。

― 今回、改めて出演者として参加されてみて如何でしたか?

「準備してきたからこそ、伝えようという気持ちを持ってリラックスした状態で歌えました。(アクティングコーチに)色々なアドバイスをいただいていたんですけど、舞台では一旦それを空にした状態で、今まで準備してきた自分を信じて歌うことができたので、すごく気持ちが楽でした」


3 気持ちを伝えたいという強い思い

心に溶け込むナチュラルなパフォーマンス

 松本さんの舞台で印象的だったのは舞台での居方だ。ただそこに立ち、語りかけるように歌を紡いでいく。感情が高ぶった瞬間も決して力むことなく、観る者の心にすっと溶け込んでくるようなその演技は、ナチュラルでありながら、不思議と新鮮な感覚をもたらしたように思う。

 そんな中、決勝では頬を一筋の涙が伝う場面も見られた。

「役に入った時に1つ1つの歌詞を伝えたい人がいて、お客さんの顔が見えることもあり、届いて欲しいという気持ちで自然に感情移入できたのかなと思います。今日は伝えたいという思いが強く、歌っているとグっときました」

 決勝のパフォーマンスについて冷静に振り返ってくださった松本さん。実は今回のステージを通じて特に思いを伝えたい方がいらしたという。

「スマッシュキャバレーへの準備も一緒にしてくれた、僕のアクティングコーチで師匠です。お兄さんみたいな感じで、人としても成長させてくれるし、支えてくれていて、その人に“ありがとう”の気持ちを伝えました」

 念入りな準備の先に訪れたリラックスした状態。そして、歌を通じて思いを「伝えたい」という純粋な気持ち。そのシンプルなスタンスが、観る者の心にも共感をもたらしたのかもしれない。


4 エンターテインメントを通して得たもの

同じ志をもつ同年代の出演者との出会い

― 他の出演者の方々のパフォーマンスをご覧になって如何でしたか?

「全員の方とまた同じステージに立ちたいと思いました。色んなバックストーリーがある人がいて、一人一人が伝えたいメッセージもあって。たくさん刺激をいただいて、僕ももっと頑張らないとなと。将来の目標が同じで、年齢も近い人が常に頑張っているということがすごく素敵だなと思って」

出会いや、もらった夢・希望は僕の「生きる希望」

 同じ志を持つ方々と出会えた喜びを嬉しそうに語ってくださった松本さん。幼少期から舞台を中心に活躍されていたということもあってか、ミュージカルを含めたエンターテインメントの世界には、人一倍の思い入れと深い感謝の気持ちがあるようだ。

「出会った方々に本当に支えられて、僕は今、ここに生きていて。実は僕は父がいなくて、母と2人で生きてきたんですけれども、今まで1回も寂しいと思ったことがないんです。それは、エンターテインメントを通して出会った人々や、ミュージカルを通してもらった元気とか夢が、僕の1つの生きる希望になっていたからです。やっぱりエンターテインメントが大好きなので、今後もずっと大切に続けていきたいと思っています」


5 日本のより良いところを海外に持って行きたい

人に優しく、希望や夢を与えられる人間に

― 先程、記念撮影(1枚目の写真)で持っていただいた画用紙に「世界を目指します」と書いてくださいましたが、将来的な展望や夢があればお聞かせいただけますか?

「人間としては、人に優しく、みんなに希望や夢を与えられる人間になって、僕の大好きな人たちに囲まれたいというのが目標です。そして、芸能界における目標としては、日本との架け橋じゃないですけれども、日本のより良いところを海外に持って行きたい。ハリウッドなど、アメリカに行って、自分の感情や思いをいろんな人に共有できる俳優になりたいと思っています」

― 熱いコメントをありがとうございます。本当におめでとうございました!

「ありがとうございました!」

 エンターテインメント界への感謝と恩返し。松本さんの言葉からは、そのステージでのあり方と同じように、シンプルゆえに揺らぐことがない思いの強さが感じられた。エンターテインメントへの愛をベースに、これからのワールドワイドなご活躍に期待を寄せたい。

(Tateko)


企画構成・編集:Tateko
写真:中山駿

協力:SMASH CABARET https://smashcabaret.com/
   中目黒TRY

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