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一杯のコーヒーが教えてくれた組織と多様性

いつもと違うコーヒーを買ってみたら見えてきた。
組織やコミュニティって多様だから大変だし、うまくいくよね、という話。

朝の一杯、食後の一杯、休憩時間。
デスクには常にコーヒー、という方もきっとおられるはず。

こんにちは。コーヒーは深煎りブラック党、一緒に食べるチョコレートはナッツたっぷりジャンドゥーヤ派のTATEITO広報、長谷川です。

私もコーヒーが好き。ラッキーなことに焙煎所が近くにあるので、いつでも手軽にいい状態の豆が買えます。

その店では基本的にシングルオリジンばかりを扱っています。エチオピア、ブラジル、東ティモール、ペルーなどバラエティに富んだ選りすぐりの豆が、特徴に合わせて煎り分けられ、浅煎りから深煎りまで勢揃い。

シングルオリジン、直訳すると、単一産地。産地ごと、生産者ごとに細かくロットを分けたコーヒーのこと。

シングルオリジンの意味。川野優馬 / LIGHT UP COFFEEさんの記事より抜粋

いろいろあるから店としてのバランスが取れ、魅力が出る。豆の状態によっては、いつもは深煎りで出してても違う焙煎方法にしてみるなどの工夫もあったり。

今回いつもの焙煎所の豆が買えなくて、久しぶりに大手メーカーの出す有機ブレンドを購入。1つ1つの豆の違いまではわからないけれど、合わさることでいつ飲んでも一定の品質が引き出されます。

組織やコミュニティっていうのは、この焙煎所のようでもあるし、いろんな産地の豆がブレンドされてできあがるブレンドコーヒーみたいでもあるなあ…と妄想が始まりました。

TATEITOのブレンド具合

以前も紹介したことがありますが、東京からスタートしたTATEITOも、今ではさまざまな地域で暮らす人が集まっています。東京、本州、四国、九州、そしてヨーロッパにも。

男女比で言うと最近は男性比率が高い。(2023年4月現在、男性:女性=3:1)年齢も40代が多めではあるものの、20〜50代まで比較的バラバラ。

職種は、マーケティング、セールス、プロダクト、エンジニア、カスタマーサクセス&サポート、デザイン、撮影&編集、バックヤード(総務&人事&経理&法務)、広報といったところ。

役職による分類や意識は日頃感じないTATEITOではありますが、一応役員とそれ以外、リーダーとそれ以外という分類もあります。

学歴や職歴の話もするともうキリがないし、実際ほとんど知りません。大事なことは、今どんな貢献ができるかなので、過去の経歴は関係ない。

複職もOKで、地域や各種コミュニティでの役割を担っている人もいるので、TATEITOの仕事以外の顔をいくつも持っている人がほとんどです。

さらには育ってきた環境、一人一人の性格や趣味嗜好。当たり前ですが全員びっくりするくらい違うはず。重なるところもあるだろうけど、表面に見えるところだけでも違いすぎるから、その全貌やいかに…というところ。

組織とは、いろんなシングルオリジンの集合体

TATEITOくらい小規模な組織でも、かように多様で。

結局のところ、どの組織も唯一無二の「人」が集まるさまざまなシングルオリジンの(もっと言うとその中の一粒一粒の)集合体なわけです。

「組織の問題」が常に取り沙汰される世の中だけど、当然だよね、ということにも気づけます。こんなにみんな違うんだから、少なくとも前提をそこに置いた方が平和なはず。

それが無理なんだとすると、一人でやるしかないわけで。。。(それでも、誰とも関わらないことはかなり難しい)

「コミュニケーションが大事」となるのも、どういうところが合意できてるのかな?どういうところが違うのかな?を探り合い、理解し合う過程そのものがコミュニケーションだから。

「あ、うん」の呼吸や「言わずもがな」っていうのは、すぐ横で始終一緒に行動して、日々の一挙手一投足を目の当たりにできるからこそ可能になる。

オンラインでのコミュニケーションが前提の社会だと、よほど言葉を尽くしても、伝わらないこともたくさんあると思っていてもよいくらい。

そこには時間も、労力もかかります。

一般的な日本人だと、均質な世界で育って大人になっていくから(学校は基本同じ年齢の人とのみ一緒に過ごすとか、大学生は同じことを学ぶ人と長い時間を過ごすとかね)、社会に出ると突然いろんなものがごちゃ混ぜの世界に飛び込むことになって、「違和感しかない」日々にもなりかねない。

「自分から見える世界が世界じゃなかった!」ってことに早く気づけると、少し引いたところから、俯瞰的に物事が見え始めるかもしれないですね。

でも、だから組織は豊かで強くなる

一方で、組織はシングルオリジンの集合体だからこその豊かさと強さがあります。それぞれのメンバーのその時々の体調や、抱えているもの、悩み、勢いなんかも当然違う。

プレゼンが上手な人もいれば、誰も気がつかないような小さな綻びや漏れを察知して、黙々と修繕する人もいる。時には勢いに水を差すっていう難しい役割をこなしてくれる人も。

場面場面で酸味、苦味がとがる時があるのもまたいい。まろやかさやコクが強調される時もまた良し。

長期的に見たときに、いろんな人が自分の持つ力を出し合って、得意不得意を相互にうまく埋め合わせし、協力し合える組織は、組織として一定のパフォーマンスを出し、ひらめきを形に変えて前進し、長続きしていけるのだろうなと思います。

久しぶりのブレンドコーヒーのパッケージから浮かんできたお話でした。
さて、美味しいコーヒーでひと息いれますか。

見事にいろんな国の豆がブレンドされています
多くの種類が混ざることで凸凹が修正され、一定の品質を保ちやすくなるのですよね。

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