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わたしの鬼さん

 鬼

 拝啓

 豆まきということをする日ですね。(2月3日)
 わたしは豆まきはしていない上、今日を2月4日と思い込んで過ごしました。
 子がいたら、豆まきをしたでしょう。

 豆まきというものは、豆を鬼に投げつけて、鬼が逃げたら福に入ってきて下さいと言って、今年も幸せがありましたよと心から言えますように(合掌)

 ところで、大抵はそうだろうとお思いでしょうが、わたしはわたしの中に鬼(悪霊あくだま)がいるだろうと思いますよ。

 それを、どこに、どうやって
 見えないのに、どうやって豆をぶつけるんでしょう。子どもの頃だって、
 鬼は本当はお面を被った幼稚園の先生じゃないって、わかっていましたよ。

 鬼というからには、笑えない気持ちのことなんでしょう。わたしの中のどれを鬼と呼んで豆をぶつけるんでしょう。

 途中では、幼稚園の頃を過ぎて、少しだけ頭良くなった頃は、嫌いなものが鬼で、その鬼に豆をぶつければいいかと思っていたけれど、近頃は鬼さんと呼びたいくらい親しみがあります。

 わたしを福から遠ざける鬼さんは、わたしの部屋の、わたしの胸の中の、どこにいて、どうやって豆をぶつけて、どうやって福が来たってわかるだろう。

 鬼さんは、鬼さん。
 あなたはわたしにとって、鬼みたいな福さんだ。
 だからわたしは、わたしの鬼さんを
 追い出すといっても、わたしだけの福さんなら簡単に招けそうだけれど、あなたの福さんは何だと考えたら、一気に難しい。

 難しい。これが鬼さんかも知れない。
 豆なんかぶつけないから、散歩に行って福さんになって帰って来てと、呼んでみるのはどうでしょう。 草々不尽

 令和4年2月3日木曜日付

 Y.J


11.729光年彼方へ枯渇しても愛を湧かす


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