24通目 発作中の山犬に近づく

虹を三回見ました。

　大きな虹！と聞こえて、虹をかける歌を思い出して、虹をかけるように生きるのって、とても気力がいるでしょう。
　でも本気で虹をかける気で生きるのは、わたしから見ると素敵なものでした。

　虹の根っこも二重の虹も見たし、虹の根っこの真ん前にも行きました。
　わたしは虹に近付くほど手を叩いて笑いました。

　調子に乗ってラーメンも食べました。
　お世話になっている人たちと、その人たちの大事な人たちに、お土産を買いました。

　発作が起きると人に噛みつく山犬に会いました。
　抱きかかえると踏ん張って、発作を起こし尽くして眠ってしまいました。
　発作とは、筋肉が硬直して起こっているようです。

　山犬に呼ばれるようになって、嬉しく思いました。
　世話をしすぎて自分が山犬の匂いになったので、お風呂に入って自分を取り戻しました。　草々

　二〇二一年十一月二十三日

　11.729光年彼方へ枯渇しても愛を湧かす 24